雲海の町へ マカピーの日々 ♯1566
マカピーです。
イフガオの臨時クリニックが移動しています!
レンとインサンマロン夫妻の家の一角でやっていたクリニックが同じ州内の別の場所で開催されて2日経ちました。
その理由はフローレンスという女性が熱心な勧めがあった事で、この女性こそが先日「病院を作ろう」という話を持ってきた人でもあったのです。
「だって、今までの臨時クリニックに来ている多くの人が私たちの地域から来ているし、周辺地域からのアクセスがあそこよりも数段良くなるから」
「そこって山奥になるんじゃないの?」
「いえ、むしろ平地が多いわ」
ふーん、そうなんだ。
マカピーはイフガオのアギナルドという地区を地図で探しました。
フィリピンには同じ地名が沢山あり、どのアギナルドなのか混乱しましたがイフガオのアギナルドはそこだけです。
で、行って見たのですが舗装道路ではありますが結構な山道でワインディングロードが続くのはこれまでのサンタマリアの田舎道と同じような感じがします。
むしろ交通量が多いのでバイク走行では怖いくらいです。
地元の人は地形を熟知しているのでかなりのスピードで走っているので
二人乗りのマカピーはそれについて行くことが出来ません。
コーナーで滑りそうになるんですもの!
で、結局どこがクリニックになるのかと思ったら、彼女の経営しているガソリンスタンドの休憩所のバンブーハウス(東屋)と事務所のリビングという事でした。
金曜日に出かけたのは午後遅くなってからで、到着した時は既に午後四時を回っていたんでマカピーはハナさんに尋ねました。
「こんなに遅くなって大丈夫なの?」
「でも、フローレンスには行くって言ってあるのよ」
初めてのルートではサンタマリアへ裏道で行くのよりも遠いのでした。
表道でサンタマリアへ行くのとほぼ同じ30㎞以上走ってガソリンスタンドに屠着し、患者が待っているバンブーハウスに落ち着くのですが停電中。
アララ・・・(これじゃブロアーが使えません)
どおりでガソリンスタンドの横で緊急発電装置(ジェネレーター)が
稼働してたわけです。
一時間ほどして電気が回復するあたりから、患者が増え始めてマカピーは事務所建物の中の長椅子でブローを開始したのですが、遅く始めたせいもあって全然患者さんが減りません。
小児のケース以降はナさんがブローを担当するのですが暗くなっても沢山の人がいます。
9時になってガソリンスタンドが閉まった後で「残りは明日にしましょう」と終えた時は既に9時半を過ぎていました。
片づけをして慣れないワインディングロードを戻りましたが、幹線道路に出ると既に10時半になっていたので、以前入った事のあるレストランに飛び込みました。
「まだ、やってる?」
「大丈夫です」
そこでご飯を注文して食べ終わるともう11時です。
更にハリー叔父宅に戻った時は11時15分となっていましたが、家の中の電気がついていません。
「どうしたの?中にタックスはいないの?」
「いるけれど、幾度呼んでも起きないのよ」
確かに窓を開けた下の長椅子にタックスがうつぶせに寝ているのですが声をかけても、短パン姿の太腿をピチャピチャ叩いてもダメです。
「ハリー叔父も珍しく電気を消して寝ているわ」
「珍しいね。もしかしてお酒を飲んだから寝っちゃったのかもね?」
「えー、そんなことあるかしら」
「だって、二人がこれほど呼んでも起きないくらい熟睡しているの、どう考えてもはおかしいよ」
仕方なくマカピーは窓をまたいで乗り越え家の中に入りました。
ドアのロックを外して、ようやくクリニックに必要な薬やブロー装置を家の中に運び込むことが出来ました。
マカピーは疲れていたので先日泥道でバイクを制御できずに左足のくるぶしにけがをしたのですが、その足の消毒もせずに眠ってしまいました。
そして、翌日に気が付くとまたもや朝の6時前から患者さんがハリー叔父宅に押し掛けてくるのでした。
「プライベートの時間が無いんだね」
「これでクリニック近くに住んでいたら、それこそ24時間ずーっと患者を診ることになるわ」
3年前の様子をハナさんの聞いたことがありますが、マカピーにもそれが冗談ではなく現実であることが分かってきました。
こりゃ、疲れるわ。
それでも来た患者さんを追い返すことはしないハナさんでした。
イフガオのアギナルドに行くとフローレンスが「無理して夜道を帰らず、こっちに泊まってゆっくりして行けば良いのに!」とは言ってましたが3日目になるとハナさんへのテキストメッセージが送られてきました。
「今日の夜はこちらで泊まって、明日朝雲海を見に行きましょう」
そうなんです、この山地の町では朝に雲海が見られるとの事でした。
「日本にもあるけど、見てみたいなあ」とフローレンスに伝えてあったのが
もしかすると、案外直ぐにすることになりそうです。
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。心機一転で変わる事もある
もしもサポートいただければとても嬉しいです。そのサポートは感謝のバトンタッチとして使わせていただきます!