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じげんFY24/3通期決算概要

この記事では、株式会社じげんの2024年3月期通期決算説明会資料を元に、同社の概要を分析します。

じげんは、テクノロジーを活用したライフイベント領域プラットフォーマーです。M&Aを成長戦略の柱とし、HR領域や住まい領域、旅行領域など多岐にわたる事業を展開しています。2024年3月期は増収増益を達成し、今後の成長戦略や財務状況についても言及されています。

本資料を読むことで、じげんのビジネスモデルや成長戦略、今後の展望を理解することができます。M&Aを積極的に活用する同社の戦略や、各事業領域における強みと課題を知りたい方にとって有益な情報が得られます。

会社概要

株式会社じげんは、「UPDATE YOUR STORY~あなたを、未来に。」をパーパスに掲げ、テクノロジーを活用したライフイベント領域プラットフォーマーとして事業を展開しています。2006年に設立され、2013年に東証マザーズに上場、その後2019年に東証一部に市場変更しました。

対象市場・競合状況

Vertical HR(HR領域)

美容・ヘルスケア、介護、建設、不動産、製造、物流など幅広い業界を対象に人材紹介、求人広告メディア、人材派遣事業を展開しています。市場規模は拡大傾向にあり、特に介護や建設領域では人材不足が深刻化しているため、成長の余地は大きいと考えられます。競合は、リクルートやパーソルキャリアなどの大手総合人材会社に加え、各業界に特化した専門人材会社が存在します。

Living Tech(住まい領域)

賃貸、海外不動産、リフォーム、エネルギーなど、住まいに関するサービスを提供しています。市場規模は大きく、少子高齢化や住宅ストックの老朽化などを背景に、リフォームやリノベーションの需要が高まっています。競合は、LIFULLやSUUMOなどの大手ポータルサイト、リフォーム会社、エネルギー会社など多岐にわたります。

Life Service(旅行・その他領域)

旅行会社向けのホテル予約システムや総合旅行ECサイトなどを運営しています。新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、回復基調にあり、今後も成長が見込まれます。競合は、楽天トラベルやじゃらんなどの大手旅行予約サイト、航空会社、ホテルチェーンなどがあります。

事業概要

Vertical HR(HR領域)

各業界に特化した人材紹介、求人広告メディア、人材派遣事業を展開しています。強みは、業界に精通したコンサルタントによる質の高いマッチングと、独自開発のマッチングテクノロジーを活用した効率的なサービス提供です。

Living Tech(住まい領域)

賃貸ポータルメディア「スモッカ」や海外不動産エージェント「セカイプロパティ」、リフォーム料金比較メディア「リショップナビ」、プロパンガス料金比較メディア「エネピ」などを運営しています。強みは、各サービスにおける集客力と、マッチングテクノロジーを活用した顧客体験の向上です。

Life Service(旅行・その他領域)

旅行会社向けのホテル予約システムや総合旅行ECサイトなどを運営しています。強みは、豊富な旅行商品と、顧客のニーズに合わせた最適なプラン提案です。

経営戦略

M&A戦略

M&Aを成長戦略の柱としており、2024年3月期までに累計28件のM&Aを実施しています。PMI(買収後の統合プロセス)においては、独自のノウハウ「ZIGExN Value Integration (ZVI)」を活用し、グループイン企業の成長を加速させています。

マッチングテクノロジーの活用

独自開発のマッチングテクノロジーを活用し、顧客とユーザーのニーズを的確に把握し、最適なマッチングを実現しています。これにより、顧客満足度の向上と効率的な事業運営を両立させています。

オーガニック成長と新規事業開発

既存事業の成長に加え、新規事業開発にも積極的に取り組んでいます。例えば、Living Tech領域では不動産売買領域に参入し、Life Service領域では国内ホテル・旅館の宿泊予約サービスをリリースしています。

財務概要

2024年3月期の連結業績は、売上収益232億4,900万円(前期比24.3%増)、営業利益53億9,400万円(前期比29.1%増)、EBITDA67億8,100万円(前期比27.1%増)と、増収増益を達成しました。2025年3月期は、売上収益275億円、営業利益63億円と、さらなる増収増益を見込んでいます。

クロスSWOT分析

強み(Strengths)

  • M&Aによる事業ポートフォリオの拡大

  • 独自開発のマッチングテクノロジー

  • 各事業領域における専門性

弱み(Weaknesses)

  • M&A後のPMIの負担

  • 一部の事業における競争激化

  • マクロ経済の影響を受けやすい事業構造

機会(Opportunities)

  • 人材不足の深刻化

  • リフォーム・リノベーション市場の拡大

  • 旅行市場の回復

脅威(Threats)

  • 競合他社の台頭

  • 法規制の変更

  • 景気変動

考えられる競合や他企業とのシナジー

競合

Vertical HR領域では、リクルートやパーソルキャリアなどの大手総合人材会社、Living Tech領域ではLIFULLやSUUMOなどの大手ポータルサイト、Life Service領域では楽天トラベルやじゃらんなどの大手旅行予約サイトなどが競合として考えられます。

他企業とのシナジー

異業種との連携によるシナジー創出も期待できます。例えば、金融機関や不動産会社との連携により、住宅購入やリフォームに関するワンストップサービスを提供することが可能です。また、小売業や飲食業との連携により、ライフイベントに合わせたサービスを提供することも考えられます。

考えられるM&Aや資本業務提携のアイデア


株式会社じげんが買収企業となるM&Aや資本業務提携の具体的なアイデアを、資料から読み取れる情報に基づいて検討します。

  • 「生活機会の拡張余地」を重視し、結婚、自動車、教育、飲食、EC、ペット、ヘルスケア、終活などの領域を検討していること

  • 「成長性」「効率性・希少性」「シナジー」といった観点からM&Aの対象を選定していること

  1. 株式会社ツクルバ(時価総額約76億円): コミュニティプラットフォーム「co-ba」などを運営しており、ライフイベント領域とも親和性が高いと考えられます。また、近年は不動産領域でのDXにも注力しており、Living Tech領域とのシナジーも期待できます。

  2. 株式会社Kaizen Platform(時価総額約30億円): DX支援サービスを提供しており、じげんの持つマッチングテクノロジーとのシナジーが期待できます。特に、Vertical HR領域の中小企業向けにDX支援サービスを提供することで、顧客基盤の拡大やサービスの差別化に繋がると考えられます。

  3. 株式会社Retty(非上場): 飲食店情報サービスを提供しており、Life Service領域におけるシナジーが期待できます。じげんが運営する旅行予約サービスとの連携により、旅行者向けの飲食店情報の提供や予約機能の追加などが考えられます。

まとめ

株式会社じげんは、M&Aとマッチングテクノロジーを強みとして、ライフイベント領域において多角的な事業を展開しています。2024年3月期は増収増益を達成し、今後も成長が期待されますが、M&A後のPMIや競争激化などの課題を克服していく必要があります。

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