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島袋・冨岡のM&Aトーク|Vol.266-278

#276  ずっと言いたかった、2度目の売却体験談

2度目の売却、今回のポイントは

2019年10月1日、不動産メディアをイード社へ1億2千万で売却
締結・支払いはすでに完了
アーンアウト条項があったため、3か月間緊張が続いていた

*アーンアウト条項
一定の期間を定め、その期間に買収対象となった事業が定めてあった目標を達成した場合に追加で買収対価を支払うこととする規定のこと(※参考記事)

アーンアウトも悪くなかった
譲渡後も売上が下がらないよう努力するモチベーションになり、健全

イード社とは1年以上交渉が続いていた
実は1年前にもまとまりかけていたが、契約で一部折り合いがつかず流れていた
「まだ検討している」との言葉をいただき、改めて譲渡へ向けて動くことに

スキームによって税も変わるので注意
今回のスキームは事業譲渡だったため、消費税は10%のっていた

結果的に、一度破談になったかと思った相手と話がまとまる形になりました。
その時にうまくいかなくても、コミュニケーションを良好に保てていれば、あとでうまくいくこともあります。

「まとまらなかった売却相談」にも意味はあった

売却は約2年前から考えていた
初めての事業譲渡(2017年末)のあとから買い手は探していた
計16社ほどから断られた

売却話は、まとまらなくてもするメリットはある
「買わない理由」は改善点でもある
わかった課題を改善するためテコ入れした結果、売却が実現

売却相談の際に情報を盗まれてしまうこともあるので気は抜けませんが、売却の打診も悪いことばかりではありません。
「御社に興味があります」という企業がいたら、まず一度話を聞いてみましょう。買収や出資につながらなくても、思わぬ収穫が得られるかもしれません。

今回の案件の場合は、買い手候補企業からの要望を受け、最初はLP一枚で成り立っていた事業をより多くのコンテンツを持つオウンドメディアのような形に充実させる改善を行った結果、当初よりも高い評価額で買収されることになりました。

1回目の売却についてはこちら
今回の案件について以前公開した動画はこちら


#277  不況で痛感するM&Aの価値

コロナの影響で、M&Aが決まらなくなる?

不況で業績が振るわず、売却を望む企業が増える
売上が下がるため、手元の資金に余裕がないとかなり厳しい状況

買い手にとってはチャンスだが、実はそうそう飛びつけない
資金が豊富な買い手は低いバリュエーションで買収できるチャンス
ただし、大企業ほどリモート対応等で忙しく、それどころではない

1年前に相談を受けて売却を勧めたものの、もう少し様子を見ることになった案件が今回の騒動で打撃を受け、かなり業績が悪化してしまったケースも。

不況はずっとは続かない。ただし‟備え”は必要

2011年以降に起業した経営者にとっては初めての不況?
楽天的な経営者が“想定外の出来事”を想定する意義に気づく機会でもある
M&Aや資金調達は、不況に陥る‟前”、やれるときにやって余裕を持つべき

島袋の不況の経験①リーマンショック
その年にネット広告代理店を起業した
他の年との比較もできないので、特に影響を感じることはなかった

島袋の不況の経験②東日本大震災
売上のキャンセル+広告の自粛で大打撃
単発受注の危なさ、サブスク型ビジネスモデルの強さに気づく

島袋が経営するIdeaLink社では、飲食やフィットネスなど店舗ビジネスが影響を受けている一方、トラフィックが上がるネットの事業は好調という状況。

危機に改めて考える、IPOとM&A

苦しんでいる社長は 上場企業にも多い?
上場後株を売れることは少ないため、株を担保に借入をすることが多い
株価が下がっている今、担保割れして追加の担保を求められているのでは

M&A(売却)でキャッシュを得ている経営者は強い?
多くの人がキャッシュを確保しようと慌てる中、積極的に投資できる
不況の時はレバレッジがききやすいので有利

もし2020年の1月、2月に多額のキャッシュを得ていた場合は積極的に投資がしやすく、納税(翌年3月)までも1年以上余裕があるため、資産運用にはかなり有利になったと考えられます。



#278  M&A成立後のトラブル、責任は誰が持つか

仲介やアドバイザーに損害賠償を請求するのは難しい?

M&A成立後、仲介会社へフィーの返還や損害賠償を求めるケースはある
「聞いていた内容と違う」というトラブルが多い
多額の資金を使った買い手側が仲介やFAを訴えることがほとんど

実際に損害賠償を支払うケースは少ない
明らかな悪意や重過失でなければ、契約違反にならないことが多い
「アドバイスはするが、判断は自己責任で」という旨の文章が入っている

とはいえ、過去には大手仲介会社が損害賠償を支払ったケースもあるので、必ずしも泣き寝入りする必要はありません。

DD担当者が訴えられることもある

DD費用の重さは責任の重さ
DDでできたはずのリスクを指摘しなかったとして弁護士や会計士が訴えらえることも
法的リスクをスルーした、存在しないはずの未払い債務があった、等

「判断は自己責任で」は免れられないものですが、アドバイザーを信頼しつつも、契約書の文言はチェックしておいた方がよさそうです。
売り手に対して表明保証違反を訴えるケースはこちら。




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