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2024年3月11日の雑感ー2月の雇用統計は予想を上回るも、経済の弱さがみられる理由。米国株は今からでも買えるか?ー


前提として

米労働省が発表した2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増と、予想の20万人増を上回りました。

失業率は3.9%と、予想の3.7%を下回りました。1月の3.7%から悪化し、2022年1月以来の水準となり、労働市場が減速している可能性が示唆されました。

時間当たり平均賃金は前月比0.1%増と、予想の0.2%増を下回りました。1月の0.5%増から減速しました。前年同期比では4.3%増と、予想と一致しました。1月は4.4%増から減速しました。

労働参加率は62.5%と、変動はありません。一方で25~54歳の働き盛り世代の労働参加率は83.5%と、5カ月ぶりの高水準となりました。

注目点

予想を大幅に上回る雇用者数は、一見すると経済の好調さを変わらずに写しているようにみえます。しかし、2月の雇用統計には「影」だと思われるような、今後の弱含みを予感させる内容だと感じました。

例えば、これまでにも度々言及してまいりましたが、家計調査に基づく雇用者数は18万4000人の減少が確認できています。同調査に基づく雇用者数は3か月連続で、合計27万1000人減少しています。したがって、速報値では雇用者数が大幅に伸びているようにみえても、後に下方修正される可能性があります。実際に、1月分は22万9000人増と、速報値の35万3000人増から大幅に下方修正されました。過去2カ月分の雇用者数は、合計で16万7000人下方修正されたことになります。

他にも、失業率は2年ぶりの高水準となりましたが、同項目の算出は家計調査が基になっていることが影響している可能性があります。一般的には、事業所調査と比較すると対象の少ない家計調査は信頼度の低い指標にはなりますが、コロナ過で生じた歪は、事業所調査より先行して経済を示唆する内容に変化したのかもしれません。

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