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ワーク・ファミリー・コンフリクト

公認心理師試験ブループリントに「20. 産業・組織に関する心理学 (1)職場における問題に対して必要な心理的支援」という項目があり、キーワードの例にワーク・ライフ・バランスがあります。
ワーク・ライフ・バランスとは、仕事と家庭生活を上手く調和させることを指しますが、これはなかなか難しいことです。今回はワーク・ファミリー・コンフリクトの話をします。

ワーク・ファミリー・コンフリクトとは、仕事と家庭での役割がお互い両立不可能になった時に生じる役割葛藤と定義されます。労働時間・業務量・業務負担が重いほど、このコンフリクトが生じやすくなります。

具体例を出した方がわかりやすいので列挙します。

まず仕事から家庭に対してのコンフリクトです。
・仕事のせいで夫婦関係が悪い、夫婦でゆっくり過ごす時間が無い
・仕事のために子どもの世話が十分にできない
・仕事が忙しくて家事をする時間が少ない、家事ができない
・教員が、家庭で子どもに対して、親としてではなく教員として接してしまう

そして家庭生活から仕事に対してのコンフリクトです。
・配偶者の希望で十分働くことができない
・夫/妻としての役割を果たすことに疲れて仕事がおろそかになる
・子育てや介護のために仕事量を減らさざるを得ない
・家事に疲れて仕事に集中できない
・子どもが熱を出したので会社を早退して迎えに行かなくてはならない

近年、ワーク・ファミリー・コンフリクトの問題は生じやすくなってきています。その背景には女性就業の増加、仕事で圧力をかけられている、自由時間が少ないといったことがあります。
心の健康のためにも、生活水準の維持・向上のためにも、心理士としてどう支援できるか考えることが必要そうです。

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