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スカンク川のほとりで マカピーの日々 ♯1462

マカピーです。
学生の頃、一年暮らした米国アイオワ州ケオックック郡の田舎にスカンクがいました。

そもそもミシシッピ川の支流である、その名もスカンク川という流れが農場の近くを流れていたんです。

マカピーは学校を一年休学して、その村で1年間酪農実習をしたのでした。

スカンク川には更に小さな支流があり、その川辺でビーバーがダムを作ろうと大きな木を切り倒している様子を見てびっくりしました。

ヒャー、ビーバーはその鋭い前歯をカンナのように使って、直径50センチくらいある木を切り倒してしまうのです。

こんな人間の木こりがするみたなことが本当に出来ちゃうんだ!

記録映像でビーバーの生態を見たことはありますが、実際に目の前にするととても動物が切り倒したものとは思えなかったのです。

もっともダム湖を作るのには、大きな幹を使うのではなく、枝をせっせと切り取っては運び積み重ね流れをせき止め、更に水没する中に島を作って巣をつくるのでした。

もっとも、そうした低地は既にトウモロコシ畑に開拓されてしまっていてビーバーが活動を始めると、気付いた地元の人がダムを決壊させるのでした。

既に手が負えない程大きくなっている場合は、州政府に連絡してダムをダイナマイトで吹き飛ばしてもらう事もあるそうです。

なぜそうするのか?

そうしないとビーバーのダム湖に畑が水没しちゃうからです。

ナルホド、農業と自然との共存は難しそうですね。

さて、スカンクリバーと呼ばれるくらいですから、確かにその地域には沢山のスカンクがいました。

ある朝の事です。

マカピーとロバートがいつものようにミルキング・パーラー(搾乳をする施設で濃厚飼料を与えながら乳しぼりを朝夕二回行います)で黙々とミルキングをしていました。

ホールディングエリア(待機場)からドアを開けて片側3頭ずつ入れ牛たちが餌を食べ始めると、素早くその乳房を温水できれいにして拭き取った後、ミルカー(搾乳器)のカップを4つ、乳首につけて行きます。

ミルカーは陰圧となってリズミカルにミルクを吸い取り、パイプラインで隣部屋にあるステンレス製の大きなバルククーラーの中に送り込まれ、低温攪拌しながら毎週二回巡回するタンクローリーで集乳出荷されます。

搾乳が終わると、出口のドアを開けて3頭を出し、また新たな3頭を入れて同じ作業を繰り返します。

朝5時に起床して約70頭の乳しぼりをして、日中は牛舎の清掃やトウモロコシや大豆畑の管理そして夕方になるとまた搾乳が始まるといった日課でした。

基本的には日本の酪農家と同じだと思います。

その朝はいつもは遅くまで寝ている息子のロブが珍しく起きて何やらやっていたのを知りませんでしたが、近くでショットガンの音がしたんでマカピーはビクッとして背中合わせのロバートに「どうしたんだい?」と尋ねました。

ロバートは「ロブがスカンクを殺ったんだろうな!」とニヤリとしました。

「どうして?」

どうやら、スカンクはマカピーのホストファミリーの飼育しているニワトリ小屋に侵入して卵だけでなく、ニワトリそのものも襲って食べてしまうので手を焼いていたので、入口に罠の「トラばさみ」を仕掛けていたのです。

それにまんまとスカンクがかかったので、ロブが仕留めたという事だったのですが、ロバートの説明が終わらないうちにミルキングパーラー内にとんでもない臭いが流れ込んできたのです。

「う、ぐえ・・苦しい。何なんだ!?」マカピーは叫びました。

「ああ、これがスカンクのスプレー(最後っ屁)だよ」

ロバートもその臭いに顔をしかめながらも、親指を突き立て「Good Job」と笑っていました。

(ナショナルジオグラフィックの記事で思い出したのでした)

マカピーが農道をトラクターで走っていると道路を沢山のジリスが横切るのですが、ある日スカンクがひょこひょこ歩いているのに出くわしたので、マカピーはハンドルを切って轢き殺そうとしました。

知らないうちに地元の農民の気持ちになっていて、自然保護なんて考えていませんでした!(笑)

大きなタイヤの下敷きになったかと、通り抜けた後で振り返ってみると何もありませんでした。

ところが、農場に帰って来てトラクターから降りようとすると駆動タイヤにスカンクの異臭がこびりついていました。

また農場から離れたもう一つの農場に農機具の格納庫があり、大型のコンバインやトレーラーが収まっていました。

そちらの農場には若い牛が飼われていたので、その格納庫の餌置き場から給餌していたのですがドアを開けるとムッとスカンク臭があるのでした。

かれこれ半年前にこの格納庫内で一発スプレーされていまだに臭いが消えないというのでした。

何と言うシツコイ臭いなんでしょう!

そういえば、近くの町で地下室でスカンクにやられた家は住むことが出来なくて新しい家を造っていました。

そのくらい恐ろしい動物なんですよ、スカンクって。

もっともペットとして飼育してい人もいますが、手術で臭いの溜まる嚢を除去しているとの事でした。

ナショナルジオグラフィックの記事にあるように、肉食動物はスカンクを恐れて攻撃しないという事でしたが、それはあの白黒の縞模様のせいだったのかスプレーされた経験から来るのかを実験した面白い内容でした。

自然て面白いですね!

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。マカピーは日本のイタチの最後っ屁を嗅いだことはありません!


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