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#私を構成する9枚(前半4枚)

先日、Twitterで"#私を構成する9枚"というハッシュタグがついたツイートを見かけたの。普段から仲良くしてくださっている私のフォロワーさんもこの企画に参加されていて、面白そう!と思い私も参加してみました。

⚫︎「私を構成する」の解釈と、たった9枚という難しさ

9枚か~何にしようかなとワクワクしながら選び始めたものの、気がつくと2倍近い数になっていて…これは厳選しないとダメだなと思い、その日はとりあえず寝ました笑。 その次の日も「私を構成する」を自分はどう捉えようかなと思い、歌い方のアプローチに影響を受けた歌手にするのか、それとも聴き込んできたCDにするのか、来世があるなら絶対また出会いたい1枚で選ぶのかなど、色んな組み合わせとパターンを考えましたが、今回は【個人的エピソードが強いもの】というサブテーマを自分で設定して選んでみました。
noteを書き始めると意外と分量が多くなりそうなことがわかったので、前・後半に分けました。この記事では前半4枚についての個人的エピソードを書きたいと思います。

⚫︎1枚目、delicious way / 倉木麻衣

幼少期の私は、両親のお気に入りだった2枚《TREASURES/山下達郎》《世に万葉の花が咲くなり/サザンオールスターズ》をよく聴いていて。それにしようかとも思ったんだけど9枚に入れるのは少し違う気がして。そこで選んだのは倉木麻衣さん(以下、麻衣ちゃん)です。

麻衣ちゃんを知ったのは確か小学生のとき。従姉妹からオススメされて聴き始めた。《delicious way》《If I Believe》《Wish You The Best》の3枚をよく聴いていた。If I BelieveとWish You The Bestは地元のレンタルショップでセールになっていたのを見つけて中古で買った気がする。delicious wayはMDに焼いてウォークマンでよく聴いていたんだけど、家のどこかになくしてしまったみたい。麻衣ちゃんのCDは外出の際にカーステレオでよく聴いていたな。特にk行を発音するときのエッジ感とか高音域へなめらかに移動する声の当て方が好き。歌声自体が楽曲を構成する1つの音色として存在していて、バックに溶け込んでいる感じがとても心地いいんだよな。

特に思い出があるのは<Stay by my side>という曲。私は大学生のときSoundCloud というサイトにカバーの弾き語り音源を載せていた。大学の音楽棟にあったピアノ部屋にこもって弾き語りを練習して、それをiPhoneのボイスメモに録音した。あるときStay by my sideを歌ったことがあって、それを聴いてくれた大学の先輩が「今のすごく伝わってきた、グッときた」って連絡をくださったの。それがとっても嬉しかった。換気扇のホワイトノイズが聞こえていたり、歌詞を間違えることもあったけど、それもそのまま公開していた。そのときどきに自分が感じていた想いなどを一発録りの音源に乗せていた気がする。

歌をネット上で公開しはじめたときの初心を忘れないためにも麻衣ちゃんのCDを1枚目に選んだのかもしれない。

★収録曲で好きなもの:<Love, Day After Tomorrow><Secret of my heart><Stay by My Side><Everything’s All Right><happy days>

⚫︎2枚目、FROM ME TO YOU / YUI

2枚目はYUIの1stアルバム。中学生のとき兄にアコギを借りてYUIの楽曲を練習していた。初めて聴いた曲は<feel my soul><Tomorrow’s way>あたりだったと思う。YUIの歌声の透明感は言うまでもなく、思春期のモヤモヤした心情を吐露する歌詞に共感していた。ラジオ番組や舞台裏の映像で見るYUIはちょっぴし天然で時折発する博多弁が可愛くって。でもその可愛さの裏に孤独や寂しさを抱えている少女というイメージが歌詞から感じ取れて。彼女のキャラクター性にも惹かれていた。

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中3のとき卒業前に学校でお別れ会みたいなのがあって、そこで友達とバンドを組んで<Good-bye days>と<Ready to love>を披露したのね。みんな受験勉強や課外活動などが忙しくて集まって練習したりとかほとんどできなかったから、安心して聴いてもらえるほどの完成度ではなかったと思うけど、それでも卒業アルバムに「バンドかっこよかった」「応援してる」って友達が寄書きしてくれて。初めて人前で歌ってすごく恥ずかしかったけど、自分のやりたいことがみんなに伝えられた気がして。今でも忘れられない思い出として残ってる。

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当時使っていたスコア

高校に入ってから同じクラスの子で音楽が好きな友達が数名できて、そのなかにYUIが好きな子がいて。しばらくしたら彼女はアコギを習い始めて、どんどん上手くなっていて。「アコギ教えて」ってお願いして、彼女と一緒に明石海峡大橋の見える海辺にアコギとYUIのスコアを持って遊びに出かけたこともあった。「潮風って楽器に悪いんじゃ?」と思いながらも気持ちよかったな。
あと彼女がライブの情報を教えてくれたおかげで、私も高校生のときにライブハウスに立つことができて。ヤマハ主催のコンテストにお互いソロで出場して、私はキーボードでオリジナル曲を弾き語りした。彼女は普段からライブハウスに出演して音楽活動に励んでいたこともあって、地区大会の代表者に選ばれて決勝トーナメントまで進んでいた。やっぱり行動してる人はすごいなと思った。一方、私は初めて知らない人たちの前で歌ってすごく緊張したし、カラオケのマイクでしか歌い慣れていなかったから、どれくらい声を出したらいいのかもわからず、最後まで元気に歌ったということしか覚えていない笑。でもいい思い出。YUIの音楽に出会ってから私も歌を作ってみたいと思うようになったから、2枚目はYUIの作品を選びました。

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審査員からいただいたコメントシート

★収録曲で好きなもの:<feel my soul><Ready to love><LIFE><Just my way><Tomorrow’s way>

⚫︎3枚目、Timeless / UVERworld

これも中学のとき。兄が「UVER知っとう?」って<D-tecnoLife>のMVを見せてきて、折りたたみ携帯の小さな画面で30秒ほどの動画を見た。ジャンプをしながら楽器を演奏してる姿がかっこよくて、TAKUYA∞のハスキーでエネルギッシュな声にいつの間にか虜になっていた。

幼い頃の私はピアノが大好きで。家では父がクラシック音楽やジャズをCDコンポで聴いていて。生の楽器の音に親しみがあったからか、幼少期の私は電気楽器に対して少し苦手意識をもっていた。今思えば不思議だけどたぶん音が大きくて加工されたものっていうイメージをもっていたような。電気楽器の音作りも奥深いのにね…でも中学生になってUVERやYUIのようなバンドサウンドに憧れて「ギターってかっこいいな、弾いてみたい」と思うようになった。それからは学生ノートの表紙にエレキギターの絵を描いたり、意味もなく「目指せ武道館」と書いていた。何も始まってないのに笑

あと、初めて入ったファンクラブもUVERで、人生初のライブ(プロ)もUVERだった。個人的には《BUGRIGHT》《PROGLUTION》のアルバムも数えきれないくらい聴いてきたけどUVERとの最初の出会いがD-tecnoLifeだったことと、初期のエレクトロ感が好きなので1stアルバムを選びました。

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ファンクラブの会報

★収録曲で好きなもの:<CHANCE!><トキノナミダ><just Melody><Lump Of Affection><扉>

⚫︎4枚目、<micro> / Mr.Children

Mr.Childrenは絶対入れたかった!ただ、最初の出会いはこれと言って覚えていないのよね。幼稚園の頃から毎週欠かさずMステを見ていてVHSに録画するくらい好きだったし、HEY!HEY!HEY!やうたばんとかも見ていたからたぶんミスチルもテレビで知ったかな。演奏してるときの彼らのカリスマ性も好きやったけど音楽番組に出演したときのほんわかした感じも好きだった。ミスチルに関する個人的エピソードで印象に残っているのは私が小学生のとき。兄がカセットテープに好きな曲を録音していて。それに<youthful days>が入っていた。そのカセットをカーステレオで聴くのが私は好きだった。歪んでいて温かい音やったの。あの音質のyouthful daysが好きだった。

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ベストというタイトルが付けられたカセットテープ

ミスチルのCDは兄が買ってくることが多くて、大学生の時はそのCDを借りてソニーのウォークマンで聴いていた。CDの写真を載せようかと思ったけど、兄の私物なので控えておきます笑 自分で自由に好きなアルバムを聴けるようになったのはここ数年のことでApplemusic を契約してからかな。正直ミスチルに関してはどの作品も思い出があったからどれにしようか最後まで悩んだ。兄が初めてミスチルのライブに行ったのが《HOME》のツアーで、それがきっかけで私も高校生時代はHOMEをよく聴いていたのね。<Another Story><もっと>という楽曲は寝る前に聴くというのが私のルーティーンだった。《It’s a wonderful world》も大好きで今でもよく聴くし、私が初めてミスチルのライブに行ったのは《REFLECTION》で。最終的に悩んだ結果…《<micro>》を選んだ。ふたつ目の理由は私の演奏経験からかもしれない。

大学生のとき軽音サークルでミスチルのコピーバンドを組んでいて(キーボード)色々演奏した。<micro>収録曲でいうと<蘇生><掌><sign><youthful days>の4曲に特別な思い出がある。
<蘇生>は確か出演するライブ企画の1週間くらい前から練習が始まったんかな。バンドメンバーで「ヒーヒー」言いながら頭に叩き込んだ記憶が残ってる。ボーカルの先輩から<蘇生>の冒頭に<overture>をつけてほしいといわれて。キーボードに内蔵されているレコーディング機能を使ってなんとかそれっぽい感じに耳コピをして作った。ライブでovertureを流したときみんな「何が始まるん?」ってポカーンってなってたけど笑
<掌>もライブで披露した曲。原曲の雰囲気を再現するのが最も難しかった。聴くのと演奏するのとではやっぱり違うなって初めて気づいた。生ドラムにシンセのシーケンスを被せてみたけど、うまくいったかよく分からない。ミスチルのバンド練のときは先輩が「もっとキーボードの音出していいで」っていつも言ってくれて基本的に出力大きめだったけど…たぶんボーカルと音域被っていて歌いにくかったと思う笑  

<sign>はライブハウスで演奏した1曲なんだけど、イントロとアウトロでピアノが目立つから血の気が引くほど緊張したのを今でも覚えている。1音でも外すと台無しよ!絶対間違えたらあかんって思って毎回の練習に挑んでいた。ライブハウスは曲と曲の合間は照明が暗転していることが多くて、演者はあんまり手元が見えないのね。あの暗闇のなか鍵盤の位置を定めるのは意外と大変で。だからこそ目を閉じても弾けるくらい練習しておかないといけなくて。ただ一回のライブで5曲とか覚えると、どの曲が黒鍵何個使うんやったっけってなる笑 いつもライブは緊張MAXの私だけど、signを演奏したときは変な汗をかいた笑 
<youthful days>もいつの企画か忘れたけどライブで演奏した曲。何の曲やりたい?って先輩に聞かれて「youthful daysは絶対いつかやりたいです!」って言った気がする。<Marshmallow day>とか<End of the day>に比べるとキーボードの音色や手数は少なくて、基本的にストリングスとエレピだけ。まぁ、あの2曲がとてつもなくせわしないというのもあるけど笑。

youthful daysに関しては余裕があったからコーラスもしたと思う。ライブでやるとき「『乾杯!』のところ、ライブの桜井さんみたいにしてください」って先輩に言った気がするな。最初バスドラで始まって観客に手拍子してもらったんだっけな。やっぱりyouthful daysはアマチュアの私たちがコピーバンドで演奏しても、ライブですごく盛り上がる楽しい曲だ。

あと<micro>にした理由がもうひとつある。
私は大学と大学院生のときにMV(ミュージックビデオ)を研究していたんだけど、歌手やアイドルのMV集というものを研究資料として集めていたときがあり、そのなかに映像作家の丹下絋希さんの作家集(DVD)があったの。この作家集が世に出たのは2009年のこと。海外ではDirectors Labelという作家ごとにMVを集めたDVDが2005年あたりから発売されていたり、日本でもここ数年MVが注目されはじめ、雑誌で監督特集が組まれるほどにはなってきたけど、当時の日本ではこういった形を残す監督はいなかった。CINRAのインタビューで丹下さんがおっしゃっているように、彼はMVを「作品」として見てもらうことを望んでいた。日本のMV業界において実験的な試みを比較的早い段階で起こした稀有な存在だったと思う。
<くるみ>のMVを初めてテレビで観たとき、釘付けになったのを覚えている。「え、Mr.Childrenの結成って実はこうだったの?」といい意味で騙されそうになった笑。目一杯に涙をためた役者さんの顔のクロースアップと、ラストカットの桜井さんの表情が好きで。何度も見返してしまう作品。

丹下さんがMVを手がけたミスチル楽曲だと<Worlds end>も<箒星>もメッセージがあって大好きなんだけど、くるみをここで取り上げた理由としてはもうひとつ個人的な思い出があって。
2020年4月、Twitterで#うたつなぎというハッシュタグが流行っており、私にもバトンが回ってきたの。なんでも好きな歌を歌ってよくて、音楽が好きな自分のフォロワーさんにそのバトンを回していくのね。そのころの私は毎日仕事が大変で、気持ちも塞ぎ込んでいて。いつまでこんな生活が続くんだろうと思うと正直苦しかった。そんなとき大学の先輩から歌のバトンが回ってきて。いまの自分は何が歌えるんだろう、どんな言葉を伝えたいかなって思っていたら、自然とくるみを口づさんでいた。私にとって特別な1曲なんだと思う。

これまで見てきたように、<micro>を選んだ理由は私がバンド活動に打ち込んでいた学生時代に1音1音に耳をすまして聴きこんでいた作品群が収録されている1枚であり、個人的な思い出も色濃く残っていたから。だからこれを4枚目に決めました。

★収録曲で好きなもの:全曲大好きです。


…というわけで、前半4枚の個人的エピソードを書いてきました。振り返ってみると実際に演奏した経験が自分にとっては「私を構成するもの」として重要な気がします。また後半5枚のエピソードについてもぼちぼち書いていこうと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

寒くなってきたね。

またね。





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