超常現象には理由があった マカピーの日々 ♯1461
マカピーです。
どうにも説明がつかない事が起こったら、皆さんならどうしますか?
(この記事は最後まで無料で読めます)
森啓成さんのnote記事を見て思い出したんです。
若い頃の森さんたちはどうやら古代の人の霊に会ったようですね。
マカピーの経験は日本ではなく、中東のイエメンでの事でした。
マカピーが勤務したのは首都サナアの郊外にあった結核センターだったのです。
この施設はマカピーが着任する数年前日本政府の援助で出来たものです。
本来は利用者の利便性を考えて街の中に造った方が利用しやすかったと思いますが郊外、しかも幹線道路からかなり入った、荒涼とした丘の上にありました。
そもそもサナアは中世の城壁都市の雰囲気がある古い町並みで、そもそもはキャラバンサライだったとも聞きます。
キャラバンサライって、砂漠を旅する商隊の宿泊が出来る砦状の町です。盗賊から彼らを守り宿泊させる意味もあったとの事です。現在もその中に古いスーク(市場)がるような場所で街並みも迷路の中を歩く感覚があります。ですから、そこに新しい施設を建てる事は出来ません。
マカピーの住んでいた住宅地区も、そのスークのある旧市街から離れた土地にありましたから、結核センター用の適当な土地をまだ開発されていない近隣に探したらそこだったのかも知れません。
マカピーのイエメン滞在は一年間のみでした。
理由は着任して一年目で内戦が勃発してしまったからです。
イエメン共和国はかつて南北イエメンに分かれていたのですが、1990年に東西ドイツの統一前に統一され、さぞや世界の注目を浴びるかと思いきや殆ど世間から関心を持たれることのない出来事だったと中東研究者だった佐藤寛さんが言ってました。
マカピー三男はそこで生まれているので「イエメン生まれ」にはなるのですが、生後1年足らずで戦争による緊急一時帰国以降一度も「生まれ故郷」に帰っていません。
後年マカピーがヨルダン滞在中にマカピー三男(25歳)が訪ねてきたことがありました。
マカピーが事務所のスタッフに「彼はイエメンで生まれたんです」というと皆さんものすごく喜んでくれました。
でもマカピー三男は困ったように続けます。
「でも、生後間もなく帰国したボクには残念ながらイエメンの記憶が全く無いんです」
そりゃそうだ。
2015年からはサウジアラビアとイランの代理戦争の様相をなしている内戦では国がボロボロになり沢山の難民が発生してしまっています。
その状況に、マカピー三男は「ボクの生まれた国が悲惨なことになっている」と哀しそうでした。
最近ではイランの支援を受けるフーシ派がスエズ運河を利用するために紅海を通るイスラエルをはじめとする米国側国籍の船舶を攻撃するので有名になってますね。
話を結核センターに戻します。
マカピーがセンターへ出勤し石ころがゴロゴロする前庭?に駐車して建物に入ろうとすると、多くの場合、待合いの患者さんがすでにドアの前で待っている事が多かったのです。
ある日、その入口の階段に遺体がおいてありました。
え、どういう事?
どうやら地方から前日の夜に到着したものの、センターは業務を終えていたのでその前で翌朝まで待っている間に、重篤だった患者さんが亡くなってしまったとの事でした。
途上国では、家族が病人を病院に連れて行くタイミングが、患者の死ぬ直前であることが多いのです。
それは貧困から来る経済的理由、それと最後は病院へ連れて行ったがやはり死んでしまったという弁解的なものがあるように思います。
マカピーはザンビアの大学病院にいた際にも、同様の経験をしています。
「どうしてこんな状態になるまで放っておいたの?」
「お金がないから。それでも、せめて最後は大きな病院へ連れて行ったけど間に合わなかったって言いたいんだよ」
ところで、そのセンター前の駐車場になっている石ころだらけの中に「お墓」があるのでした。
センター自体は塀に囲われている公的機関の施設なのですが、何でこんなところにお墓があるの?
実は政府が結核センター予定地として選定した際に、ここには既に地元民のお墓があったのだそうです。
政府はお墓を持つ家族に墓を移動するように要請したけれど、墓を持つ住人の反対に遭うのです。
でも結局は工事開始が迫っていたので、政府は強権を発動して墓の上に結核センターを作ったんだと聞きました。
それからです、出来上がったセンターに「お化け」が出るようになったのは。
この結核センターには結核菌を顕微鏡でチェックする検査師養成コースが出来るように宿泊施設もあったのです。
ところが、そのコースの最中宿泊していた男性が夜中に何かに襲われて助けを求め門番で裏口近くに住んでいたアリが駆けつけた時には二階の窓に押し付けられる男の姿があったそうです。
「なんと、恐ろしい施設なんだ!」研修生は逃げ出してしましました。
マカピーは最初にこの話を同僚のミドリさんに聞いたのです。
「まさか・・・。それにムスリムはお化けを信じないんでしょう?」
「それが、表向きには否定するんですけど、実はみんな心の底ではお化けを信じているようですよ」
と笑いながら言うと、今度は真剣な顔つきでこう言うのでした。
「マカピーはまだヨシ先生のおばけの話を聞いたことありませんか?」
「え、先生もお化けに遭ったんですか?」
「それがヨシ先生らしいんですが、夜遅くまでセンターに残ってデータの整理をしてたんです。そこへ若い女性が来たんですって。でも先生は今忙しいから、ちょっとそこで待ってて言うと作業に戻ってふっと気付いたんですて。今は夜だし誰が訪ねてくるんだろう?って」
「それで?」
「ヨシ先生も、自分の部屋からでて、周辺を見渡すんだけど廊下にも誰もいない。玄関ドアは閉まっているはずだから、きっと彼女は裏手に住んでいるアリのところに頼んで入ったに違いないからと、聞きに行くとアリは今晩誰も通していないというのよ」
「ふーん・・・」
「さすがのヨシ先生もあの女性は確かにいたし変だなあって思ったんだけどそのうち話題にもならなくなったのに、その後があるのよ」
「またお化け?」
「違うのよ、ヨシ先生はスタッフの誰よりも朝早くセンターに出勤するでしょう」
「まったく家にいたくないような仕事ぶりだね」
「さあそれはどうだか(笑)。それである朝センター内に入ると焼き肉の臭いが立ち込めていたんだって」
「焼肉? しかも病院内で?」
「そうなのよ、ヨシ先生は夕べここを使ってパーティーでもしたのかと思ってセンター内を探すんだけど何も痕跡がないし、他の職員が来る頃にはその強い臭いも消えていたんですって。それってどう思う?」
「うーん、どういう事かなあ。ボクには皆目見当がつかないなあ」
そんな話があったある日、施設を訪問してきた人がいました。
香港から来た中国人でセキュリティーの会社でJICA本部からの依頼で仕事場の安全状況を調査に来たというのです。
マカピーは若い調査員をセンターの施設内を案内して「特に問題はなさそうですね」と別れようとセンター前の駐車場で立ち話をしたのです。
それで、際に近くにあったムスリム式の墓を指して彼に話しました。
「実はこのセンターはお墓を潰して作られたと言われています。それでセンターではお化けの話が沢山あるんです。実際同僚の日本人専門家も幽霊を見たようです」
すると彼の顔つきが変わったのでした。
「そうですか、それで分かった!」
と急に彼の顔が明るくなったのです。
「実はその事を伝えていいものか困っていたんですから。ボクもこのセンターに来た時から嫌な感じがしたんです。そうお化けが出そうな。でもそうした霊感的な事を嫌うクライアントもいますからね。こちらから何も言えなかったんです」
「で、その事を調査結果として伝えるんですか?」
「いや、それは出来ません。個人的な感覚ですからね」
(明日に続く!)
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。アラブの人もお化けは怖い!
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