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マノンの丘 マカピーの日々 #1381

マカピーです。
昨日もマノンがレストランに来て昼食を食べて行きました。

マノンはフィリピン人で七十代後半なのですが、ハマナスレストラン2号店から10㎞程離れた住宅地から離れた丘の向こうに一人で住んでいます。

先日、マノンがパンを売って帰る途中拾いました。

正確に言うと、愛車Rav4の後部座席を一つはずしマノンの自転車を載せられるようにして追いかけたのでした。

彼が「アンプを修理に出している」と言うので一緒について行くことにしたんです。

ついでに、その修理店でACERのパソコンモニターが壊れているかどうか調べてもらう事にしました。

自転車を持ち上げた時にマノンの自転車は普通の自転車に自作の荷台を造っていた事が分かりました。

なんと木の枝で支柱を作りその上に大きなバスケットをくくりつけていたのですが塗装されていたので気づきませんでした。

マノンは毎日近所のベーカリーから100袋程のパンを購入し、それを市街地や住宅地で売り歩くのでした。

自転車やバスケットが壊れないように自転車を倒して車両に押し込んで、マノンは残して折りたたんだ後部座席に座ってもらう事にしました。

マノンが修理を依頼した店は、各種いろいろなAV製品の修理を一手に引き受けていました。

マノンは二つあったカラオケ使用のアンプリファイアー(アンプ)の一つを世話になったマカピー達にくれるというのです。

ハナさんは「ありがたくいただくわ。マノンそれを店のスピーカーに繋いで一緒にカラオケしましょうね!」と喜んでいました。

その日は、まだもう一つの巣修理が終わっていないので再度来店することになったのです。

その後でマノンが鶏の餌や自炊用の米を買いたいというので市場に一緒に出掛けました。

買い物が済んで自宅のある小さな住宅地まで行くのですが、車を走らせながら思いました。

「マノンは毎日この道を自転車で走っているんだなあ」とその距離と路肩の不安定さに心配になるのでした。

マノンも既に年老いているからね。

先日マノンが街に来ていた時に腹痛を起こし、自転車に乗って帰ることが出来なくなり近くにいた車に送ってもらうように依頼したそうです。

やっと送ってくれる人が見つかったのですが「100リンギット」要求されたそうです。

それを聞いてハナは「何という事でしょう!この老人になんてことするのよ!」と怒ってました。

たしかに、マノンが来るだけで沢山の人が「彼からパンを買ってあげよう!」とする人が集まるんです。

中にはパンを買わずにマノンに直接お金を渡している人がいるくらいなのです。

スゴイ!

マノンはもう一つのアンプが修理されたあかつきには、フィリピンに持って帰るとの事でした。

どうやら望郷の念が高まっているようで、終の棲家としては故郷のサンボアンガ(ミンダナオ島)に戻るというのは正解だと思います。

マノンは彼の土地をハナさんに譲渡したいと言ってます。

お金を手にしたらおそらく来た時のように、コッソリ夜陰にまぎれて戻るのかしら?

彼の住む丘のふもとに車を停めて、そ~っとマノンの自転車を車から降ろします。

荷物が入ったカゴを載せた自転車をそこから未舗装路の坂道を押し上げるのは大変です。

マカピーが「ボクが自転車を家まで届けますよ」とカッコつけたのはいいのですが、直ぐに後悔しました。

重いぞ、こりゃー!

炎天下でどっと汗が吹き出ます。

マノンは毎日この丘を降り仕事をし、そして帰って来るとまたえっちらおっちらと自転車を押し上げていることを想像したんです。

うーむ、手強い丘だなあ。

マカピーでした。
最後までお読み頂きありがとうございました! それぞれの人生だね


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