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資本政策-スタートアップ経営者必携の8つの知識②

この連載では、「スタートアップの経営者が必ず知っておかなければならない8つのコト」をテーマに、各論点についてまとめて参ります。

① 株主間契約
② 資本政策
③ ストックオプション
④ 資金調達用資料の作り方
⑤ バリュエーション
⑥ 基本的な事業計画の構成
⑦ 投資契約の留意点
⑧ フリー・キャッシュ・フロー

第2回目の論点は「資本政策」です。

私が相談を受けるきっかけとして、最も多い論点の一つが「資本政策」です。
資本政策をどの様に描くべきなのか、どのくらいのバリュエーションでどのくらいの株式を発行したらよいのか、資本政策表が作れない、ストックオプションを発行したいがどの程度発行すべきなのか、といった内容です。
経営者にとって資本政策の重要性がそれだけ重要視されてきているということであり、財務コンサルに携わる身としては、非常によいこととして受け止めています。
やはり、資本政策を間違えると後戻りできない、ということをスタートアップ界隈でも常識的に言われるようになった影響があるのではないかと思いますが、正にその通りだと私自身認識しています。

ここでは、資本政策と株式の調達計画である資本政策表を区別し、それぞれについて説明したいと思います。


資本政策の策定方法

まず資本政策の策定方法についてご説明します。

資本政策の策定といっても、いきなりできるわけではなく概ね以下のステップに従います。
調達額とバリュエーションありきで、事業計画がないケースがありますが、それでは投資家の信用は到底得られません。なぜその調達額が必要なのか、なぜそのバリュエーションになるのかの拠り所が全くなくなってしまうからです。

1. 事業計画の作成(PLベース)
2. 投資計画の作成
3. (フリー)キャッシュフロー計画の作成
4. 株式による調達額と借入による調達額のバランスの検討
5. 資本政策表の作成

各々の作り方についての細かい説明は割愛しますが、各ステップにおいて留意すべき事項は何か、というところに焦点を置くと以下のようになります。

1. 事業計画の作成(PLベース)
- ビジネスモデルとして、どの様な収益構造になるのか
 利益率の高低
 収益が立ち上がるまでの期間
 フロービジネスなのかストックビジネスなのか
- 単月黒字にいつ持っていけるか(損益分岐点はどこか)
- 上場(又はM&AによるExit)までに、凡そどのくらいの期間がかかるか
2. 投資計画の作成
- 資本的支出がどの程度必要か
 開発費用
 固定資産の支出など
3. (フリー)キャッシュフロー計画の作成
- いつ資金が枯渇するのか
- どの程度の手元資金があればよいのか
4. 株式による調達額と借入による調達額のバランスの検討
- 必要資金の性質から株式によるべきか、借入によるべきかの検討
5. 資本政策表の作成
- 各調達ラウンドにおける株式による調達額
- 各ラウンドにおける想定バリュエーション
- 事業会社(ストラテジック・インベスター)から調達するのかVC(フィナンシャル・インベスター)から調達するのか
- 何人くらいの投資家から調達するのか
- 最低投資額をいくらに設定するのか
- 投資家の属性は問題ないか(反社チェックなど)
- 潜在株(ストックオプション)の発行タイミングをいつにするか

このように、資本政策を作るにあたっては、様々な観点からの検討が必要です。
逆によく資本政策を考えずに、とりあえず調達してしまうと後々苦労することになります。最近はエンジェル投資が増えてきていることもあり、意外と一回目の調達で思っていたほどの苦労をしない結果、その後急に行き詰まるケースをみかけます。

以前に比べると、エンジェル・ラウンドで希薄化しすぎてその後きつい、というケースは減ってきているように思いますが、逆にバリュエーション高すぎる、株主が多すぎて管理が大変といったケースが増えているように思います。
ですので、内部に適切な人材がいない場合、可能であれば外部のプロフェッショナルを活用した方がよいと考えています。


資本政策表の作り方と理想的な例

それでは早速資本政策表の具体的な作り方について見て行きましょう。
必要となる主な項目は、以下の通りです。

1. 調達のタイミング
2. Pre-moneyのバリュエーションとPost-moneyのバリュエーション
3. 新規調達額
4. 累計調達額(資本金等)
5. 各株主の持ち株比率(潜在株含む)

以下のサンプルは、申請期が4期目となるほぼ最短上場に近い形で作成しています。
そして、上場までにエンジェル・ラウンドを含め全部で4回調達が必要なケースにおける理想的な資本政策となっています。

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