【業界人が語る】24時間テレビへの感情

昨日と今日にかけて、今年も日本テレビ系列で「24時間テレビ」が放送されました。

僕自身は仕事もあったし、諸々の用事もこなさなければいけなかったので、そんなにチェックすることができなかったのですが、ちょこちょこ見てみました。

かねてから本番組に対しては「感動を押しつけている」などの指摘があり、「放送しなくてよい」という声も上がっていました。
昨年は問題も起きたためにその声も大きかったようですね。

それもあるし、テレビ業界に身を置いている自分としては、この番組に対する己のスタンスを明かしておくべきかな、と思ったので、今日はそれについて書いてみます。

僕自身は、「24時間テレビ」については……



「放送してもよい」

のではないかと思っています。

これは別に、僕がテレビ業界の人間だから、仕事を失うのが怖くて申し上げているのではなく、本心からそう思っています。

なんだかんだ言って、4億円以上も1日で募金が、それもテレビの企画で集まることってないと思うんですよね。
昨年は、肝心のそのお金に関する問題が発生してしまったわけですけど、もちろん「起きてしまったことはしょうがない」なんてことは言うつもりもありませんが、4億ものお金が集まる番組を終わらせる必要なんて、単純にないと思うんです。

それと、「感動を押しつけている」との声ですが、僕はこれにもちょっと“異”を唱えたい。

今年も見ていて思ったのですが、客観的に見て、


「そんなに感動を押しつけているように、思えない」

んですよ。

企画の中には世界記録挑戦とか、リフォームとか、感動寄りではないものもある。
今年は、全盲の石田由香理さんの日常生活に密着したVTRが印象に残ったのですが、感動というよりは視覚障害者の方への誤解を解くような内容になっていて、見ていて僕も「へー」と思う点がいくつもありました。

確かに、視聴者に涙を誘わせるような点や少し大袈裟な点は見受けられるのですが、僕的にはそれは、感動の押し売りというよりは、

「演出の仕方が今の時代と合っていない」

のではないかな、と思いました。

24時間テレビの演出手法は、90年代からタレントの方々が取材対象者の元に行って一緒に何かやるというフォーマットから変わっていないんですね。

感動云々が問題なのではなく、もし問題があるとしたら、そのフォーマットが単純に飽きられているのかもしれない、と思いました。

では、どんな演出なら視聴者を納得させられるのかについては、僕もまだ具体的に思い付いてはいないのが歯がゆいところではありますが、視聴者に感動させようとする番組は他にも沢山あるし、その点で「24時間テレビ」だけが批判されるのは、何か消化不良な感覚が拭えません。

みなさんはどう思いますか?
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