【AD体験記】ADってお給料いっぱいもらえるの?
どうも、まるです。
今日はADのお給料についてお話ししていければと思います。
僕がテレビ局で働いていた時に、旧友や知り合いと話した際、
「大変そうだけど、お給料結構良さそう」と言われたことが何度もありました。
世間のイメージはそんな感じなんだな、と思いつつ、実態は…。
1.ADのお給料
まず単刀直入に申し上げますと、
ADのお給料はクソ低いです。
「え!」と思われる方も、「やっぱそうなんだ」と思われる方もいらっしゃると思います。
クソ低い、というのは何を基準に申し上げているかというと、
その業務内容、労働時間、休みの少なさを天秤にかけると、クソ低いという意味で申しております。
業務内容については、こちらの記事を読んでいただけますと嬉しいです。
日々の業務をこなしていると、当然のことながら夜遅くまで働いたり、泊まりがけで働かなくてはならなかったりします。
そうすると必然的に労働時間は伸びていきますね。
世間では「働き方改革」が推奨されていますが、テレビ局もそれに伴い、しっかりと労働時間は各スタッフが記入します。
しかし、バカ正直に記入すると当たり前のように残業時間や時間外労働の時間が長くなります。
そうなると偉い人に呼び出され、労働時間の「調整」をすることになります。
この「調整」が入ることにより、スタッフの労働時間は健全を保たれます。不思議ですねぇ。
僕はこの「調整」をするのが面倒だったので、ハナから実際の労働時間は記入していませんでした。
さて、実際の労働時間はものすごい数字を叩き出しているわけですが、仮にADのお仕事が時給1000円のアルバイトだったとして、労働時間に換算すると、結構な金額が手に入ります。
しかしADはバイトではないので、固定給から保険だったり年金だったりが引かれた金額を頂戴することになります。
ここで大事な前提があるのですが、
テレビ局にいるスタッフのうち、8〜9割はそのテレビ局の社員ではありません。
ではどこの人間かというと、制作会社と呼ばれる別の会社から出向(派遣をイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません)する形でテレビ局で勤務します。
僕も制作会社から出向していました。
つまり、テレビ局から直接お金をいただくのでなく、テレビ局から制作会社にお金がわたり、そこから自分の手元に降りてくる、といったイメージです。
では、実際に僕がいただいていたお給料を発表しましょう。
3年間、毎日一生懸命働いてこれです。
低すぎませんか?
前述した時給1000円のバイトであれば、交通費等々併せて手取りで25万円くらいもらえるはずです。
時給1000円のバイトよりお金をもらえない。これがADのお給料の実態です。
2.お給料の出どころと差
ではそもそもお給料はどこからいただいているのか、というお話にうつります。
先ほど少し申し上げましたが、お金の流れは
テレビ局(所属している番組)→制作会社→自分の手元
となっています。
テレビ局が制作会社にどれくらいの金額を渡しているかというのは分かりません。
これはもっと偉い人たちが決める話なので、一介のADがわかる由がありません。
しかし、ここに驚きの事実があるのです。
実は制作会社にも、規模の大小、力の強弱があったりします。
例えば同じテレビ局に何百人ものスタッフを出向させている制作会社は、テレビ局に与える影響力は大きいですよね。逆もまた然りです。
この力関係だったり、今までの関係性だったり、そういったことも鑑みて、テレビ局側は制作会社にお金を渡します。
つまり同じ番組にいても、制作会社が違えば、給料が異なる可能性があるのです。
自分の方があいつより絶対働いてるだろ!と思っても、自分の方が給料が少ないなんてこともあります。これは驚きですよね。
3.お給料の搾取
強烈な見出しだと思いますが、どこで搾取されるかと言いますと、そう、制作会社に搾取されるのです。
テレビ局側としては、前述したように制作会社との関係性もあるので、明らかに低い金額しか制作会社に渡さない、ということはないはずです。
ではなぜ手取りがあんなに低いかというと、制作会社の偉い人に持っていかれるからなのです。
制作会社は、とにかく人を派遣することでテレビ局からお金をいただき、そのお金を元に会社を動かします。
テレビ局から制作会社にどれくらいの金額が支払われているか分からない以上、制作会社が社員に渡すお金は、制作会社の偉い人が決めることができます。
例えば、単純計算ですが、
テレビ局側から1ヶ月あたり50万円支払われているとしたら、そのうち20万円だけを社員に渡すことにより、会社として30万円の利益が出ますよね。
本来50万円稼いでいたはずなのに、なぜか20万円しか働いていないことになる。
おかしいですよねえ。
なお、有給なんてものは存在しません。
また、一人暮らしをしている人にも住宅手当が出ないことなんてザラです。
ひどい場合だと交通費も出ません。
これが、制作会社に勤めるということなのです。
ちなみに、テレビ局の社員として働いているADはめっちゃ貰えます。
いかがでしたでしょうか。
夢もへったくれもない話ですよね。
働いても働いても金にもならないし、出世には時間がかかる。ADとはそんな職業です。
ただ、ADは悪いことばかりではありません。
こんなにヘイトが溜まっている僕でも3年間続けられたということは、良いこともあるのです。今度は希望のあるお話をできればと思います。
それでは。
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