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箱庭療法

箱庭療法は、言語ではなく主にイメージを媒介する介入技法のひとつです。
必要な物は砂の入った箱(57cm×72cm×深さ7cm)と様々なミニチュアの玩具。ミニチュアは特に規定はありませんが、たいてい動物、人間、植物、岩石、建物、乗り物、家具などが用意されます。
セラピストから何かを指示するわけではなく、クライエントが自由に砂とミニチュアを使って作品を作ります。

箱庭療法の意味は、各研究者によっていろいろな説明がされています。

まず"選ぶ"という行為についてです。"選ぶ"というのは半ば無意識的な過程で、なぜかよくわからないけれどとあるミニチュアに惹かれて手に取ってしまうものです。そこには言葉では言い表せない重要な事柄が投影されていると考えられます。

次に、"置く"という行為です。選んだミニチュアを箱庭の中に置くと、そのミニチュアは当然場所を占有します。そこに新たなミニチュアを置こうとすると、時には雰囲気に合ったものになり、時には秩序が乱されます。それはクライエントの心理状態をある程度反映したものになるでしょう。何度か箱庭を作っていく中で今まで置けなかった物をなんとかして置くことは、その人の心と世界の変容に繋がります。

理論はこのような感じなのですが、僕はクライエントが言語以外の手段で内的世界を自由に表現できる場が提供されるということにもかなり意味があるのかなと思います。子どもはプレイセラピーという遊びを通して自分と向き合うので、それと似たようなことを大人でもできるのが箱庭療法の魅力だと感じています。

最後に、僕が体験として作った箱庭を紹介しておきますね。僕は海、鉄道、楽器の少人数アンサンブルが好きです。なのでなんとなく「これはいいな」と思ったミニチュアを置いていったら、船の浮かぶ海と、線路と、その近くでテディベアが楽器を演奏している様子が表現されました。楽しかったです。

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