M&A×AI

AIシステムにより事業承継の推進を図るVANDDD(バンド)株式会社は、後継者がいない地元企業が持続できる環境の充実を目指す宮崎県延岡市と、事業承継の推進に関する連携協定を締結しました。

VANDDD社は、M&A仲介会社や税理士、弁護士向けなどに3つのサービスを提供しているそうです。

1. M&Aディールメーカー                         2. 株式価値算定報告書                          3. M&Aサーチ

以下、つらつらと勝手に所感を述べます。(あくまで私見です。)

1. M&Aディールメーカー

M&Aディールメーカーは、M&Aのディールを行う上で必要なバックオフィス業務作業(案件管理・価値算定・企業概要書作成、他)を効率化し、M&Aアドバイザー・仲介、M&A市場に参入する企業様向けのサービス、とのことです。

具体的な機能は次の5つです。

(ア)URL解析による対象企業の探索                    (イ)企業概要書(IM)スピード作成                   (ウ)Valueシュミレーター                        (エ)契約書作成機能                           (オ)ノンネーム作成機能

どれもあると便利な機能ばかりだと思います。特に、(イ)企業概要書(IM)スピード作成、(オ)ノンネーム作成機能は、私自身、M&A業務に携わっていた時から自動化できる部分だと感じていました。

また、自動化して規格や構成が統一された資料の方が、作る側も見る側もより見易くなるのでは?と思っていたところでもあります。実際のM&A仲介会社では、なんとなくこう作るだろう、といった感じで担当者(作成者)によって独自に作成されることも多いような気がします。

(ア)URL解析による対象企業の探索は、実際の機能を見てみないとわかりませんが、これだけで対象企業が定まるとは考えづらく、参考程度の情報が得られる感じなのかなと考えています。

(ウ)Valueシュミレーターと(エ)契約書作成機能は、他の会社でも提供しているサービスですし、ここは高度に実施しようとすると、やはり専門家の助けが必要なところかと思います。

これらのサービスは、M&A仲介会社向けのようですが、こうしたサービスが個人向けに提供できるようになると、M&Aがより一般化するのではないかと感じています。

2. 株式価値算定報告書

このサービスは、現在多くのM&Aプラットフォームで提供されています。詳細は割愛させていただきますが、自動化できる範囲はまだまだ限定的で、算定される評価も簡易的なものと割り切った方がいいような気がします。

そもそもM&Aにおいて誰がやっても同じになる「正しい評価」というのものはないような気がします。たとえ専門家が出した株式価値算定の数字があったとしても、それが対象会社の本当の価値かどうかなんて、誰がわかるのでしょうか?

究極的には、買収した後に期待以上の効果を生み出せたかどうかで、買収価格が適正だったかどうかを判断するしかないような気がします。

とはいえ、M&Aにおいて価格決定をする際の重要な情報として、一定の計算式に基づいた株式価値算定は参考になります。その意味で、やはりこの株式価値算定の自動化は、今後のM&A業務において必要不可欠なパーツでしょう。

3. M&Aサーチ

M&Aの専門家(アドバイザー)を紹介するサービスです。

やはり現時点ではM&Aをする際には、M&Aの専門家が必要かもしれません。ただ、個人的には、小規模なM&Aであれば将来的には買い手と売り手の当事者のみでできるんじゃないかと考えています。

まとめ

VANDDD社が提供しているサービスは、M&Aを仲介する立場やアドバイザリー業務を提供する個人、法人向けになっています。そうした専門家向けのサービスとしては、あると便利な機能やサービスばかりでしたが、その内容はもっともっと拡充できそうなイメージを持っています。

個人的な想いとしては、M&Aが買い手と売り手の当事者同士だけでできるサービスやシステムがあるといいのに…と思っています。そして、小規模なM&Aや個人M&Aでは、十分にそうしたサービスの提供やシステムの構築が可能ではないかと考えています。

これからもnoteで、こうしたM&Aの実現に向けた考察をしていきたいと思います。

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