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危機介入

危機状態にあるクライエントに対して行なわれる心理的援助に、危機介入というものがあります。ここでいう危機とは、人生上の重要目標を達成するのが妨げられ、今までにとってきた方法では事態を解決できなくなった状態を指します。

危機は誰にでも生じ得ます。人生上の重要目標には進学、恋愛、結婚、就職、子どもの誕生、定年退職といったさまざまなライフイベントが含まれますし、病気や事故は誰でも経験する可能性があるからです。そこで発生した問題に対処できなくなると危機に陥ります。

危機介入の目標は、危機に陥って情緒的均衡が崩れている人に対して、最低限の介入によってできるだけ早い情緒的回復に繋げることです。危機が持続するのはおおむね1~6週間なので、その間に迅速に対応しなければなりません。

危機介入では、現時点でのクライエントの問題発生状況を理解し、それを乗り切るための援助を行ないます。中心となるのは現在の問題の解決と、将来に向けての対処法の習得です。休養のための時間を確保する、経済的支援、医療機関や行政機関との調整、クライエントを支える人的資源の利用といった援助がなされます。

複数の面から支援することになるので、心理士の協働の力が問われます。コミュニティの中でクライエントを支えるには、適切な危機介入ができるようになっておくべきです。

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