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道は途絶えない! マカピーの日々 ♯1526

マカピーです。
ハリー叔父のところへ来ても、早朝散歩を続けています。

ルソン島中部のカガヤン渓谷はその名の通り遠方に見える山々に囲まれますが、広いので平原のようです。

今そこは雨季を迎え、まさに稲作の真っただ中で緑あふれる大地となっています。

そもそもこの土地にダムを作りそこを豊かな二期作稲作地帯にしたのはマルコス元大統領であったと言われています。

マカピーは朝散歩をしながら複雑にはりめぐされた灌漑用水網の間にある田んぼを眺めながらいろいろ考えます。

本当にマルコス大統領ってこの国に君臨した独裁者だったのかなあ?

マカピーはマニラに3年半ほど滞在したころは彼の次の大統領コリー・アキノ政権の頃でした。

フィリピンの経済はボロボロでした。

今でこそ隆盛を極めるマカティ地区でも、当時は停電が頻発。

大きなお店は道路に室外の発電装置を回すので騒音がひどく、マカピーのいる住宅地も停電で冷蔵庫の牛乳がヨーグルトになってました。

マカピーの長男と次男がマニラで誕生するのですが、暑いのに停電だからエアコンが使えません。

窓を全開にして、ロウソクを灯していて汗をダラダラ流していた事を思い出します。

いつもクーデターの発生のうわさが飛び交いバギオを中心とする北部ルソンの地震、そして極めつけはピナツボ山の大噴火でした。

当時はマルコス政権打倒で明るい未来を描いたフィリピン国民は、その後に続く大統領に対してどのような評価をしているのでしょうか?

何とコリーの息子もフィリピン大統領を経験し、現在はマルコスの息子ボンボン・マルコスさんが大統領なんです。

歴史って何なのかなあ?

水路沿いの道を歩きながら為政者とは国民をどのように導くべきなのかをいろいろ考えたのでした。


あの山から豊かな水がカガヤン渓谷を潤すのでした

それで、目の前の用水路を見ながらフッとこれを観光に使えないだろうか?って考えました。

たとえばカヌーで子供たちを乗せて郷土史や自然科学を学ぶ場に出来ないだろうか?

水の事故を心配するなら、ライフジャケットをつけた子供たちのグループを引率してもいいかも。

野外教室だけでなく、途中に地元料理を食べる昼食をいれるプログラムだったら観光客にもウケるかもね!

さらに、灌漑用水の水門近くでは渦巻く水流を目にすると別の考えが閃きます。

これだったら、日本の低水位差の発電技術を導入すれば発電だって出来るかも知れない!


このくらいの水位差でも発電できるかしら?

それから灌漑用水は各地域ごとに、水路周辺の除草作業など沢山の人が除草機で重労働を繰り返しているのを見かけます。

朝早くからご苦労様です!

その一方でロープに繋がれた牛たちが草を食んでいるけど、ヤギの集団を電牧(Electric Fence)などで囲うやり方で除草させ、更にはその肉を売るというのはどうだろう?

除草と畜産の一石二鳥となる方法は日本の「水田アイガモ除草」というエコな考えと同じです。


これってネイザン種に近いヤギかも

先日ハリー叔父のところの田んぼに、フレディが「2‐4‐D」という農薬を散布していました。

こちらは広く日本でも使われている選択除草剤と言われ双子葉植物が発生しなくなります。 

(ですから、ヒエなど同じイネ科の植物は残ってしまいますけど)

二期作をする場合の技術を確立すれば十分やって行けるのではないかなあ?

でも犬を飼ううちが多いので、その被害はどうだろうか?

そんな事を夢想しながら歩いていたのですが、今日はいつもと違う道を選んだので、果たしてどこの角を曲がってグルーッと回って戻って来るか分からなくなりました。

「まあ、こんなところかな?」と小さな村落の入口の角を曲がる事にしました。

落ち着いた村の家々の様子を楽しみながら行くと、舗装路が未舗装となりました。

あれれ?

更に道路幅狭くなるのでちょっと不安になります。

とうとう道路は小さな水路に突き当たり、そこで道が途絶えました。

さて、どうしようかしら?


舗装路を行く、トライシクル。荷台には白い犬が

同じ道を戻る事は出来るけど、木立の中の小さな家で朝食を摂っている家族がこちらを見ているのが分かったのです。

そこでマカピーは英語と手ぶり身振りで「この道は行きどまりなの?」「あっち側に行きたいんだ」と田んぼの向こう側を指さしました。

すると、若い主人が出て来てくれて「こっちだ」と先導してくれるのでした。

え、下水の流れる家と家の間の路地裏です。

「ほら、あっち!」と彼が指さす方を見ると、路地の先に舗装道路があるのでした。

「スラマット(ありがとう)」ボクはそう言ってコンクリート舗装路に出ました。

そうか、先ほど歩いていた道と並行して次の村に行く道路が走っていたんだ!

道は意外なところで繋がっているのですよ!

まさしく「道は開ける」ものです!

障害があっても直ぐに諦めないで、困ったら誰かに聞いてみる。

そして自分の目的地を目指すことで、ちゃんと正しい道に戻ることが出来るものなんですよね。


水田の中にマンゴの木が点在するのも面白い

マカピーはフィリピンの田園地帯で、「人生で大切なこと」を学ばせてもらった気持になり嬉しくなりました。

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。目的があれば、道は開かれる!

#創作大賞2024 #エッセイ部門


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