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じいさん#3 池プール

じいさんは多趣味で、そのひとつは庭いじりだった。

庭に岩を集めて高台を作り、そこに穴を掘ってプールを作るという壮大な計画があって、僕はよくホームセンターに連れて行かれた。

この日は土台を固めるためのセメントとプールに上るための階段の手すりを買って、帰宅するとじいさんはすぐに作業にとりかかった。

僕はじいさんの横に屈んでセメントを流し込む作業を見ている。

「明日にはこれがかちかちに固まるんだ。」

嬉しそうにしているじいさんを横目に、僕は前に幼稚園で友達と泥団子を作って肝油ドロップの缶に保管したのを思い出して、あれもかちかちになったか気になった。

じいさんはそれからひたすらプール作りをしていたようで、次に僕が遊びに来る頃にはほとんど完成していた。

孫の僕たち4人がぎりぎり入れる程の大きさだったけど、シュノーケルを付けて潜ったり、夜はお湯を入れて露天風呂を楽しんだ。

じいさんはそんな光景を「いい塩梅か?」と言って眺めたり、写真を撮ったりした。

僕たちが大きくなると、そのプールには鯉が泳いだ。

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