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岡本太郎時代のなごり マカピーな日々#0403

マカピーです。

数年ぶりに伝説の恩師ケンちゃんに会ったときの事です。

長年東京の荻窪に住んでいたんですが、下町に住みたいと友達に頼んだら浅草界隈に家を探してもらって住むようになり隅田川周辺を散策するようになったのだそうです。

仕事を引退した彼は地元の歴史をいろいろ研究していて「吉原文化」を拾い集めていたので、今では地名として存在しない「吉原」や「山谷」といった周辺の事や「三社祭」の縁起なども教えてくれました。

吉原という世界がどんなだったか調べると、当時の人間模様や文化的背景そして政治制度が分かるわけで一概に「無かった事」にするには無理があると思います。

そこには、今では考えられない豊かな文化もあったかもしれないし、他方では女衒の暗いイメージもあったけど、人間は昔からそんなんで生きてきたんだと思うんです。

だって、栄枯盛衰は必ずあって没落した家から身売りする娘さんはいたろうし、その中でもしっかりと教養の基本があれば「売れっ子」になり、いつかは見受けしてもらえたり・・・と当時の様子が想像できます。

最近は浮世絵の事が国語の本に書かれていますよね。

「あれって、いわゆる色刷りの広告紙だったんだ」って子供だって知ってます。でも和紙が貴重だった時代それを絹を輸出する際に使われたりすることでフランスなどに渡り、包装紙に描かれたその技術の高さに驚嘆してジャポニズムにつながるような話になったと「ナルホド」って感心します。

浮世絵師として世界的著名人となった葛飾北斎ってスゴイって誰でも思うけど、彼の描いた春画も凄いんです!

教育界では性に関する事は「暗い過去」として隠したがりますが、きちんと発掘して光を当ててあげる顕彰するのが良いなあって思うのです。

アーティストの作品を全部をひっくるめて語るべきところを、富嶽三十六景や北斎漫画ばかりでない人間としての評価をしてほしいです。

(思春期前の子供に春画の評価を求めるのは少々無体な感じもしますけど)

ケンちゃんの話は続きます。

彼は万博の前に東京の画廊で絵を仕入れて仲間のひとりと車を走らせて関西で売りまくったのだそうです。

作品は「岡本太郎」さんや「池田満寿夫」さんの作品を売っていたというのですが、彼自身が所有する作品は一つもないとの事でした。


「せやな、今持っていたら偉い価値になってたと思うわ」

「当時の価格でどんなくらいで売ってたんですか?」

「たしか、岡本太郎の10枚セットで150万円くらいとちゃうかな」

「そりゃ、今考えたら相当安いですね」

「そやけど、当時普通の人は作品なんか分からんし、自分もその価値が分からんけど、そこはセールストークや『先生、この作家さんの作品は価値のでるお買い得品です!』って医者や資産家なんかに売りつけわ」

「じゃあ、後で彼らは喜んだでしょうね」

「そや、『ほんまにありがとう!』って言ってくれる人いてるもん」

「池田満寿夫ってこの人ですよね」とマカピーが偶然に持っていたハンカチをひろげました。

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「おお、ほんま懐かしいな。そやけど、こんなんよう持っとったなあ。若くして死んでしもうたけどいい人やったわ」

「え、池田満寿夫に会たことあるの?」

「うん、岡本太郎かて新宿の画廊なんかで、よくあって普通に話したことあるよ」

「スゲー、まだ彼らがテレビとかに出てくる前ですよね」

ケンちゃんて本当に伝説的な人だったんだなあ!

マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。聞いて得したなあって話あります?



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