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「芦屋の美術、もうひとつの起点―伊藤継郎」

この4月にリニューアルオープンした「芦屋市立美術博物館」で開催されてる「芦屋の美術、もうひとつの起点 ―伊藤継郎」に行ってきました。

伊藤継郎(いとう つぐろう)は、昭和期から平成期にかけて、芦屋を拠点に活動した画家ですが、私は全くしりませんでした。ごめなさい。なので事前に調べて、学芸員のギャラリートークのある日時に美術館に向かう事にしました。

伊藤継郎の作品は、荒々しいマチエールを表現するために、絵の具を厚塗りしたり、あるいは粒状のメディウムを混ぜたりしながら画面を作っていきます。また単に絵の具を盛るだけではなく、削ったり剥がしたり、よく分からないけど絵の具が泡状になって固まっていたり、と変化に富んでいます。一方、色調は一貫して落ち着きのあるものばかりです。「モチーフ」と「技法」には一貫性があるが、表現方法にどこか焦点の定まらない部分もあると感じました。ただ時代(年代)と共に表現方法が変化するのは、多くの芸術家に共通しているとも言えます。

学芸員の川原さんのお話しは、伊藤継郎の生い立ちから、技法や創作活動や表現方法の変遷、交友関係等を詳しく解説されてとても参考になりました。私のように、今回初めて伊藤継郎作品に触れる人には欠かせない貴重なものでした。

5月と6月にもまたギャラリートークがあるようです。学芸員の豊富な情報量に圧倒されるギャラリートークに興味ある方はどうぞ…。


ホワイエからの展示風景
ホワイエからの外の景色