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酒飲みの空間 その2
酒は友を呼び
友は酒を呼ぶ
酒徒
企てを知るやいなや
千里を走り
友と酒に出会う
類は類を呼び、 酒は友を呼ぶ。酒をアルコールとして飲む人は酒徒と呼びたくない。呼ばせない。酒徒は、自分の空間、空気、友を求めて幾千年。幾千里。悪戦苦闘。刻苦勉励。日々努力。日々宿酔。鍛え上げられた泗徒の嗅覚は鋭く、敏だ、が、風向きにより、時として鈍。
飲み屋の戸をあけ、顔をつっこむやいなや、その中にただよう空気
忙人は走り、閑人は酒を煖む師走
はや、十二月。京の錦の賑わいが一層高まる頃、魚も一段と旨味が増す。今年も高値で口に入るか心配な松葉蟹。うす造にあさつきをちらしたポン酢で食べると酒とぴったりの目痛蝶。雪降る炉端に鍋で酒、中味は云わずとしれた鱈と白子の味噌仕立て。河豚。鮭。鮃。牡蠣。鰯。鰰。鰤。鮟鱇。等々、数え上げれば限りなし。喰いしん坊には、幸せの季節。
錦をあちこち見て、いろいろ買って、年越の酒肴をつくり、除夜の鐘を聞きなが
秋深く、鱈(たら)恋し
鱈は、初雪の後に獲れる魚ゆえに雪に従う、と元禄の食粋人、平野必大がいっている。いかにも、雪の景色が似合う魚です。
食べ物の少なかった、子供の頃、朝昼晩と棒ダラの煮ものばかり食べていたような気がして、いまだに、棒ダラの煮ものは、あまり食指がおこりません。
鱈は、なんといっても、生の新鮮さが命。北海道か東北地方の日本海沿岸で獲れたてのものを鍋にぶち込み、味噌汁にでもして食べるのが一番。いつか、