ビジネス書との付き合い方

読書をするのが好きで、今まで純文学を中心に、哲学書やエッセイ、新書系、心理学の本、さらにはビジネス書も読んできています。

本格的に本を読み始めたのが28、29歳のくらいのときで、最初は自己啓発本から、その後にビジネス書ばかり読んできたのですが、純文学を読み始めてからはあまり自己啓発本もビジネス書も読まなくなりました。
最近、ビジネス書に関しては少しまた読むようになってきましたが、あくまでメインは“文学”ジャンルに属する本です。

そういうわけで、これまでそれなりに多くのビジネス書籍を読んできた中で、正直申し上げますと、業界専門書以外の一般的なビジネス論が綴られているもので、「物凄く役に立った」と言えるものはほとんどありませんでした。

とても役に立ったと思えるのは、

『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』
『HARD THINGS』

この2冊くらいかもしれません。

なぜでしょう。
考えてみたところ、やはりどれも似たようなことが書いてあるから。
この結論に至りました。

また、ビジネス書に書いてある内容は、大抵は簡単には真似できない。
これはなぜかと言うと、自己啓発本もそうなのですが、その著者と自分は別個の存在だから。
その方がビジネス論として書いた通りにやっても、働いている環境も違うわけで、その方には上手くいっても自分の場合は上手くいかない。

でもビジネス書って出せば売れるものが多いし、装丁が洗練されていたりするからか、読みたい気持ちにさせられるものが多い。

そんなビジネス書とどうやって付き合えばいいのか。
考えた結果、あくまで僕なりの回答ですが、



「小説も併せて読んでみる」

というのが良いのではないかと思いました。

ビジネス書って、どれも価値観が似通っています。
その弊害として、視野が狭まってしまい、他人の価値観を受け入れづらくなってしまいやすいのではないかと僕は思います。

一方の小説は、さまざまな登場人物が出てきて、その作品の中でそれぞれ独自の価値観で生きている。
そして僕たちの暮らす実社会も、それぞれ違う、いろいろな価値観を持った人々の集まりで形成されています。
各ビジネス書に書いてある自己啓発的な、類型的な価値観をその実社会、狭いところで言えば職場に単純に当て嵌めても、思うようにいかないのが現実なのではないでしょうか。

現実は小説に近く、多様な感情が渦巻いているもの。
「小説は読む意味なし」
という人もいますが、物の見方はいろいろあることを、言語化されているため腹落ちしやすく学べるのが、フィクションの魅力だと思います。

ですので、ビジネス書だけでなく、小説も読んでみることを僕はお勧めします。

読んで頂き誠に有り難う御座います! 虐げられ、孤独に苦しむ皆様が少しでも救われればと思い、物語にその想いを込めております。よければ皆様の媒体でご紹介ください。