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集団療法

クライエントと心理士の一対一関係ではなく、一人または複数のグループ担当者が複数のクライエントに対して心理援助を行なうのが集団療法です。
クライエントは心理士だけではなく、他のメンバーとの関わりを持つことになります。

集団療法特有の治療因子として、Yalomらは次の11項目をあげています。
①希望をもたらす
②メンバーの普遍性
③情報をやりとりできること
④他のメンバーを大切にする
⑤社会適応能力を育むことができる
⑥模倣行動が起こる
⑦カタルシス
⑧初期家族関係の修正的繰り返しが行なわれる
⑨実存的
⑩グループの凝集性
⑪対人学習

メンバーの心理的成長を目指すもの、共通した症状や問題行動の修正を目指すもの、対人関係の改善を目指すものなど、それぞれの目的に応じた集団療法があります。いくつか例を出します。
集団精神療法はグループ・サイコセラピーとも呼ばれ、一定の期間に決まった場所に集まり、個々の治療的変化を目的とします。
トレーニング・グループは、対人関係を学ぶ場です。SSTなどがこれにあたります。
心理劇では、心に抱えている問題を演じ、表現させる即興劇をします。
グループ・カウンセリングは、比較的健康度が高い人が対象で、小集団で対人関係や社会適応上の問題について援助します。
他に、森田療法やSSTも集団療法のひとつと考える人もいます。森田療法とSSTについては別記事で詳しく説明してあります。


集団療法の介入対象は精神症状や問題行動に限らず、最近では地域における子育て支援などにも活用が広まっているようです。

僕はひきこもりの人の居場所提供支援施設にいたことがありますが、そこではひきこもりという共通点を持った人たちが様々に交流したりSSTを受けたりしていて、それぞれが悩みながらも前を向こうとしている雰囲気があり、集団の持つ力の大きさを感じました。

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