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山越えの旅路に、さくびさくら。 【きっぷ1枚で日本横断:#25】

日本横断25日目、鳥取駅から。

夜明けを告げる紫が美しい

おはようございます。現在時刻は朝5時過ぎ、昨日まであんだけ過酷な行程だったにも関わらずなぜ起床出来ているのかというと、同行人の高校同期に叩き起こしてもらったから。朝5時過ぎの始発を逃すと特急に乗る必要が生じますが、始発に間に合えば特急料金を節約して旅ができるということで、同行人から唆してもらったのです。流石に自力では起きられませんでしたから、朝からとても助かりました。そんなわけで、今日も楽しく日本横断を進めていきましょう。

いつの間にやら山陰脱出

時間がないのでショートカット

本日最初に乗り込むのは、山陰本線の始発列車。ようやく空も明るくなってくるかというレベルの早朝ですが、大慌てで列車へ乗り込み旅を再開していきます。

鳥取駅5:16発 山陰本線 普通 米子行き(223K)

街も僕も、まだ目が覚めきっていない
レトロな車両で進む
この辺りまでしか記憶がない
目が覚めたらすっかり明るくなっていた

まあ同行人に叩き起こされているレベルですから、車内でも起きていられるはずがなく、道中しっかり爆睡していました。誰かが起きていたおかげで無事みんなして寝過ごすということなく、列車は2時間強かけて伯耆大山(ほうきだいせん)駅へ到着しましたので、こちらで乗り換えをします。

社会科の知識がなかったら読めないタイプの駅

さて、本来であれば伯耆大山駅で乗り換えをせずにこのまま山陰本線を下り続け、島根県の宍道(しんじ)駅まで向かう予定だったのですが、想像以上に宍道駅から分岐する木次線という路線の本数が少なく、後ろの予定を考えると間に合いそうにありませんでした。そのため、伯耆大山駅から分岐する伯備線の普通列車へ乗車し、山陰から山陽へ南下する道のりをショートカットします。

伯耆大山駅7:43発 伯備線 普通 新見行き(822M)

車内は比較的空いていたので、同行人と3人でドアを囲む

僕は相変わらずこちらの列車でも爆睡してしまいましたが、終着駅まで乗ることになっていましたので良しとしましょう。目が覚めたら定刻通り、終着である岡山県の新見駅へ到着です。ちなみに、新見駅へ到着した時点で時刻は朝9時50分。本日のスタートである鳥取駅を出発したのが朝5時16分でしたから、実に4時間半以上普通列車で移動してきたことになります。中国地方の移動、想像以上に1つ1つが長くてハードでしたね。

未練はさっさと回収しよう

新見駅からは姫新線へ乗車し、津山駅を目指します。姫新線は昨日姫路駅から鳥取駅まで中国山地を越えて移動する折に東津山駅まで乗った路線で、半日近くかけて昨日夜に通った駅の隣まで戻ってくる格好になりましたね。そう考えるとバカバカしいことこの上ありませんが、昨日は夜でほとんど津山の街を見ることができてないので、その未練を回収するつもりで向かっていきましょう。

ローカルな区間で何度もお世話になったこちらの車両へお乗り換え

新見駅9:53発 姫新線 普通 津山行き(858D)

ケイブでもデカでもなく刑部(おさかべ)駅。読めた方が恐ろしい。

道中、美作落合駅と美作追分駅が連続したのを見て、なんとなく北海道の落合駅と追分駅を連想しつつ、「どうせ道か川の分岐点があるんだろうな〜」なんてことを考えながら車窓を眺めていました。実際のところどうなのかは確認できていませんが、地図を見たらなんとなくそれっぽい地形をしていたので、読みはそんなに外れてないんじゃいかなと思います。

確かに、古見駅を出てしばらくした後めっちゃカーブしてた。

車窓を眺めながら、時々駅名に思いを馳せつつ、列車は1時間半ほどかけて終着の津山駅へ到着です。

実は、津山駅から先は岡山駅まで走る「SAKU美SAKU楽」号(読み方は「さくびさくら」)へ乗車することになっています。信越で散々観光列車へ乗って以来、久しぶりの観光列車です。本日はこれに乗るべく、ショートカットも活用しながらここまでの道中を急いできたのです。


《参考》以前、日本横断中に散々観光列車へ乗りまくった時の記録はこちらから。


さて、さくびさくら号へ乗車するまではまだ1時間半ほど乗り継ぎ時間があります。津山駅の周辺を散策したり津山城を見に行ったりしても良かったのですが、下調べをしていたら、お隣の昨日通った東津山駅から歩いて行ける距離にスタバがあることが判明しました。全国のスタバを巡っている人間として、これほど穴場のスタバを逃すわけにはいきませんから、たまたますぐに乗り換えることのできる因美線へ乗車券を買い足して乗り込み、東津山駅からスタバへ向かっていきましょう。

津山駅11:34発 因美線 普通 智頭行き

1駅4分ほどで東津山駅を再訪したら、スタバの入っているイオンモールまでスタスタと歩みを進めていきます。

以前の新旭川駅の時もそうだったが、やはり昼と夜とで無人駅の趣きは相当に変わる気がする。
「イオン方面通り抜け不可」の看板にビビり散らかしたが、車が通れないだけだったのでセーフ。

20分ほど歩き、イオンモールへ着いたらいつも通りコーヒーをいただきます。

370店舗目 イオンモール津山店 #4021


歩き疲れた後にあおる苦いアイスコーヒーが良い。

イオンモールからは再び東津山駅まで歩いて戻るかな、と思ったのですが当然そんなに列車の本数があるわけもなく、駅まで戻っても間に合いそうにありませんでしたから、来る途中で見つけていた路線バスへ乗り込み、一気に津山駅まで戻っていくことにします。

イオン津山店前12:16発 中鉄バス勝間田駅前線 津山駅行き

このバスがなかったらシンプルに詰んでいたので助かった

バスに揺られること30分ほどで、定刻から少し遅れてバスは終着の津山駅に到着です。この頃にはさくびさくら号の発車時刻が迫っていましたから、駅の売店でお昼ご飯を買い込んだらそのまま日本横断の行程へ戻っていきます。次来るときは、桜の綺麗な季節に津山城を見にきてみたいところです。

駅前には福知山駅以来のSLがあった

なんか楽しい南下の旅路

日本横断にSAKU楽の彩り

そんなわけで、改札口できっぷの隙間を縫って下車印を押してもらった後、ホームヘ行ってみると、一際目立つ桜色の車両がすでに停まっていました。本日はこちらに乗り込んでいきます。

ホームには明らかにそれらしきものが。
色鮮やかでかわいい車両が停まっていた

津山駅12:58発 津山線 快速SAKU美SAKU楽1号 岡山行き(8981D)

津山駅を出てすぐ、駅近くの「津山まなびの鉄道館」なるものを発見。
こちらもレトロな車内
専属のアテンダントさんが丁寧に車窓の説明をしてくださる。
東日本の観光列車と異なり、西日本の観光列車は生身の人感が強い印象。

途中、さくびさくら号は弓削(ゆげ)駅と福渡駅で停車をして、駅構内を散策する時間が設けられていました。弓削駅にはきっぷを販売する担当の方がいらっしゃいましたので、記念に乗車券へ下車印も押していただきました。弓削駅も福渡駅も、個性的な駅で駅構内を歩くだけでも面白みがあります。

カッパがち。
移動中の車内ではボックス席を囲み、残っていた飛騨古川の地酒を高校同期と1杯。
いかにも縁起が良さそうな駅名
日本横断に、福よ来い。

本来さくびさくら号は車両の見た目の通り、沿線の桜を花見するための観光列車ですが、9月になった今でも川の雄大な景色や個性的な駅での途中下車、そして何よりアテンダントさんの喋りで楽しむことのできる仕様になっていました。さくびさくらというネーミングは、美しさや楽しさを作ること、笑顔も花も咲くこと、美しさや楽しさを探索することなどが意味合いとして込められているらしく、同行人たちと日本酒を囲みつつ沿線の美しさや楽しさに酔いしれていました。

福渡駅を出て程なく、「幸せの白い橋」なるものを見ることができた。
景色の良い区間では運転手さんが徐行運転をしてくれる
玉柏(たまがし)駅も初見ではちょっと読みにくい

そういえば、4人用のボックスシートを3人で予約して乗車していたのですが、さくびさくら号は結構人気で、お1人で来られていた方と相席することになりました。気さくに話しかけてくださったり写真撮影を手伝ってくださったりと、とても良い人でありがたかったですね。そんな楽しい交流もありつつ、列車は1時間半ほどかけて、終着の岡山駅へ到着です。

楽しい旅路をありがとう
青春感謝。

実はたくさん、岡山の見所

さて、岡山駅ではそれなりに時間がありそうでしたので、ここで同行してくれた高校同期たちとはお別れし、1人で岡山駅周辺を散策することにしました。長野と愛知を行ったり来たりした日以来、お互いの趣味嗜好に合わせて個々で立ち寄るところを選びながらも大枠で長いこと同行してくれた2人に感謝して、さっそく岡山の街へ繰り出していきましょう。

和傘の感じがなんだかおしゃれ

岡山駅からしばらく歩いたところには、日本三名園としても名高い後楽園と、そのお隣には岡山城があります。そちらへ歩いて向かいがてら、道中では未到のスタバへ抜かりなく訪れます。

371店舗目 岡山天満屋店 #4136


ゆっくりとコーヒーをいただいたとこで、いよいよ岡山城に向かっていきます。本当は後楽園にもいきたかったのですが、時間の関係から今回は泣く泣くカットです。

水辺の先にはそれらしき天守閣が。

岡山城、想像以上に立派な天守閣で驚きました。復元されたものなのかだいぶ綺麗になっていますが、黒塗りの壁がなかなかかっこいいです。岡山駅自体は乗り継ぎで幾度となく訪れているのですが、いつも時間がなくて観光できていなかったので、本日こうして岡山城を見ることができ本当によかったです。岡山城の大きさに圧倒されたところで、岡山駅へ戻ります。

来るときにおしゃれな川だと思っていたら、こんなものをやっていたとは。

南下の勢いそのままに

さて、こうして岡山駅まで進んできたわけですが、本日の日本横断の行程はここまでで、本日で日本横断は一時中断することになりました。というのも、この後は水泳指導や塾の夏期講習のアルバイトがあり、一旦東京へ戻る必要があるのです。岡山からそのまま新幹線で戻ってもよかったのですが、思いの外新幹線は高かったので、LCCを活用して飛行機で安く速く帰ることにしました。しかし、LCCは岡山空港へ就航していないため、最も近くてLCCが就航している空港へ移動する必要があります。空港への移動にかかるお金を考えてもこちらの方が断然安いのですから、LCCのコスパの凄さが窺えますね。というわけで、ここからは津山から南下してきた勢いそのままに、乗車券を買い足しつつ瀬戸大橋を渡って香川県の高松空港を目指していきましょう(何事?)。

岡山駅16:13発 瀬戸大橋線 快速マリンライナー45号 高松行き(3145M)

妹尾(せのお)駅、なかなか読みづらい。
難読という意味でも写真の画角的にも。タイミングミスった。
瀬戸大橋を渡る

本州にある岡山から本州にある東京へ帰るのに、本州を脱出して四国に向かっているという異常事態が発生していますが、深く考えたら負けです。高松空港へ向かうバスの時間までは少しだけ余裕がありそうなので、四国へ渡ってすぐのところにある坂出駅で途中下車をし、未到のスタバへ立ち寄っておくことにします。

唐突の四国上陸。
商店街を突き進む

372店舗目 坂出久米店 #4195

四国上陸記念のフラペチーノ。

お芋のフラペチーノをいただいたところで、坂出駅へ戻り、四国一の大都市といっても過言ではない高松を目指しましょう。

坂出駅17:22発 予讃線 快速マリンライナー47号 高松行き(3147M)

列車は坂出駅から途中駅には一切停まることなく、15分ほどで終着の高松駅に到着です。

長旅で相当疲れていたが、元気100倍になれそうなお方とお会いできた。
高松駅ちゃん

最後の一時帰宅に向けて

高松まで来たのだから

高松駅に到着した時点で、時刻は17時半を回ったところ。この後は空港と飛行機に缶詰ですから、少し早いですがここで夜ご飯をいただくことにいたしましょう。せっかく高松まで来たのですから、ここで讃岐うどんをいただかなくては空港で保安検査に引っかかってしまうでしょう(※もちろんそんなことは絶対にない)。当然のように駅前のお店で、讃岐うどんをいただくことにします。

ここに来たら僕はいつもざるうどんを頼む。
のり天とかいうずるい食べ物もあったので迷わずこちらもセットに。
この輝きが良い

やはり、こちらのお店の讃岐うどんは圧倒的な麺のコシとつゆに効いた出汁の風味がたまりませんね。大学入学以来、実はそれなりな回数四国旅行をしているのですが、讃岐うどんは1度も欠かしたことがありません。本日も無事食すことができたので幸せですね。いつも通り大満足でお店を後にしたら、駅周辺を散策しつつ、高松空港行きのバスを待ちます。

いずれは小豆島なんかも行ってみたい

再び本州へ戻る

高松駅からは高松空港への直行バスが出ていますので、こちらに乗り込んで高松空港まで向かっていきます。

高松駅3番のりば18:20発 ことでんバス高松空港リムジンバス 高松空港行き

バスは高松の市街地をひたすらに南下し、50分ほどで高松空港へ到着です。

高松空港からはお馴染みのLCCであるジェットスター便に乗り込み、成田空港を目指します。飛行機に乗ってしまえば1時間半もかからずに成田まで行けるのですから、改めて飛行機の偉大さに驚くばかりですね。

小規模な空港であればLCCでもそれほど遠くの搭乗口まで行かずに済むので、LCC利用は地方から都心の方向がおすすめだったりする。

高松空港20:40発 GK414便 成田空港行き

というわけで、本日の旅はここまで。日本横断の行程としては、いよいよ岡山駅まで進んできました。数日のインターバルを挟んだ後、再び岡山駅まで戻り、日本横断を再開することにいたします。今日乗った観光列車の名前よろしく、日本中のたくさんの楽しさや美しさを探索してきた、"さくびさくら"してきた日本横断の旅でしたが、なんと一時帰宅は今回が最後で、インターバル明けの岡山駅からは、中断することなく最終目的地の佐世保駅まで駆け抜けます。とうとうゴールが見えてきたことに一抹の寂しさを覚えますが、最後まで楽しく日本横断を進めていきますので、引き続き最後までこちらのnoteの記事も楽しんでいただけると幸いです。

では、またインターバル明けにお会いしましょう。

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