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母と私と夏の思い出


私の母は、私が子供の頃からお母さんっぽくないところがあって。
私がアイスを食べていると「ひとくち頂戴!」といって半分くらいアイスを食べてしまうし、私が新しい洋服をきているとしばらくすると似たような服を何故か母も着ている。

夏になると「ピリピリ買ってきて~!」とよく三ツ矢サイダーを頼まれて買っていた。ピリピリ=炭酸飲料のこと。しかも色々試したけれど、私と母の間で三ツ矢サイダーが最愛、最強の存在で年中実家の冷蔵庫にストックしてあった。夏になるとそのサイクルは最高潮をきわめて、1.5ℓペットボトルは3本備蓄がないと母が泣いてしまう。泣くというより「買ってきて~」と泣きのお願いLINEが入る。笑
今にして思うと何がきっかけで母はそこまで三ツ矢サイダーを好きになったのか私は知らないまま、ずっと一緒に飲んでいた。

私たちはお酒が飲めない親子。(ほろよいくらいならいけますが)
お互いに仕事が終わってひといきつくと「ぴりぴり飲もうか~!」と2人で冷たいサイダーを飲みながら、今日あったことを話したり、聞いたりしていた。

ある時からカルピスをサイダーで割る!という…なんとも私たちには甘い贅沢な飲み物を発明してしまい、食後にはカルピスピリピリが登場するようになった。
母と話していたあの頃の何気ない時間は思い出だらけ。
感情をぶつけた日もあったし、語りつくした日もあった。

ここ数年、実家を離れてしばらく経つ。
結婚する前は懐かしいなんて思いもしなかった、カルピスピリピリ。

結婚して実家まで少し遠い場所に来た。
今年の夏に実家に帰った際。飲み物をとろうとして冷蔵庫を開けるとピリピリはきちんとすまし顔で入っていた。

車の運転できない母はどうやってこのペットボトルを買ってくるのだろう。
重たくないのか、膝も悪いのにどうしているのか、ふと心配になった。

母はケロッと「バスに乗って買いに行っているよ。だって気分転換になるんだもん」

母のピリピリへの情熱はまだまだ冷めやらぬよう。
元気な証拠だと思って安心した。

母は帰る最後の夜。
「飲もうよ」といつものように持ってきてくれた。

あと何回、母と語り合う一緒の夏を過ごせるだろう。重たかった子供のころの親子関係よりも少し仲良くいれるのは、友達みたいに寄り添ってくれる母でいてくれるからだと思う。

実家から帰って現実にもどると、転職後で慣れない毎日。
食後にピリピリ飲んで、一息つくとまた明日から頑張れそうな気がするよ。遠く離れた母からのエールコールが今日も聞こえてくる。

期間限定の和梨!
真夏のご褒美😚!!
旦那さんもピリピリ仲間になりました🍹

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