自己啓発の洗脳

先日、デザイナーさんと先輩の編集者と打ち合わせをしているときに「自己啓発」の話題になりました。

デザイナーさんは「久しぶりにみた紅白で、歌詞が全部自己啓発的になっていてびっくりした。昔の歌謡曲は自己啓発とは逆の言葉を歌っていた」と言います。そして、歌だけではなく、あらゆる表現が「自己啓発的」に、つまりはサービスになっているとおっしゃっていました。

マジョリティに届けるためには何か「価値」をつくらなければならない。自己啓発は再現性が高いので、一般の人に最大公約数的に届けようと思ったとき、表現は自己啓発的な要素を入れてしまいます。

そして、受動的な消費者マインドを持つ多くの人たちも、現代は自己啓発を求めているという話となりました。

デザイナーさんの話を聞き、真っ先に思い返したのはこのnote。どうでもいいようなネタを書いているときでさえ、「何か良いことを書かねば」と苦心している自分に気がついたのです。

また、「自己啓発本、平成に急増 「将来に不安」背景」という記事を読んだこともあり、「自己啓発とはなんぞや」と改めて疑問を抱きました。

打ち合わせの途中にデザイナーさんからは「あらゆる表現が自己啓発になっていくのであれば、じゃあ何で僕たちは本をつくるんでしょうね」という問いも投げかけられました。残念ながらそのときに即答できるような考えが私の中にはありませんでした。

まずはオススメされた『日常に侵入する自己啓発』を読んで、じっくり考えてみたいと思います。


 


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