【へっぽこ体験記】日本一治安が悪い地区に泊まってしまった@大阪新今宮
用事があったので、久しぶりに大阪へ行ってきた。
「今日どこに泊まるの?」と聞かれ、
「西成区の方です。たしか新今宮駅ってところ…」と答えると、
「えっ、やばいとこじゃん」
と言われた。
えっ( ◠‿◠ )
土地勘が無いので安さで宿を決めてしまったけど、「西成」というキーワードを出すと、色んな人からやばいエピソードが聞けることが分かった。
何がそんなに危険なのかなと調べてみたところ、
ここ西成のあいりん地区と呼ばれる場所は、暴力団事務所や路上生活者が多いことから「日本一治安が悪い地区」と言われているらしい。
たしかに宿泊するホテル名を検索したとき、一番最初に「治安」というキーワードが出てきていた。
***
少しどきどきしながら改札を出て西出口へ向かっていくと、階段を上がってきたおじちゃんが目の前で盛大にコケた。
背中から落ちていき、最後に手すりで後頭部をゴンッと打った。
その場にいた私含めて3人が、
「「「大丈夫すか」」」と聞いた。
おじちゃんは「大丈夫です…」と言い、
立ち上がって階段を上り始めた。
「大丈夫です」と言われたら大体みんなスッと立ち去ると思うのだけど、誰もその場を去らない。
マジな心配でおじちゃんを見つめている。
私もつられてただ見守る。
そこに何も知らない兄ちゃんが通りがかった。
よろめきながら階段を上るおじちゃんを見て、
「おっちゃん大丈夫か?エレベーターあるで。
一緒に行ったるわ。」
とおっちゃんをサッサと連れていった。
早送りのようなスピード感だった。
おっちゃんのことは心配だけど、この一連の出来事で心が少し温まり、足取り軽やかにあいりん地区へと繋がる階段を降りた。
***
そしてそんな温かな気持ちは、目の前にそびえ立っている廃墟のような建物で一気に冷えた。
「大阪社会医療センター付属病院」と看板に書いてある。
「こわ」
と声が出た。
妙な空気をまとっている。夜だから尚更怖い。
その麓には、ずらっと人の住処が並んでいた。
調べてみると、病院と複合になっている「あいりん労働福祉センター」という施設で、3年前に閉鎖されたらしい。
このセンターは、日雇い労働者の毎日の求職活動や生活拠点として、50年ほど機能していたそう。
あいりん地区の路上生活者は、把握されているだけでも1000人ほどいるとか。その人たちが、閉鎖後もそこに居続けているらしい。
たしかに、歩いていると激安賃貸や職業案内所がそこら中にある。
格安宿の多さから、宿(ヤド)を逆さまにして
「ドヤ街」とも呼ばれているそう。
想像していたのはガヤガヤとした怖さだったけど、
実際に感じるのは、何が起こるのか分からない妙な恐怖感だった。
夜20時半。
怯えながら歩いていた。
でもそういう風にしているのが一番危ないと思い、地元の人っぽい顔つきに切り替えてズンズン進んだ。
そうして無事にホテルへ到着。
外は意外と静かで、たまに誰かの叫び声とパトカーのサイレンが聞こえるくらいだった。
***
翌朝、友だちと難波で会うためにマップを見ながら駅へ向かう。
交差点で信号待ちをしていたら、自転車に乗ったおっちゃんが
どこ行きたいん?
と話しかけてきた。
変な人かなと思いつつ、
「動物園前駅ってとこに行きたいんですけど、、」と答えると
それ目の前のあそこやん( ◠‿◠ )
と言われた。
一応それは私も分かっていた。
ニコニコしたおっちゃんは、私に最適な駅への入り口を考え始めた。
「どこ向かうん?なんば?それならあの入り口がええよ。」
「あーでもなぁ、あそこから入るとぐるっと下くぐってかなあかんからな、あっちがええわ!」
「あ、でもあそこからでも行けるで?」
なんでそんな親身なん。
めっちゃ笑顔だし。てかもう信号青やで。
おっちゃんに教えてもらった入口からスムーズにホームへ到着し、方向音痴な私は珍しく予定通りの電車に乗ることができた。
***
ネットや人から聞いた時点では、西成区は「なんか怖くて物騒な街」というぼやっとした印象だった。
実際歩いてみると、たった数分で人の温度を嫌でも感じさせられて、どんな自分でもそのまま受け入れられてしまいそうな空気に少し居心地の良ささえ感じた。
でももちろん怖かったし、日雇いで働く人たちの毎日がどんな実情なのかは分からない。
***
そして無事大阪に住む友だちと合流し、道頓堀を楽しんだ。
たこ焼きを渡してもらうとき店員さんに、
「底が熱いから気をつけてな!!底がアッツいってことは〜〜〜??(エアマイク2本をこちらに向けて)
中もアッツい!!!大正〜〜解〜!!!!」
と、一声で言われた。
ちなみに友だちはその間、財布にお金をしまっていて、お兄さんのマイクパフォーマンス(?)には全く気づいていなかった。
やはり大阪は強烈。
おわり
今回行ったところメモ↓
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