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コンサルテーション

臨床心理学でいうコンサルテーションとは、臨床心理学の専門家(コンサルタント)が、心理的問題を抱えたクライエントの援助に当たっている他の分野の専門家(コンサルティ)に対して、どのようにクライエントを援助したらよいのかを支援することです。例えば、不登校の生徒を受け持つ教師に対して心理士が助言するなどがあります。

コンサルテーションは、コンサルティの自由意志に基づいて開始され、コンサルタントとコンサルティの間には利害関係を築きません。
クライエントの問題解決の責任主体はコンサルティにあります。
問題解決を中心として支援が行なわれて、カウンセリングのようなコンサルティの内面の変容は目指しません。

手順は次のようになります。
①出会い:コンサルティから依頼が来ます。
②契約:コンサルテーションの目標、時間の取り決め、守秘義務のガイドライン等を決めます。
③アセスメント:コンサルタントは、対象となる問題を見つけ出し、問題の構成要因を調べます。
④目標設定:問題を同定し、理解の枠組みを提示し、現実的な目標を設定します。
⑤手段の選別:コンサルティが持っているスキルや社会的資源の利用を考えます。
⑥介入
⑦評価:問題が解決されたか、コンサルティが満足したかなどを評価します。問題が継続していれば、またアセスメントをして介入します。
⑧終結:必要であればフォローアップを約束し、終結となります。

悩みを持つ人が支えあえるようなコミュニティを作ることも心理士の役割です。その意味でコンサルテーションは大きな意義を持っていると思います。

ところで、主に熟練した心理士が駆け出しの心理士に対してアドバイスするのはスーパービジョンといいます。
スーパーバイザー(アドバイスをする方)は、スーパーバイジー(アドバイスをもらう方)が自身の問題や特徴について自己理解を深めるために、スーパーバイジーを評価します。そして、評価をもとに、スーパーバイジーの発達段階に合わせてアドバイスを出します。このアドバイスは、気が付いたことすべてを伝えるのではなく、発達と状態に合わせた適切な情報のみを伝達することが望ましいとされています。

今回はここまで。

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