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【山小屋紹介】頂上富士館

*頂上富士館の2021年度の営業は8月28日(土)をもって終了しています

8月27日(金)~8月28日(土)の1泊2日で富士登山に行ってきた。今回は、珍しくソロではなく友人と二人。その友人は、山にはさほど興味はなく、本人曰く「(一生に一度くらいは)富士山にだけは登ってみたい」とのこと。確実に登頂するために、登山口は最も距離の短い富士宮口を選択し、さらに山頂で一泊するという体力面に考慮した日程で決行。
     *バタバタしていたので、小屋内の写真は1枚も撮っていません

基本情報

頂上富士館は、富士宮口山頂にある山小屋。
宿泊料は、
 1泊素泊まり 6,000円(税込)
 1泊1食(夕食 or 朝食) 7,000円(税込)
 1泊2食(夕食 + 朝食) 8,000円(税込)
  *金曜日・土曜日・祝日・祝前日 +2,000円(税込)増し
  *日曜・お盆は通常料金です。

その他の注意事項などは、頂上富士館HPを参照ください。

実際に泊まってみて

いろいろと自分の知っている山小屋と違うなぁと感じたことが多々あった。事前にしっかりと調べておけば回避できたことも含め、不満に感じたところを中心になってしまったのは、つまり・・・そういうこと。

・日本一標高の高い場所にある宿泊施設
小屋内からは外の景色が一切見れないので注意。
外に出ても、景色がひらけているのは南側のみ。
日の入りは剣ヶ峰(にある気象観測所)に遮られ見えず。
日の出は朝日岳に移動(5分)を推奨。
どちらも、他の山小屋よりは断然近いから便利といえば便利。
ここに泊まれば、翌日は登る必要はなく下りだけを考えれば良いので気持ちの切り替えが楽というのが一番の利点。

・チェックインの時間
チェックイン時間は、16時から18時。
富士山頂上付近は、風が強く、とても寒いイメージがあったので早く着きすぎないように計画を経てたが、自分の見積もりの甘さもあり到着が18時に。
早く到着した場合、食堂で待機できたかどうかは、実際に訪れてもよく分からなかった。

・食事
素泊まりで予約していたが、チェックイン時に食事の有無を聞かれたので、おそらくその場で変更することができると思う。
夕食はカレー、朝食はチキンを煮たようなもの(ちらっと見ただけなので詳細は不明)。どちらも1食1,000円。
小屋内では火気厳禁、小屋の周りも強風だったり人がたくさん居たりでバーナーを使える雰囲気ではないので、調理を想定した食事は諦めたほうが良さそう。自分も温かいお茶くらいは淹れられるだろうと準備はしてきたが、無駄に終わった。

・消灯時間
勝手に20時だと思っていたが、案内を聞くと19時。
18時に到着した私は、それでも剣ヶ峰に行きたかったので急いで往復し(片道10分)、山小屋で一息付いた頃には消灯時間。
4時までは小屋の外に出てはいけないと案内があり、外での夕食を考えていた私は夕食自体を諦める結果に。

・星空が見えない
19時から翌4時まで外出禁止。こっそり抜け出してよいかは不明。
宿泊者の安全のための措置なのか理由はわからないが、星空を楽しみにしていた私には辛いルールだった。

・夜が長い
重複するが19時から翌4時まで外出禁止。眠れないと布団の中でじっとしているしかなくただただ苦痛。
酸素が薄いためか、頭痛がしたり、喉が乾いたりと、登山中よりよっぽど苦痛だった。結局、眠るというよりも何度も意識を失う感じで一夜を過ごした。
幸い、朝を迎えることには体調は元通りだったのが不幸中の幸い。

・トイレ
室内にあり、きれいで、匂いも気にならない。
しかし、夜中トイレに行く人の足音やドアの開閉音は小屋内に響くので気になる方は対策を!

・水は貴重
地理的にも水が無いことは分かっていたけど、もしかしたら手を洗えるかもと少し期待していたが、叶わず。HPに記載があるようにウェットティッシュを持っていきましょう。
飲み物はお金さえ出せばいくらでも手に入る。水500mLが500円はどうかと思うが。

・チェックアウト
チェックイン時間は、4時以降。4時15分くらいには寝室を追い出される。
それなのに、小屋内の電気が点くのが4時前。
ご来光(5時15分頃)まで小屋でのんびりできると思いきやそんなことはなく、それなら9合目あたりに泊まってご来光渋滞にはまった方が富士登山ぽくて良い気がした。星が出ている時間に外に出れるし。

・情報がない
たいていの山小屋には受付などに明日の天気や日の入り・日の出時刻など約立つ情報を発信しているが、そのようなものは見当たらなかった。

・施設もない
乾燥室、談話室、図書コーナー、山小屋グッツの販売はなかった。
雨風を凌げる寝床くらいの気持ちで行ったほうが精神衛生上良い。

・デポ
ここに荷物をデポしてお鉢巡りをすればだいぶ楽だと思う。預かってもらえるかどうかは確認していないのでわからない。

あとがき

富士山が特殊な山でそこにある山小屋も特殊であることは重々理解はしていたが実際に山小屋利用してみるとあまり快適ではなくがっかりした。

正直、以前決行した弾丸登山の方が高山病に苦しみながらも、ご来光渋滞だったり満点の空だったり真夜中のあの独特の雰囲気だったりと、富士山を五感で満喫でき、たいへん満足度は高かった覚えがある。

弾丸登山は推奨されていないことを踏まえると、もう富士山は十分かなというのが正直な感想。

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