他人のそら似 マカピーの日々 #1280
マカピーです。
地元の人と思われました。
日本から会いに来てくれたアキオは初日に宿泊したホテルが満室で連泊できないと知らされ宿を移りました。
バックパッカー御用達のホステルは一泊1500円バス・トイレ共同で初日の高級ホテルから見事なギャップです。
彼は宿の質に頓着しない性格です。
むしろいろんな人と交流出来る場所を求めていたのです。
さっそくアキオは若いフィリピン男性とホステルで仲良くなれ良かったそうです!
それで彼のホステル近くでアキオを車で拾う事になりました。
目印になるのは近くのマクドナルドだったのでそこで待ってもらいました。
ところが一方通行の多いコタキナバルの商業地区は複雑に車を回転させるのでマクドナルド近くにきながら一通になってしまい一旦駐車して徒歩でアキオを迎えに行く事にしました。
車外に出ると東の雨雲に西陽を浴びた見事な虹が出ていました!
商業地区のアーケードをジグザグ行きやっとマクドナルドに到着したのにアキオがいません。
彼は地元のSIMを買って無いのでWiFi頼み、圏外になるとつかまらないのです。
ヤレヤレ、どこに行ったかな?
店舗をぐるりと回って反対側に行くとアキオがいました。
オーイ、ここだよ!
すると一旦こちらの存在を認めたアキオは表情も変えずにいきなり縁石で靴ひもを結び出したのです。
あれ、そっくりだけど人違いだったのかしらん?
えーっと、どうしたものか?
でもやっぱりアキオのいつもの帽子はこのオッサンは中華系マレイシア人じゃあなくアキオだ!
確信したマカピーははっきりと靴ひもを結んでいるアキオに声をかけました。
おいアキオ、何でマカピーを無視するんだい?
アキオはビクッと驚いたようこちらを振り向きました。
お、悪いワルイ。声をかけ来るやつはろくでもない連中って相場は決まっているからな。
てっきりへんなオッサンに言い寄られたら嫌なので無視したんだ。
あのな、こっちだって見事な無視ぶりにアキオと似た赤の他人かもって不安になっちゃたんだよ。
謝る! スマンかった!
後でわかったのは、アキオは数年前緑内障の手術後左目の視力が殆ど失っていたのでした。
ムスリム社会が浸透するマレイシア社会であっても我が道を行くアキオは巧みにアルコールのありかを嗅ぎ分け毎日飲んでいたのでハナさんたちもビックリ。
コタキナバルから400キロ離れたレストランハマナス2号店まで一緒に来てくれたのでした。
店の前で二人で朝食をしていると、アキオは薬を取り出しました。
危うく飲むのを忘れるところだった。
何だい、その薬は?
9
ああ、痛風薬。これを3日忘れると後が大変なんだ! 痛くて脚を切り落としたくなるんだ。
オイアキオよ、そこまでして飲み続けてんだ。
まあな。酒はやめられないね。それに帰国後は沢山の飲み会が予定されてんだ。
だって会社辞めたんだろう?
そうなんだけどさ···。
アキオは少し寂しそうな目をして笑っていたのでした。
マカピーでした。
最後までお読み頂き感謝します。友遠方より来るまた楽しからずや
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