読書録【スモールワールズ】全私がどよめいた。力強く引き込まれる。惚れ込むこと間違いなし!注目の作家さんがまた増えました。
一穂ミチ著、講談社、21年4月刊行予定
まずはプルーフにて先読み&初読みさせていただきました。
ありがとうございます。
このパステルカラー!可愛らしい!
BL作家さんの一般文芸作品ということで、凪良ゆうさんの例もありますし、もともとやおいとかさぶ、ジュネの時代からBL大好きなこともあって、ワクワクしながら読み始めました。
…………………
そして読んだ直後のツイートがこちら。
さっきまで来年刊行予定のあるプルーフを読んでいて例えようもないパワーに圧倒される。鳥肌が立ち、足が震える。全私がどよめいている。落ち着け私。
とんでもないものをありがとうございます。少し突き放したような乾いた文体も大好きです。新たな才能との出会いは本当に嬉しい、楽しみです。
語彙力乏しくてお恥ずかしい………
実はとある病院の待合いの片隅で読んでいたので、そばに居合わせた人たちには何だこいつ、と思われていたかもしれません。一気に読み終えてしまいました。
とにかく文章が力強いんです。
繊細なテーマを読み続けられるこの安心感。揺らぐことのない安定感。ぐいぐい強引に引っ張られるのではなく、あくまでどっしりと構えて、さあどうぞ、どっからでもいいよ、と腕を広げて待ってもらっている感覚。
ああ素晴らしいです私にとって何より大事(≧∇≦)b
またお気に入り作家さんが一人増えました。
三篇それぞれどんな話かというと
・ネオンテトラ
ゆるゆるとした序盤、何気ないやり取りに不安定さがつきまといつつ、徐々に不穏な気配が忍び寄って来る第一話。
その発想は!のラスト!
ここまで人は「幸せ」を追い求める生き物なのか………。
・魔王の帰還
姉が出戻ってきた。ただそれだけのこと。なぜ………?
とにかく規格外で破天荒な女性が戻ってきた理由がせつなすぎる第二話。
じわりじわり、そしてある場面で一気に涙腺崩壊(`;ω;´)
・ピクニック
娘が出産し、ある事情から赤ん坊を預かることに。そして事件が起こる第三話。その元を辿れば……。
背筋がゾワゾワし始めるともうページをめくる手がとまらない、ラストを読んだ者にしかわからない真相に、ただただ頭を抱え込むのみでした…………。
それぞれ味わいの違う三篇。
共通するのは家族。「共に生きること」でしょうか。
このプルーフに収められた以外に三篇が追加され、4月刊行予定。それまでに、過去作品もぜひ読んでおきたいです。
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