夫、Facebookで夢を語りました(語るほどたいそうなものではありませんが…)。

夫がブルワリー開業に向けて歩み始めました。

***

長かった2年と半年

「仕事辞めようかと思って」

「そっか。次は? なんか考えてるの?」

「いや、これから」

「そっか」

そんな話をしたのは、一昨年のお正月。就寝前の布団の中でした。年の初めに言われたもので、

「あ、この人決めたんだな。これは宣言だな」

と私なりに理解したのを覚えています。その日、私たちはそれ以上話すことはなく眠りにつきました。

それから1年の年月が経ち、夫は「クラフトビール」を造ろうと決意しました。

そこからさらに1年半。

これまでも近しい人には、ちょこちょことお話しておりましたが、なんというか、やっぱり40手前にして未経験の地に足を踏み入れるのはかなり不安があったんだと思います。なかなか声を大にして言うことはできませんでした。

2人の子供たちのこと、自分自身のこと、生活収入が激減する不安に加えて、勤務先との折り合いがつかず退職日の決まらない日々…(結局籍は置いたまま、現在は二足の草鞋を履いています)

夫も私もそれぞれの立場でモヤモヤしていました。

夫の「良き理解者であろう」と寄り添えるよう心がけた時期もありましたが、「やりたい」と言ってるわりに、なかなか行動に移せない。

私は夫が「石橋を叩いて壊す」んじゃないか? と思うようになりました。

「本気でやろうと思ってる?」

「誰もやらないなんて言ってないけど」

苛立ちから、そんな会話をすることもありました。

Facebook投稿は、そんなこんなの2年半を経てのご報告でした。


マイペースは最強最速

夫は私のアップダウンを受け止めながらも、自分のペースで整えていたんだと思います。

休みを使ってブルワリーを見学させてもらったり、ビアフェスのお手伝いをしたり、醸造研修に行ったり…見えない何かをつかもうと、何か頼りになるきっかけを探ろうとしている感じ。その速度は決して速いものではありませんでしたが、夫には必要な時間でした。

今夫が色々と動き始めて、私自身が感じているのは、当時私が急かしていたタイミングに動いていたら、今得られているタイミングやご縁はなかったなぁということ。
ゆっくり夫のペースで温めてきたからこそ、繋がったご縁や整った周りの環境にサポートいただきながら進められている感覚があります。

マイペースは最強最速。

数年前、娘のトイレトレーニングをしていた時の話です。こちらが声をかけるなどして散々働きかけても、娘自身の気がのらず、すぐに紙オムツに舞い戻ったり、失敗したりして、なかなか進まないことがありました。
私は私で手を焼く日々。気を揉む日々。

そんなことで、「もうやーめた!」と諦めて、トレーニングを中断した数週間後、娘が自分から進んでトイレに行くようになりました。それからというもの失敗は1度たりともありません。

結果、娘の「やる気」を信じて待った方が早かった。効果も大きかった。

今回それの大人版を体験した感じがします。既に経験済みなのに、相手が大人となると急にノイズが入るんだなぁと、これは反省。

子どものトイレ問題は子どものもの。夫のブルワリー開業も夫のもの。私はそれに寄り添うだけ。

なのに私が勝手に自分事にして、子どもや夫の人生を生きようとして、不安になって、プレッシャーを感じて、こと夫に関してはそれをぶつけてたなぁと。恥ずかしい限りです。

さて。
オリジナルビールの試作品完成の報告も兼ねてのFacebook投稿から2日。有難いことにたくさんの方から応援メッセージを頂戴し、夫婦揃って感無量の極みです。私たち一般ピーポーの夫婦では見ない数の「いいね」に、夫は吐き気を催すくらい(笑) 改めて想いを強くし、責任を感じている次第です。

場所もまだ決まっておらず、課題はつきませんが、一歩ずつ前へ進んでいく所存です。

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