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2024/07/17日記_台南初日

昨夜は寝入る直前までどの本を持っていくか悩んだ。今回は文庫を多くしたのでだいぶ優秀だと思う。最近は新刊よりもドゥルーズやその周辺を知りたいと思っているので文庫になった。宇野邦一『ドゥルーズ流動の哲学』、ドゥルーズ『ディアローグ』、カフカ『城』、千葉雅也『メイキングオブ勉強の哲学』、ジョン・バージャー『第七の男』とここまでは夜に決めたものの朝になって保坂和志『言葉の外へ』、パウル・クレー『造形思考・下巻』を追加した。7日間の旅でこんなに必要はないけれど、気分に任せて読みたいのでこうなってしまった。

飛行機が午前中だと前の日はあまり眠れない。こんな時はうつらうつらしながら妙な夢を見ることが多い。自分の店には4箇所ほど蚊木が花瓶があって植物を生けていて、店の前にも鉢植えが2つある。街中にあるお店だから植物を配して殺風景にならないようにしている。昼間の明るいおそらく誰もいない休みの日の店内だった。カウンターの上の植物がみるみる巨大化していった。物凄く太い松の幹が伸び店内を容積いっぱいに埋め尽くしていた。

スーツケースを引きながら家を出て暑さを感じながら雲の浮かぶ青空を見上げた。空には2本の飛行機雲がつらぬいていた。その雲はすでに膨張していて太い龍の尾のようにみえた。

駅の改札で女性のスタッフさんがいってらっしゃいと声を掛けてくれた。最寄りの駅でそんな言葉をかけてもらえるとは思っいなかったもみなかったので嬉しくなった。通勤ラッシュの時間帯のピークを少し過ぎた電車は混んでいたものの、スーツケースと一緒に移動しながら居場所を確保できる程度の混雑だった。

空港も空いていて荷物を預けるのも保安検査も時間がかからなかった。でも飛行機の到着が遅れたため1時間近く出発が遅れた。機内はいつも通り寒かったのでユニクロの小さく折りたためるナイロンパーカーを着て、ブランケットももらって足腰を覆った。『ドゥルーズ流動の哲学』の続きを読みはじめた。宇野さんの入門書にはドゥルーズの精神分析批判を解説してくれていてそこおもしろい。資本主義の外を外から見るために分裂病からの視点を持ってくる『アンチオイディプス』もいつか読んでみたい。おかしなことが真っ当とされるとき人間はっ奴隷になってしまっている、それを受け入れる自分と受け入れ難い自分とに引き裂かれそうなことは社会人なら誰しもがあると思う。そういうことについて哲学者が語ってくれているのは信頼できる。降りてからイミグレカードが配られなかったことに気づく。イミグレゲートの手前の記入台を見るとネット申請に変わっていた。すぐに打ち込み列に並ぶと問題なく通過できた。写真を撮られる時に帽子を外せと言われ、帽子無しの坊主頭は妻しか見せてないので世の中にはじめて晒したのが恥ずかしかった。

遠距離バス

いろいろあって台南までは高速バスで行くことにした。バスに乗り中歴のサービスエリアのバス停で降り、台南行きを待ってに乗り換えた。高速バスは2度目、空いているし椅子もゆったり。液晶画面には半年前と同じ交通安全や詐欺被害に注意の映像が流れている。車内WiFiはルーターとは接続するもルーターはネットと繋がらなかった。
『流動の哲学』を再開するも、気分を変えたくなりカフカ『城』を読み始めた。台中を過ぎたあたりでオレンジ色の夕陽が見えた。雨も降ってきた。だんだん暗くなり照明がつかないので断念。iPhoneの灯りでしばらく読み進めるも疲れてしまった。いつもならAirPodsでPodcastを聴いて過ごすのだけど、韓ドラの続きを観たいというのでイヤホンは妻に取られてしまった。寝るしかないのだけど寝れなかった。バス停に近づくと車内灯が煌々としてとても明るくなる。目覚ましのためなのだろうけど、その1/3くらいでも明るくしてくれたら本が読めるのにと思う、まあ思い通りにいかないからおもしろい。

21時前に台南のバスターミナルについて、そこから徒歩10分弱のホテルに到着。Googleマップで近くに羊料理の店を見つけ行ってみた。メニューは羊肉の青菜の炒め物とスープ数種だけなので迷わず選べた。肉はやわらかく適度な脂身もあって臭みもない。スープは台湾式の薄味で生姜が効いているので炒め物と白米を書き込んだ後に口に含むと飲み物のようにサッパリさせてくれる。日本で外食すると浮腫むくらい味が濃い店が多いけど、台湾のスープは大好きだ。とても満足な台南での1食目になった。

ホテルに戻り妻がどうしても日本のドラマを見たいというので初めてVPNに接続した。アプリがあってとても簡単だった。これでradikoもTverも聴ける。

羊肉オイシイ

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