もやっと、ぬるっと回復した話
私の「回復」は、分かりやすい直線グラフではなかった。とはいえ曲線という感じでもなくて、というかそもそも線状の印象もなくて、なんというか、もわっと、ぬるっと治った感じ。ふと気づけば回復していた、そんな感覚だ。
大きなパニック発作は、認知行動療法を始めて最初の半年ぐらいでほとんど出なくなっていて、あと寛解までの1年半ぐらいは予期不安との戦いだった。あ、もちろんプチ発作的なものはちょこちょこあった。しかし思えば、回復に至る過程で「最近不安感じなくなってきたなー」などと噛みしめるようなことはなかった。どちらかと言うと、「いつどこで発作が出ても対処する自信がついてきたなー」という感じ。発作いつでもこいっ! どんとこい! な感じ。不安や緊張、発作手前みたいなもろもろの症状を、けっこう”受け入れて”いたと思う。いや、受け入れるというとちょっと達観めいているが、なんというかこう、「出るのはしょうがない、疾患だもの」という感じ。そういや「おや、寛解したかも?」と思う直前まで、自分の状態を「治療なう(古)」だと思っていた気がする。
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