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国籍って何だろう? マカピーの日々 ♯1527

マカピーです。
マカピーの友達にも二重国籍を持つ人がいます。
(サムネ写真は、結婚前日本の自宅で版画作成をするマカピー長男)

さらにマカピー息子たちがインターナショナルスクールに通っていた頃、その友達の中には多重国籍者が多かったのでビックリしました。

カンボジアの政府大臣の母を持つ娘さんは、母親がカンボジア人そして父親が米国人なのでまあ普通でした。

野党リーダー(政治家)の娘さんもフランスとカンボジアの二か国でした。

ところが、外務省高官の娘さんは両親がカンボジア人でもフランスとシンガポールの国籍の三つの国籍を持っていたのです。

インドシナ3国を植民地化していたフランスの国籍を持つカンボジア人が多い事は納得できましたが、さらに多くの国籍を持ち「危険分散」をはかっているのは、大国に翻弄されポルポト政権の悪夢を経験した彼らの哀しい歴史があるからだと思いました。

ただマカピーの長男と次男は出生主義をとると言われているフィリピンで生まれたので、同僚からも「フィリピン国籍が取れる」と言われたのでしたが、その事を深く考える事はありませんでした。


フィリピンの田舎町の食堂に立ち寄ります

学校では年に一度の「インターナショナル・デー」行事として各国に別れて父兄も協力してブースを設けて文化紹介や伝統的なスナック菓子を配ったりしていました。

その中で興味深かったのが国威掲揚的な場になると、とたんに「国」を意識始める人がいる事でした。

例えばかつて英国が植民地化してたインドはその後インド、パキスタン、バングラデシュと参加国に分裂しています。

まあ、元は同じの国だからと安易に考えていると、当事者はかなりの民族意識が強く「あの国と一緒の部屋にしてくれるな」などと学校側に訴え出たりするのです。

でも、出品展示されているものや食べ物も、大きな違いが同じような気がするのは私だけだったでしょうか?

そうした父兄だけでなく教員も英国旧植民地を含む国々で有名なスポーツであるクリケットの国際試合ともなると観戦して「一睡もできなかった」と目を腫らしてくる人達が多かったのです。

特にインド対バングラデシュの対戦ではサリー姿の母親まで肩をいからして学校に子供を連れて来ていたような印象があります。

日本、韓国、中国(台湾)などの関係もちょっと微妙に感じる事はありますが名指しで批判し合うような経験はありませんでした。

ところが、マカピー三男が小学校1年生の頃に学校から呼び出しがあり三男の言動に注意があったんです。

どうもマカピー三男が台湾人で足に障害のあったクラスメートをイジメたというのです。

注意事項を聞いて学校から戻り、三男に尋ねました。

「どうして彼女をイジメたの?」

「ボクはイジメていない」

「え、どういうこと?」

実は後で分かったのは三男のクラスにいたもう一人の日本人の女の子のミサキがイジメをしていたらしいのです。

後でミサキに聞くと「だって台湾なんてこんな小さな国なのよ!本当のことを言って何が悪いのよ」と親指と人差し指の間の狭い空間を見せたのです。

ミサキ、そりゃそうかも知れんけどねえ。

張本人のミサキは全然反省していませんでした。


こちらは町の中心市にある中央市場周辺の様子

実は「冤罪?」となるケースは他にもありました。

というか、白人の教員が多いのですが彼らの中に黄色人種の子供の見分けがつかない人がいるのでした。

インターナショナルスクールといってもインターナショナル・バカロレア(IB)校でしたから、それなりのレベルの教員が国際市場?で採用されているはずなのですが、それでも「人違い」が発生していました。

マカピー長男はその教師からいつも「ジョセフ」と呼ばれていました。

ジョセフは韓国人でマカピー息子兄弟くらい似ているかというと、マカピーから見ると全然違うキャラです。

クラスの中で幾度も間違えるので、そのうちに諦めた子供たちも教師に注意しなくなるというのでした。

それでいいのかな?

もし教員がマカピー長男をジョセフとして評価するとしたらどうなってしまうのでしょうか?

一度学校側にその懸念を伝えたことがありましたが、結局どうしたんだろう? 

マカピー長男は結局そこの学校から英国の寄宿校へ13歳で単身転校してしまったので問題にならなかったようです。


鍋の中のお惣菜をプラスチック袋に分けてもらいます

ただ、こうした例はある程度、時間が解決するものだと思うんです。

それは、マカピーが初めてアフリカ大陸で働いた時に、最初の1か月以上ザンビア人の同僚たちの識別が出来なかった事があったからです。

もちろん男性と女性の違いは分かるのですが、後々「どうしてこれだけ特徴が違っているのに区別できなかったのはどうしたわけだろう?」って自分でも不思議に思う程個体認識が出来なかったのです。

ところが、日本から短期で来る仕事関係者が同じような感想を言うのでした。

「マカピーさん、よく皆さんの区別が出来ますね。ボクにはみんな同じに見えてしまうんです」

「マカピーも最初そうだったんです。そのうちに慣れて違いが分かるようになりますから大丈夫です」と安心させたのです。

更にマカピー次男がカナダから休暇でザンビアに来た時に同じ感想を漏らしていた事にマカピーは驚きました。

彼の場合、小学校時代に英国学校、そしてインターナショナルスクールに通っていたので常に近くにアフリカ系黒人のクラスメートはいたからです。

「お父さん、ボクこんなに黒人ばっかりの国に来たのは初めてなんだ。どの人も同じに見えてもうパニックになっちゃうよ」

なんと、彼にしても同じような識別障害?が起こっていたというのです!


これはナスの煮つけです!

あれから月日は流れ、次男はカナダ大学を卒業しさらに仕事をしながら永住権を取得したと聞きました。

長男は英国人と結婚して永住権を持ち、生まれたナオミは二重国籍となっています。

三男は現在東京にいますが、ヒョイとどこかに出かけて行きそうな気がするのは三人が海外で生まれ育っているからで「ボーダレス」(国境無し)的な考え方があるからでしょう。

そうしたら、三男も国籍についていろいろ考える場面に出くわす事が出てくるかも知れません。

マカピーは自分の身内がその問題に接してみて、日本の国籍の制度についていろいろ問題がある事に遅ればせながら気づいたのでした。

特に、日本の現行制度では多重国籍者を認めていないからです。

一般に言われるのは「いいとこどりする違法行為だ」という事です。

なにも多重国籍者となった人が「ずるをする」わけではないのです。

ですからノーベル賞を受賞した日本人研究者が米国籍を選択した理由を知っている人はあまり多くないようです。

誰だって日本国籍を失いたいと思っていないし、米国もそれを強要していないのに、日本政府が彼らに国籍喪失を迫ったのは古い制度が改正されていないからでしょう。

とかく問題となる納税問題ですが、国際的には基本的にはどこか生活が中心となる国できちんと納税すれば問題ないとしているのですが、日本の制度はかたくなに一国主義をとっています。

これは出しておいたゴミ箱を犬に漁られた後の様子。ヤレヤレ

それから、みなさんは国連職員の持っているパスポートをご存知でしょうか?

国連職員は自国のパスポート以外に公務では水色の国連のパスポートを使うのです。

これって二重の旅券発行になるのですが、日本の政府は一般に二重携行はスパイ行為にもなりかねないので認めないのです。

証明できれば何の問題も無いのに、国際協力機構(JICA)などで海外勤務する際に発給される旅券は濃緑色の「公用旅券」(Official Passport)です。

ただし、これを利用する際は自分の持っている一般旅券をJICA本部に預入れして「二重携行」を防止しているんです。

いまだに、こんな対策をとっている国があるですね。

ところが、最近は国際結婚されている専門家の方もいて、例えば米国のパスポートも持っている方に対して「その米国旅券も預け入れなさい」とは言わないわけです。

なんか、おかしいでしょう?

国籍に関しては、マスコミなどは英国人カズオ・イシグロさんがノーベル文学賞受賞の際は大々的に「日本人の快挙」のように喧伝してました。

さらにしれっと日本人受賞者にカウントしていますが、国がちゃんと日本人として二重国籍を認めれば「スッキリ」して良かったと思います。

ある国の方が入国して直ぐに生活保護申請をすると認めてしまう例がある一方で、このような日本人でありながら仕方なくその国の国籍を選択した人が日本国席を失っています。

「オール与党的な存在」となってしまった日本のマスコミに、このような時代に合わない法規制が早く改正されるようにキャンペーンを行ってもらいたいです。


ハリー叔父に尋ねたらゴミは「そこで燃してくれ」と言われました!

マカピーは英国にいるナオミが、将来も日本人であってほしいのです!

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。何が国籍を決めるのでしょうかね?

#創作大賞2024 #エッセイ部門





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