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被害者相談

自然災害に被災する、事故に巻き込まれる、強盗/暴行/虐待/ストーカーの被害に遭うなどした人は、特別な支援を必要とすることがあります。

トラウマ反応にはさまざまなものがあります。有名なのはPTSDですが、それはトラウマ反応の中のひとつにすぎません。抑うつ、悲哀、無力感、罪責感といった感情の変化、不眠や動悸などの身体症状、社会や自分への信頼の喪失など、さまざまな反応があります。
なお、PTSDについては別記事にも少し書いてあります。

トラウマ反応自体は、衝撃的な出来事の後に生じる人間の正常な反応です。また、反応は被害が終わってから1カ月~半年を目安に徐々に回復します。従って、被害者全員が専門的な心理治療を必要とするとは限りません。

対人暴力の被害者は、通常のトラウマ反応としてあらわれる恐怖感のみならず、他者に対する信頼感が大きく損なわれます。サポートしてくれるはずの家族との関係が上手くいかなくなってしまったり、心理士とラポールを形成できなかったりというのはたびたび起こるものです。その中での支援は難しいものとなりますが、支持的な傾聴は大変重要です。

トラウマ体験をしたクライエントの援助方法です。
まず何よりも重要なのが、クライエントの安全の確保です。怪我や毒物等への対応など、身体的な治療が最優先です。災害によって住居を失った人やDVから逃げてきた人には生活基盤を整えます。セクシュアルハラスメントを受け続けているなど、被害が続いている場合には、そこから逃げられるよう手配します。とにかく安全、安心、安眠の確保を第一にします。
それをした上で心理的支援が必要なのであれば、傾聴と共感を基本とした支持的心理療法を行ないます。安心できる雰囲気の中で、クライエントの自然治癒力やストレスコーピング能力を活かし、自信や尊厳の回復を目指します。
半年以上経ってもトラウマ反応が消失しないクライエントについては、PTSDのための専門的な認知行動療法や薬物療法を検討します。

ここまで何らかのトラウマ体験の被害者について一般的な話をしました。特に災害時支援についてはもう少し詳しく書いた記事があるので、そちらも参照してください。


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