マノンお帰りなさい! マカピーの日々 ♯1565
マカピーです。
あのマノンが無事サンボアンガの自宅に戻りました!
ハナさんのスマホにマノンの着信記録がありました。
ハナさんが掛け直すと不在のようです。
ところが5分ほどして折り返し電話があり、マノンが元気な声で「今どこだい?」と尋ねるのでした。
「私たちはルソン島よ。どう、久しぶりのサンボアンガは?」
「家族と一緒の生活にも慣れたよ(笑)。いろいろお世話になったね」
「マノンが無事にたどり着ければそれが一番よ」
「サンボアンガに立ち寄っておくれよ」
「インシアラー。そうね寄らせてもらう事になるでしょう。ところでマノンまたティナパイ(フィリピン語のパン)をそっちで売るつもりなの?」
「もうパン売りはやらないよ。庭で野菜を作ったりニワトリを飼うんだ」
「そうだよ。それがいいわよ」
実は密航でのマノン帰還計画を実行してくれたハッサンはマノンの荷物を梱包したものを写真に送ってきてくれました。
「迎えに行った車にガラクタが一杯で更にはテーブルまで持ち込もうとするので、もう載せられないって断ったくらいだよ」
「こんなものはサンボアンガでもあるから、身軽で帰るように勧めたんだけど最後までダメだったね。爺さんは頑固だ!」
「おかげで無事に行けそうね」
「ああ、ドクターとの約束だから無事送り届けるよ」
「ありがとう!マレーシアに帰ったらまた寄らせてもらうわ」
「ドクター気を付けて旅をしてくださいね」
こうしてマノンの密航は成功したようで、自宅に戻ったマノンが、地元の役所に自分の登録を届け出するのかしらと思ったら「そんなことしないだろうなあ」って思いました。
だって、そんな事をして何の意味があるのかっていう事ですよ。
80歳のマノンが40年間マレーシアで暮らして戻って来ただけの事です。
そう、ただそれだけの事なんです。
彼が生まれた頃はボルネオ島北部のサバ州はマレーシアに合流していませんでした。
まだフィリピン領というか、英国がスルーのスルタン(ムスリムの王様)に租借していた北ボルネオを返還するはずだったのにどさくさでマレーシアになってしまった背景がある土地なのです。
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