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あの時の後悔した選択があったから、ようやく自分に優しくなれたのかもしれない

「迷ったときはきっとどちらの道を選んでも後悔する。それなら難しいと思う方を選ぶ。そうすれば楽をしたという後悔は減らせるはずだ」

高校生の時、担任の先生が言ったこの言葉は、今でも私にとって大切な指針となっている。

続けてこんな言葉もくれた。

「世の中はさ、何かと結果を求めてくるけれど。自分だけは結果だけで判断しないようにしてあげなさい。過程の中で自分が感じたことやつまづき、変化こそがあなたの大切な礎になるんだよ。」

この言葉があったから、選択できたことがたくさんある。

もちろん難しい方を選ぶのだから、楽な思いができないことも多かったけれど。それでもあの選択があったから今の自分に出会えたと思っている

とはいえ、選択している最中の自分は、本当にこの選択でいいのかと不安になり、漠然とした怖さを感じ、「もう前に進めない」と立ち止まり、動けない時だってたくさんあった。

きっと選択の答えは、その場で見つかるものではないのだろう。選択するという行動は、少し先の未来の自分のためのギフトのようなものなのかもしれないとも思う。

過去の経験も選択も。全て意味のあるものにできたなら。実際はそんなにもうまくはいかない。

私自身、経験の中で後悔している
「あの時の選択」がたくさんある。

でも、小さくても、
どんなにささやかでも

諦めずに毎日たくさんの選択をしてこれたから、
「今の私」がいる。

だから、書こうと思った。

今の私から
立ち止まる勇気を持てなかった過去の私へ。

そして今、似たような境遇にいるあなたへ。


休職をした。仕事を辞めた。

私は体調を崩して1年間休職していた時期がある。

そして休職期間の満了を待たずに私は会社に復職せず、会社を辞めた。

理由はただ一つ。復職できるほどの体調の回復が見込めなかったから。

これは、自分で選択したのではなく
もはや、そうせざるを得なかったともいえる。

今でも後悔している。大事な道の分岐点で自分で選択できないほどに弱ってしまっていたことに。

銀行員という仕事を手放すことの怖さ。

それなのに、
いまだ働くことができない自分の体。

目の前にある現実が怖さをより増幅させ、
不安をより強くしていく。

過去の私は、立ち止まる勇気を持てず
うつ病になった。

不安障害やパニック障害も併発しており、生活そのものが困難な状態まで自分を追い込んでしまっていた。

このタイミングよりも少し前に。
勇気を持って立ち止まることができてたなら……。

失敗した選択から学べることだってある。
失敗したと思った選択でさえ、
今の自分につながる大切な道の途中なんだ。

休むという選択肢をどうか忘れないで。
今、立ち止まることは怖いことかもしれない。

立ち止まるくらいなら
動き続けたほうが気が紛れる。

そんな感覚にだってなるよね。

でもね、
立ち止まるからこそ見える景色は絶対にある。

何よりも
動けなくなってからじゃ全部が遅いから。

今の私から過去の私へ

2つの選択肢に迷った

私が休職をした日から遡ること2年前。

「新しく営業係になる」
「ずっと帰りたかった地元に戻る」

この2つの選択肢に迷っていた。

直属の上司からは営業係への打診をされていた。その場合は今の支店(関東)にステイすることになるため、しばらくは地元の新潟県で働くことは難しい。

一方、会社の役員からは入社当時から帰りたいと願っていた地元新潟県の店舗へ異動してもらえないか?との打診を受けていた。この場合は職種はそのまま。

私が選択したのは上司の打診「営業係になる」だった。今いる店舗で営業係として成長したいと決めた。

これまでの窓口でのコミュニケーションからお客さまのお宅に伺って信頼関係を築くのはまた違った難しさはあったものの、人の話を聴くことが好きな私はそこまで営業係に不向きではなかったのだと振り返れば思う。

迷ったけれど、
チャレンジして本当に良かった。

「目黒さんに話を聞いてもらったから、運用してるもの整理できたよ」
「親身に話を聞いてくれる営業さんでよかった」

自分の得意が活かせている感覚もたくさんあった。今よりもっと出会う人のために自分が寄り添える人になりたいと本気で思った。

お金という人生の大切な部分を信頼して
任せてくれる方々との出会いは今の私にとってもかけがえのない経験。

きっとどちらもすごく迷ったよね。

地元に帰りたい気持ちで入社してたわけだし、
このタイミングで戻らなかったらきっと帰れなかったと思う。

それでも、「今できるチャレンジを」という気持ちで、1つの選択ができたこと、私は誇りに思っています。

紛れもない、後悔のない選択だったよ。

今の私から、過去の私へ

身体の違和感。見て見ぬふりをした

営業になって2ヶ月ほど経った頃。

営業係の打診してくれた上司が異動になった。そして新しい上司が異動してきたのだが、このタイミングで支店全体の雰囲気は大きく変わった。

きっとこれは、誰が悪いわけでもない。

ただ、私の営業スタイルや当時の支店のスタイルとはかけ離れたタイプの方が異動してきた。それだけ。

この辺りから少しずつ体調の優れない日が増える。

偏頭痛がひどくて朝起きるのがつらい。
内科へ受診し、精密検査を促されるほどに頭が割れそうな痛みを抱えながら毎日を過ごしていた。

ちなみに、精密検査の結果は「緊張性頭痛」とのことで、毎日気を張り詰めていたからだったそうだ。要はストレスからくるものだった。

しかし、私はこの時リラックスできる時間を十分に取りましょうと言われても、「ゆっくりお風呂入ってるし、ご飯も食べれてるし大丈夫」とそこまで重く捉えていなかった。

しかし、この体調不良を1年間抱え続けたまま、休むことを選択せずに過ごしていた私は突然、朝になったら全く体が起こせなくなっていた。

心身の不調は、
まず体から何らかのサインが出る。

心の不調は目には
見えないから気づきにくいんだよね。

だから体が目に見える(体験できる)形で
心身の不調を私に伝えてくれている。

その眠れないほどの頭痛は、
体が必死に助けを求めているサインだよ。

だからこそ見て見ぬふりをするのではなく、
「少し休もう」と
ここで勇気をもって選択をしてほしい。

大丈夫。
少し休んだらきっとまた歩き出せる。

今の私から過去の私へ

休むんじゃなくて、どうすればいいか教えてよ

体がいうことを聞かない現実から目を背けて、
私はまだ自分に鞭を打とうとしていた。

体を起こせなくて仕事に行けないのは困る……。

心療内科に行けば体が動かせる方法がわかるかもしれない。と考えた私は体が起きない状態になってからはじめて、体を引きずりながら心療内科へ行った。

先生は当たり前のように
「今すぐ休職して休んでください」と言う。

至極真っ当な診断結果だ。

しかし、当時の私は休む選択肢が自分の中になかった。

そのため、「休めないから困っているんです。休む以外の方法を教えてください!」と、病室なのに大声で泣き叫んでいた。

叫ぶつもりも泣くつもりもなかった。
体が限界だったんだと思う。
もう制御が効かなかった。

客観的に見れば相当追い込まれている証拠なのだが、全く自分では気づけていないから不思議なものだ。

そして、自分よりも周りが必死になって動いた結果、私の休職生活はスタートしたのだった。

周りが頑張っているんだから
もっと頑張らなきゃ。
自分はまだここでへこたれていられない。

そんな風に、自分を追い込んでいないですか?

昨日の自分と比べてみてごらん。
今日の自分ができたことは
きっとたくさんあるよ。

自分の大切な成長と変化を見落とさないでね。
どんなに小さくても頑張っている
その事実はちゃんとそこにある。

今の私から過去の私へ

気持ちも身体も休めるための選択を

仕事をしていないから十分に休めるかというとそうではなかった。

休職中の私は自責の念しか生まれない毎日を送っていたため、自己肯定感は皆無。

頭の中では常に自分を責める声が聞こえてくるし、周りに迷惑をかけてしまったと自分の情けなさに嫌気がさす。

休みはじめて数ヶ月たった頃にふと考えた。
今の自分ができることはなんだろう?

横になって何もできないままの自分と毎日向き合うことからとにかく逃げ出したかった。

でも、自分と向き合うことをやめてしまったら、
全てがどうでも良くなってしまいそうでそれも怖かった。

だから、どんな自分なら私は自分を褒めてあげられる…?と自分に問いかけた。

何度も何度も手帳の中に書いて考えてたどり着いたのは「達成感」「成長」が感じられる時間を過ごすことだった。

今思えば、まずはゆっくり休んで…とも思うけれど、当時の私には荒療法ともいえる「学び続けること」が合っていた。

学びをきっかけに少しずつ自信の芽を取り戻すことができた。

逃げるんじゃなくて、自分に問いかけるという
少し苦しい選択肢を選んでくれてありがとう。

その問いかけがあったから、
今の私がいるんだよ。

選択することは時に無意識にしているもの。

きっとその無意識の選択は、潜在的な
「このままの自分じゃなくて変わりたい」
を叶えるための一歩だったと思っているよ。

今の私から過去の私へ

小さくてもいいからできたを積み重ねる

学びは1人でもできる。
動画を見たり書籍を読んだり。

誰にも邪魔されない自分だけの時間を過ごすことができた。

特別すごい資格をとるとか、そんな大層なことは今の自分にはできなくていい。

新しいことを知っていく。
知らない世界が少しずつ見えてくる。

それだけでも自分のことを信じてあげられるようになっていった。

無料のセミナーに参加してみた
本を読んでインプットしてみた
学んだことを音声配信してみた

全部全部、誰かのためにではなくて自分のためにできたこと。この「できた!」があるだけで自分のことをたくさん褒めてあげられた。

自信って、そういうことなのだろう。

「自分ならきっと大丈夫。」
そう信じてあげられることこそが豊かに穏やかに生きる上できっと大切なのだと私は思う。

自分が「できた!」と感じられるために
今日の私は何をしたい?

そんな風に生きる中での数多にある選択肢
一つひとつを大切にできるようになったのは、

この時の選択と選択をしたことで自己受容感が得られたからかもしれない。

ありのままの自分が嫌い?
自分だからこそ、
嫌な部分はたくさん目につくよね。

自分の全部を受け入れられないのなら、
「憎めないところ」探しをしてみて。

『物事を覚えることが苦手だし、人よりも劣ってる。でも、人に伝えようと一生懸命な一面もあるから憎めない。』

ほら。捉え方を変えてみたら
ほんの少しだけ
自分の見え方だって変わるかもしれないよ。

今の私から過去の私へ

自分から他の誰かへ

うつ病になってからは、

誰かと美味しくご飯を食べるのも、
楽しいことをシェアするのも、
時間を忘れてしゃべり倒すことも。

全部忘れてしまった。楽しくない。
誰かといるときの自分が自分じゃないように思えて誰にも会えない。会いたくなかった。

そんな負のループに入り込んでいた私だったが、

学びを深めるうちに得た知識や情報を「この人にも教えてあげたいな」「自分と同じように苦しんでるなら、自分が救われた考え方や言葉を届けたいな」なんて、

おこがましく学びの先に「他の誰か」を想像することが増えていた。

学びが人との繋がりをもう一度思い出させてくれたのかもしれない。

そして、この「他の誰かへ届けたい」という気持ちが「ライター」という働き方に興味を持つ大きなきっかけにもなった。

「学び続けて、自分のできたを積み重ねていこう」この選択があったから、今の私は複業フリーランスとして生きているのだと思う。

自分のためにもっと時間を作ってもいいんだよ。

自分のためだと思っていた時間は
思いもよらない形で
他の誰かの力になれることだってある。

学ぶことに限らず、
心が穏やかになれる
自分だけの時間ちゃんと取れていますか?

自分のための時間を後回しにしないであげて。

もしやりたいことが思いつかないなら、
やりたいことを考えるための
自分時間を作ってみてもいいかもね。

今の私から過去の私へ

選択の連続。だから今の私がいる

休職をした。
あの日から約2年が経った。

今の私は、先月ちょうど主治医から卒業宣言をもらった。ようやく念願の病院へ通わなくていい暮らしになった。

ずっとずっと自分が願っていた暮らしを実現できた。そして仕事もできていて、フリーランスになって自分が豊かだと思える生活を送っている。

とはいえ、人から見たら決して豊かな暮らしではないかもしれない。でも、私にとっては心から満足できる豊かな暮らしだ。

自分が満足できるくらいの収入を得て、大切な人と話をして笑って、家族に会ってご飯を囲む。時間を味わうように大切に過ごす。

これができるだけで私は十分なんだ。

自分が幸せを噛み締められている。
そんな日常が私には本当に大切なんだ。


人と関わることなんてもう二度とできない。
自分なんて社会で生きていけるほど強くない。

そんな風に、何度も自分に×印をつけては自信を失っていた。

でも今の私は小さなできたことにも目を向けて、
「今日も頑張ったよね、このくらいできたんだからOK!」「明日の自分はどんな経験ができるかな?」と前向きに捉えられるようになっている。

考え方を変化させるのは、簡単にはできない。

でも、自分のなりたい姿や変わりたいという想いがあれば、ちゃんと考えや行動を少しずつ変容させていくことはできる。

こんな風に、今の私が思えているのも
過去の私が失敗し、がむしゃらになって選択を続けてきたからこそなのだ。

今、私が日々している
大きな、あるいは小さな選択。

きっと未来の自分が見たら「あの時の選択のおかげだよ」なんて言ってもらえるのかもしれない。

そう思えたら、今の私にできることはやっぱり
「迷った時には難しい方の選択肢を選ぶ」なのだろう。

やらなかった後悔、楽をしたという後悔ではなく、やったからこそ得られた体験を大切にしていきたい。

時に立ち止まり、ゆっくりと深呼吸をしながら、周りの人の声に耳を傾けて……。

大丈夫、自分のペース配分で
一歩ずつ歩いていこう。

生き急がずに、自分にとって特別で豊かな。
心穏やかな暮らしを守っていこう。

そう。
これは未来の自分のためにできる大切な選択だ。

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