「歌詞、2パターン書いて別の曲にしてもいいですか？」―無色透名祭Ⅱに寄せて
こんにちは。
作詞の話をしに来ました。
今回は、1つの曲に2つの歌詞を書いたというお話です。
私の世代だと倖田來未さんがそんな曲を出してましたね。
え？年齢の話はやめてください。
1つ目の歌詞
先日ニコニコ動画で行われていた「無色透名祭Ⅱ」というイベントをご存知でしょうか？
そこで投稿される曲は全て制作者名が明かされず、曲のMVも白背景に歌詞の表示のみ。
純粋に曲との出会いを楽しみましょう、というイベントです。
そのイベントに投稿する為に制作された曲がこちら。
歌詞全文はこちらです。
無色透名祭というイベントで聴くからこそ意味がある曲にしたい、と思いながらこの歌詞を書きました。
デモを聴いた一発目、頭サビ出だしのメロディが「もういいよ」に聞こえて。
「ああ、無色透名祭という白い世界（MVが真っ白だから）で、かくれんぼ（名前が出ないから）してるんだな」って思って。
そこに、「良い曲だって埋もれてる」というボカロ界のジレンマも重なって見えて。
ねえ、君は僕を見つけてくれますか？
願いにも似た叫びが、誰かに届くといいなと思いました。
ちなみにタイトルの“シェドゥーブル”は、フランス語で「傑作」
サブタイトルの“caché”は「隠れた」という意味。
イベント中に見つけてくださった皆さん、ありがとうございました。
さて、イベント終了後は「本人投稿版」として、名前を明かし、MVもつけて曲が公開できるんですが。
この曲をそのまま公開しても意味がないと思いました。
だって「無色」だからこその歌詞にしたんだから。
だから作曲のCOBAさんにお願いしたんです。
「歌詞、2パターン書いて別の曲にしてもいいですか？」
2つ目の歌詞
ご快諾いただいたので、1つ目と平行して2つ目も書きました。
それがこちらの曲。
歌詞全文はこちら。
サブタイトルが消えた版です。
こちらは「無色透名祭を経ての曲」にしたいと思いまして、
・無色版と共通のワードを使いつつ
・歌詞の一部を変えただけではなく完全に違う曲にしつつ
・無色透名祭を経ての曲になるようにしつつ
・COBAさんがデモ制作時に考えていたフレーズも使う
というなかなかチャレンジングな制作になりました。
ぶっちゃけ超楽しかった。
「見つけた」
白い幕を取り払って
鮮やかなその言葉をくれて ありがとう
未視聴の方はぜひ「みーつけた」しに来て、かくれんぼを終わらせてあげてくださいね。
もちろん、こんな事情を知らずに聴いても良い曲になっているのが一番良いんですが。
制作上の思惑がうまくいっているかどうか、いつもの通り聴いてみていただけると嬉しいです。
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