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そうかあの日だったのか!  マカピーの日々 #1440

マカピーです。
38年前にチェルノブイリ原発事故が発生してしたのが4月26日だったんですね。

あの事故当時に2011年3月11日の東北地方を襲った大地震とその津波発生で福島第一原子力発電所でメルトダウンが発生する事を予想した人がいたでしょうか?

あの頃の世論はソ連型の原子炉と人為的な事故としていたけれど、ソ連政府の発表が遅れ救助や支援が遅れたこと、人為的な事故でその前の1979年に発生していた米国のスリーマイル島原発事故とは違うという事でうやむやにしていた。

「チャイナシンドローム」はメルトダウンした原子炉のデブリが地球を突き抜けて中国に達するという比喩で、そのジェーン・フォンダとジャック・レモンが演じる「チャイナシンドローム」という映画が公開された直後に実際のスリーマイル島の事故が発生した事もあって世界中に衝撃を与えました。

それでも、日本の原子力行政は方針を変えずに「安全、明るい未来」を合言葉に原子力発電所建設を進めます。

マカピーの亡父も町議会議員をしていた頃、見学と称して群馬から新潟の柏崎刈羽原発の議員団見学をして「まったくスゴイもんだぞ!」と感心していました。

無理からぬことです。
マイナスのイメージを払拭して原子力事業を推進しているんですから!

マカピーは事故の起こる数年前に福島第一原子力発電所近くの富岡町にある高校に行き家族4人で海外での経験を語る講義をしたことがありました。

埼玉から車を走らせながら、Jビレッジや海側に現れた巨大な建物群を見てまさかその数年後に爆発することになり、あの学校さえも廃墟となるとは思いませんでした。

それにしても東京電力ってどうして北陸や東北の管轄外にこうした施設を持っているのか不思議でした。

安全と言うのなら、送電効率を考えても都心から遠い原発を建設するのじゃなく、皇居の地下にでも建設すればいいと思っていたのでした。

それでもマカピー達もその行政を黙認し結果的には安全というよりも「制御が難しい怪物」を作り出してしまったのかも知れませんね。

チェルノブイリ原発事故に話を戻します。

実は原発事故があったころ、マカピーはボルネオ島北部マレーシア国サバ州に青年海外協力隊(JOCV)で村で活動していました。

電気、水道、電話のない「絵にかいたような協力隊員生活?」でした。

もっとも他に二人の同僚隊員もいたし、ロングハウス(20家族程が暮らす長屋)の前に高床の独立家屋を作ってもらいそこで自炊生活していたのです。

一日の仕事が終わると村人と同じく共同の井戸に行きバケツ一杯の水でシャツや下着を洗い、残った水で水浴びをして帰る生活でした。

それ以外に住居棟のトタン屋根の雨水をタンクに集め、それを飲み水と乾季の浅井戸が枯れた際の緊急用の水して大事に使っていたんです。

ところが、チェルノブイリ原発事故は放射能を世界中にばらまいてしまいました。

(もっとも大気圏内原水爆実験が盛んだった頃よりはその量は少ないという事ですが)

すると、「放射能汚染された雨水を飲まないように!」と東京の協力隊事務局側から連絡が来たんです。

当時はPETボトルもない時代でした。

「じゃあ、何を飲めって言うんだ?」

浅井戸は周辺の排水管理が行き届かなく、洗濯した排水などが浸透して汚染してた可能性も高くとても飲料水に使う気がしませんでした。

他に選択の余地が無いのです!

後にバングラデシュにおける井戸のヒ素汚染とその中毒に関する報告などを知って住民の選択の余地のない状況と相通じるものを感じました。

「じゃあ、どの水を飲めって言うんだ?」

https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16H05834/

それから20年ほどして、マカピーはウズベキスタン共和国で5年ほど暮らすことになるのですがある日首都タシケントの郊外の町にモニュメントがあるのに気がつきました。

運転手に尋ねると「ああ、あれは『勇者の像』です」

「何かあったの?」

「チェルノブイリ原発事故でソ連の一共和国だったウズベキスタンは、沢山の事故復旧人員をウクライナに送り込んだのです。でも放射能汚染のことを何も知らされておらず、防護服もマスクもせずに作業をした人は放射能障害を発生して沢山の人が亡くなったんです」

「そんな話を聞いた事が無かった。ここにもチェルノブイリの被害者がいたんですね」

「アフガン戦争の時も、ウズベキスタン人は隣のアフガニスタンへソ連兵として参戦しています。ウズベキスタンには沢山のアフガニスタン系住民もいるし隣国だからアフガニスタンに沢山の親戚のウズベク人もいるにもかかわらず、そこへ侵攻したんです」

「クレムリンの指示に、この国は踏んだり蹴ったりだったんだね」

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。安全な原発ってあるの?


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