グッドラック、マーン。マカピーの日々 ♯1532
マカピーです。
ハリー叔父の息子、マーンがデンマークへ帰って行きます。
（写真はマーンが滞在中に山岳地帯の伝統的な刺青師に彫ってもらったものです）
今晩親戚の叔父にマニラに送ってもらう前に、皆で昼食をしようという事にしました。
ハナさんは叔父宅で患者さんの治療に当たっていました。
「昼食をどうするの？」
「行くわよ。11時半に車が来る予定って言ってたわ」
「そうじゃなくて、患者を置いて行けないんじゃないの？」
「大丈夫。輸液はあと数時間かかるから昼食して来ても、十分時間はあるのよ」
「ナルホド」
と言うわけで、患者とその家族（老女とその娘二人）を家に置いて、ウェルカム・フェアウェル（歓迎・送別）ランチとなりました。
これが出来たのは、彼ら家族を良く知っているからでした。
今回もばあちゃんの具合が悪いのでクリニックへ行くと「脳梗塞」だと言われたそうです。
それでハナさんが来たので昨日訪問したので、診察を受けると「そうじゃないようね。腎不全を起こしかけているわ。水分が足らないのよ。一日に1杯の水しか飲んでいないのは危険なのよ。輸液するからもう一度来てね」という経緯があったのです。
フィリピンでもマレーシア同様、医療機関での誤診がかなり多い現状がありハナさんのような個人医のところに「噂」を聞いて訪問する人が多いのでした。
それから、ハナさんは薬代以外は請求しないし貧困者には「サダカ（寄付）」と言って無償のこともあるので人気だったのでしょうね。
付き添いの長女も数年前ハナさんに助けられた一人で、それ以来お互い良く知っているので、留守にしても安心して出られたのでした。
マーンとハナさんは今回初めて会ったのですが、その素直な性格にお互いに直ぐ信頼関係となったようです。
マカピーは昨夕薬局が閉まっていたので、今朝彼らが来ると「マカピーここに必要なものを書くから薬局で買って来て！」とハナさんに頼まれオートバイに乗ってお使いに行って来たのです。
7年前に離婚した母親についてデンマークに行った後も、フィリピンの国籍を失ったマーンですが、一人残った父親に会いにフィリピンに戻って来たのです。
ただ、「暑くて耐えられない」とハリー叔父の古い家に寝起きして、決してベッタリくっつく訳ではないのですが、そうしたぎこちない父親と息子の関係はマカピーにも何となく理解できるのでした。
久々に外出したハリー叔父は車に乗るのも、レストランの中を移動するのも結構大変ですが、問題は彼の気持ちが「外出」に向くチャンスが欲しかったのです！
確かにハナさんが来てからとてもポジティブになって「車椅子を買うのに障碍者手帳が必用だろう」と取り寄せてハナさんに渡していました。
おお、車椅子を購入するつもりなんだ！
いいぞ、いいぞ！
二人がかりで叔父を抱えての車の乗り降りがありますが、以前より容易に感じられるのは容態が改善しているからかもしれませんね。
レストランではこの地方特有の竹で出来たコテージの中でフィリピン料理のカレカレ、パンシット、コールドン、オニオンリング、カラマリ（イカリング）にチャーハンそして飲み物はキューカンバー・レモネードとレモンティーでお腹いっぱいになりました。
やっぱり、叔父には外に出て気分転換が必要ですよね！
毎日の理学療法もあって、ハリー叔父はものに伝わって自立する事も容易になって来たようで積極性が増しているようです。
マーンはハナさんと二人の時に「父の事をよろしくお願いします。ボクもフレディ達のことを心配していたんです。ボクはもう直ぐ帰国しますが父が気持ちよく過ごせるようにしてください」と依頼していたとの事でした。
「任せなさい！」きっとハナさんはそういったに違いありません。
今晩マーンは叔父の運転でマニラに行くというので「ボクのバスは12時間以上かかったよ」と言うとマーンの叔父が答えました。
「だから、夜に行くんだ。たぶん8時間でマニラに到着すると思うよ」
「夜の走行は危ない事もあるから、気を付けてね」
「うん、そうするよ」
「マーン元気でね。また会おう」
「昼食をありがとう！」
叔父の車で家に送り返してもらい、ハリー叔父を家の中の移動椅子に座らせるとうと、そこでお別れとなりました。
ハリー叔父も「出発までにもう一度顔を見せるんだろう？」「いや、ここでお別れをするよ」「・・・そうか、じゃあな」抱擁もないぎこちない父息子の別れがありました。
マーン、元気でね！
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。マーンの将来にマブハイ！会えば必ず別れもありますね。
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