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あなたのままで

美味しそうな食事。
グループで食事に行って、みんな同じメニューを頼み、食べはじめたとする。
みんなは美味しいね、と言って笑顔で食べている。でも、あなたにはどうしても苦手な味だった。

あなたなら、どうする?

HSPの辛さの半分は、それを理解されないところにあると思う。

もし、あなたがとても嫌だと思っていることが他の人には平気だったとしたらどうでしょう。いくらそのことを伝えても、「そんなの考えすぎだよ」とか「みんなに合わせろ」「めんどくさいな」としか返ってこない。嫌なことを堪えるだけでも辛い。

でも、それが分かってもらえないことで辛さが2倍になる。

さらに、自分が否定されることで辛さは3倍に。

自分だけが食べられない食事が出てきても、それを伝えることで場の雰囲気を壊したり、作った人の気持ちを害したり、自分だけ別の食事を頼むことでスケジュールに変更が出たりするのではないか、と考えて何も言えずにいるのだ。

ちょっとしたことですぐに夜眠れなくなったり、バイクの音が威圧的に響いてしまったり、話を大きな声で遮られたり、後ろに走っている車がちょっとでも接近してきたり、めんどくさいと思われないように我慢したり、辛くなる原因は数えるとキリがない。

いっそ繊細でなくなった方が、楽になるのかな、と言っていた人もいた。

でも、その繊細な感覚はあなただけが持つものではないか。そのセンサーで感じ取った微細な世界を表現できたら、そして、それを誰かの心を動かしたり、あなたの感覚を理解してくれる人ができたら、それは素晴らしい。芸術家になれと言っているのではない。表現の仕方は彫刻や音楽だけではなく、言葉やちょっとした気配りにも現れる。ほんの僅かな味の違いがわかる人が、一流のソムリエになれるのと同じように。

そして、そこにHSPの背負った辛さを、「繊細でよかった」と思わせる醍醐味がある。

あなたは、あなたのままでいい。
あなたは、あなたのままがいい。

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