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じいさん#4 早起き

じいさんは早起きで、毎日5時ぐらいには起きているようだった。
生花の卸売市場の仕事だから朝が早くて、僕が起きる頃にはもう帰ってきている。
僕が「おはよう、もう帰ってきたの?」と聞くと、

「おしっこしに行ってきただけだよ。」

と冗談ぽく答える。

本当にそうだったのかもしれない。でもたまに玄関に花束が並んでたりしてたから、ちょっとは何かしてたんだろう。

正月にはじいさんが毎年親戚を温泉旅館に連れてってくれて、元旦は初日の出を見るために、なぜか僕だけ起こされる。

「おい、もう時期出てくるぞ。」

と僕は何度も声を掛けられてやっとの思いで起きると、部屋の窓越しに山の向こうから太陽が昇ってくるのが見えた。

僕はスタンプラリーのように「はい、見ました。」という感じですぐに布団に倒れたけど、じいさんはそれで満足らしくて、朝風呂に入りに出掛けていく。

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