見出し画像

心理検査―うつ病―

うつ病の診断・重症度評価に用いられる質問紙式心理検査のうち、主要なものを5つ紹介します。
うつ病それ自体に関してはこちらの記事を参照してください。

1. BDI-Ⅱ

うつ病の検査といったらまずはBDIでしょう。Beckらが作成したもので、診断にも重症度評価にも使えます。適応年齢は13~80歳、所要時間は約10分です。21項目の4件法です。
中学生以上であれば使えるので便利ですね。
13点以下が健常、14~19点が軽症、20~28点が中等症、29点以上が重症と評価されます。

2. 自己評価式抑うつ性尺度(SDS)

これもよく用いられています。Zungが作成したもので、診断にも重症度評価にも使えます。適応年齢は18歳以上で、所要時間は約15分です。主感情2項目、身体症状8項目、精神症状10項目の計20項目から成る4件法です。
日本版においては23~47点であれば正常、39~59点であれば神経症、55~67点であればうつ病であるという3群に分けた目安が示されています。
なお、若年者や高齢者では健康な人でも得点が高くなる傾向があります。

3. ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)

公認心理師試験によく出てくる尺度です。Hamiltonが作成したもので、重症度評価に使います。BDIやSDSとは違って、医師や心理士などの専門家が項目ごとに評価をしていく他者評価式の尺度です。適応年齢は成人で、所要時間は約15分です。重症度の評価である17項目と症状の評価である4項目の計21項目から成ります。
重症度評価項目が7点以下であれば正常、8~13点が軽症、14~18点が中等症、19~22点が重症、23点以上が最重症と評価されます。
しかしこのHAM-D、DSMの診断基準が網羅されていなかったり、逆に診断基準に無い項目が含まれていたりします。更に非定型うつ病の特徴も捉えられないので、まあまあ批判されています。

4. PHQ-9

上記3つより聞き馴染みがないですが、DSM-5のうつ病重症度評価尺度として推奨されているものです。適応年齢は18歳以上で、所要時間は約5分です。9項目の4件法です。
1~4点が軽微、5~9点が軽症、10~14点が中等症、15~19点が中等症から重症、20点以上が重症と評価されます。

5. MADRS

今までの公認心理師試験では出題されたことがないのですが、紹介しておきます。Mongomery&Asbergが作成したもので、うつ病の重症度評価に使います。10項目の7件法です。
7~19点が軽症、20~34点が中等症、34点以上が重症と判断されます。


他にもいろいろあるのですが、ここでは割愛します。うつ病に関する尺度はとても多いので…
公認心理師試験では各検査の名前はアルファベットで出題される場合がほとんどです。アルファベットでの名前を覚えておきましょう。
参考↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?