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言語

今回は心理学における言語の諸理論の話です。

1. 言語の獲得

子どもは母親の胎内にいる頃から外の音を聞いていて、発達と共に言語を学び始めます。その獲得過程は以下のようになります。
生後2~4カ月:クーイング(母音による意味のない発声)
生後6カ月程度:喃語(子音も発するようになるが意味はない)
生後7カ月程度:ジャーゴン(いくつもの音を連ねて発する)
1歳前後:1語文(「ママ」「ぶーぶー」のような意味のある単語)
1歳半頃:2語文(「わんわん いた」のように単語を2つ連ねる)
2歳頃~:多語文
この獲得過程を知っておくことは、子どもの言葉の遅れから聴覚障害や知的障害、自閉スペクトラム症を早期に発見するために重要です。

言語の獲得については様々な理論があります。

Chomskyは生成文法理論を提唱しました。人には生まれつき言語獲得装置が備わっているという理論です。周囲が日本語を話していると、言語獲得装置に日本語が入力され、普遍文法というツールによって文法が整理され、日本語が獲得されます。

周りからの刺激の頻度や刺激同士の随伴/連続性の中から文法という規則性を見出しながら言語を獲得していくのだというのが統計的学習アプローチです。
「今日のおやつはバナナだよ」「バナナおいしいね」といった発話から、「バ」と「ナ」は連続して使われる音だな、目の前に黄色くて長い甘い食べ物がある時に「バナナ」という単語が聞こえてくるな、といった規則性を発見し、「バナナ」という語を獲得するわけです。

Brunerの言語獲得支援システムという理論では、大人が子どもとする会話には、大人同士で会話する時とは違う、言語の獲得を容易にする特徴があり、それが子どもの言語獲得を支援していると述べられています。
確かに、大人が子どもに声をかける時には、高い声、大げさな抑揚、文章の中で単語間の間合いが長いといった特徴があります。この対乳児発話は子どもが学習しやすいといわれています。


2. 言語と思考

言語には、感覚や知覚に基づく具体的な体験を"概念"として捉える抽象化機能があります。抽象的な概念が理解できるようになると、頭の中で言語を用いて物事を考えることができます。思考の道具として用いられる言語を内言といいます。(一方で、コミュニケーションの道具として用いられる言語を外言といいます。)


主に言語の獲得の話になりましたが、今回はここまで。基礎心理学においての言語のことは後で追加します。
参考↓


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