まあきお

2021年2月23日。母が癌で亡くなりました。 まあるいきおくを たぐり寄せて あつめ…

まあきお

2021年2月23日。母が癌で亡くなりました。 まあるいきおくを たぐり寄せて あつめて ことばを綴っています

最近の記事

もしもし

「もしもし〜、おかあさん?」 どうしようもなく辛い時 悩んでいる事がある時 何か言いたい事がある時 そう、つぶやく。 そう、つぶやいてから自分の想いを独り言で声に出す。 お母さんが亡くなってから1年3ヶ月。 3年前ドイツに嫁いだ私。 ここドイツから電話していた頃のように 最近そう、つぶやいている。 寂しさで涙が溢れてしまう。 それでもあの時のように お母さんに電話をして声を聞きたくて、たまらない日もあるから 何度も何度も 「もしもし?お母さん?」 まだ消せないままの

    • 人生最大のウソ

      母の卵巣癌が見つかってから、ほどなくして最初の手術が行われた。 卵巣に住み着いた悪いものを全部取ってくれる。長丁場になるけど私も父も姉も、そして母自身もこの手術で癌が取り除かれるもんだと思っていた。 手術室へ向かう母を3人で見送り、これを乗り越えればきっとうまくいく。心配性な父が暗くなりすぎないように私は努めて普段通りの感じで待っていた。医者の説明では7.8時間かかると聞いていたので気長に待っていたが3時間程で突然、寝台に乗せられた母が戻ってきた。 "早くない?" 3人

      • それでも日は昇る

        朝4時のアラームで起きた主人を確認して少し布団の中で考えていた私。 今、伝えようか? "お母さんが…さっき死んじゃったって" そう口に出した途端また涙が出てきた。心配して寄り添ってくれて仕事を休んだ方が良いかと聞いてくれたけど 大丈夫と言って断った。 そんな時、実家に着いた姉からSkype着信。日本からわたしの暮らすドイツへ。今の世の中本当に便利になったものだ。こんなに遠く離れていても画面越しに母の亡骸を見る事が出来た。見た瞬間"お母さん、ありがとう"と言って涙が止ま

        • お母さん

          2021年2月23日。 私のお母さんが亡くなった。 卵巣からの腹膜播種の癌が分かってから2年と半年の闘病生活だった。 私は41歳。 国際結婚をしドイツに住んでいる。 まさか自分が41歳で母親を亡くす事になるとは これっぽっちも想像していなかった。 そしてその最期に立ち会えなかった事も。 その知らせを日本で暮らす姉から聞いた時は 涙も出なかった。 とにかく葬儀はどうするかの話をしながら "お母さんラクになったんだ、これで大好きなビールが飲めるね"とどこかホ