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記憶の村を旅する 2 マカピーの日々 ♯1469

マカピーです。
ついに念願のマカピーのいた村を訪問したんです。

ヒラチンを訪ねて来た中にマカピーもよく知った顔があり挨拶して握手しようとするとマカピーを通過してヒラチンのもとへ行ってしまいました。

あれ,スル~されちゃったよ!

そう彼はシノピランです。

大声で「オレが最初からJOCVに関わったんだ。覚えてるかい?その前にケイがKKのオフィスから来て次にヒラチン、ヒロコ、ミチコそれからあっちの村にマカピー、テルミ、ノンボが来たんだ」

するとヒラチンが「シノピラン、キミの後ろにマカピーがいるよ」と教えたのです。

振り返ったシノピランは驚いた顔をして「ああ、済まなかった。気が付かなかったんだ!」

でも記憶が蘇って来て更に集まった人々に当時の事を語りだしました。

「オレ達は村の先生チームを作ってクダット地区バレーボール大会に出場してマカピーとカズも加わって準優勝したんだ!」

そうです、それはマカピーにとっても懐かしい思い出でした。

そこで長居してしまうと次に行けなくなるので再会を期して車に戻りました。

マカピーのいたカンポン(村)はそこから15km程のT字路をさらに5km入ったところにあるのです。


クダットの港

ところが、街道筋に沢山の家や商店が出来てしまい、かつての目印だったアチェンの店が見つからないのでした!

道路標識にKudatまで12kmと出たところで完全に入り口を通過している事が分かったので、Google Mapに頼ってまた同じ道を戻る事にしました。

見たことのない配送施設のある道路が入り口でした。

これだけ変化激しいと、マカピーの過去の記憶だけではたどり着けないと納得しました(笑)

そこから一本道です。

村の表示が出てきて左折する際にかつて利用した井戸が見えました。

マカピーの胸が高鳴ります。

この坂道を上ったら右手にルマパンジャン(ルングス族長屋)があって広場の向こうにJOCVハウスがあるはず・・・。

ありゃりゃ、どこにも家が無いぞ!

アブラヤシの林が広がるばかりでその陰に新しい教会と牧師の家があります。

50キロ爆弾の筒を再利用した鐘のあった掘っ立て小屋状態だったあの教会はありません。

マカピーは付近変わり果てた様子に呆然となりました。

こんな道路の先に集落があります

歳月人を待たず

別の所へ行って見ようと言うヒラチンの声掛けに気を取り直し、そこから300メートル程の小学校とクリニックのある場所に行きました。

校門に中年男女2人がいたので尋ねる事にしました。

「ここの村長はどこにいますか?」

「それでしたら手前の道を行ったら集落があるのでそこにいます。ところで日本人ですか?」

「はい。昔ここにJOCVボランティアでいました」

「マカピーですか?」

「わかるんですか?」

「ええ覚えています」

「ルマパンジャンやJOCVハウスはどうしたんですか?」

「JOCVハウスは火事で消失して十年前にルマパンジャンや周辺の家はアンダップに出来た新しい集落に移り住んだんです」

マカピーは狐につままれた様な気がしました。

「じゃあ、みんなそっちにいるんだ。ところでここにいた校長先生、アシン、オジンピン、マカンポンたちはどうしました?」

「ノルディン校長は亡くなり奥さんはピタスに健在だそうです。アシンもマカンポンも4年程前に亡くなりオジンピンは教会牧師として別の村に出てゆきました。でもアンダップにはアシンやマカンポンの家族がいますよ」

「じゃあそっちへ行って見ます。ところで最近誰かJOCVだった人が来ましたか?」

「サトシが数年前、カズと奥さんのコニが昨年寄ってくれました」

マカピー達はをそこを辞して教えてもらったアンダップ地区に行きました。

新しく切り開かれた道路の先にコツゼンと新しい集落があって集会所もありました。

もちろん電気水道が引かれている住宅地でヒラチンの村と同じ様な状態でした。


アジザがくれたネックレス

マカピーのいた村はヒラチンの村よりも更に貧困度が深刻だったので夜には灯油に灯芯を立てた灯りしかありませんでした。

水道も無くて浅井戸も乾季には枯れる状況だったのです。

それが住宅の多くが中古ながら自家用車を所有しているのです。

マカピーは感慨深いものを感じ、それで良かったんだろうなと考えました。

もう十分と帰ろうとするとハナさんがせっかくだからマカンポンの家族に挨拶してゆきましょうと言う事になりました。

遺族に会ってもね~!

気乗りしないまま教えてもらったマカンポンの家も前に来ると奥さんらしき人が出てきて、まさしくマカンポン妻のアジザでした。

お家に寄らせてもらい、そこで村の事や隊員のその後について話し合いました。

最後にアジザが彼女の作ったビーズ細工のネックレスをマカピー達3人にそれぞれかけてくれました。

マカピーは思わず涙が出てしまい困りました。

マカピーは自分達隊員がこの村に何をする事が出来たのかずっと疑問だったんです。

それでもみんなが覚えてくれて、今でもこうして歓待してくれるのでした。

マカピーでした。
最後までお読み頂きありがとうございます✨ 又訪問しよう!





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