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プロゲーマー”たぬかな”さんの契約解除騒動で感じたこと

live配信中の不適切な発言が元でプロゲーマーのたぬかなさんという方が所属するチームを解雇されたそうですね。

ニュースを見て初めてこの方を認知し、該当の動画も拝見しました。
不特定多数が閲覧する可能性のある媒体だという認識が欠けてしまっていると感じるとともに、好みの特徴を表現する手段として好みでは無い対象を蔑む表現をなされていて、周りに注意してくれる人がいなかったのかなと苦しい気持ちになりました。

誰しも失敗はしますし、良くない行いであることを知らずにやってしまうことはあります。年齢を重ねても経験がないこともあります。その時に身近にいる人が相手の立場ならどう思うか、自分が感じていて伝えたいことをどう表現したら相手を傷つけないように出来るかといったことを教えてあげることが大切であり、たぬかなさんはこれまでそれを実感できる機会に巡り会えなかったのでしょう。
そういう価値観を形成する機会に恵まれなかったたぬかなさんを責めることは私はできません。
TVでも人の外見をネタにして笑いを取ろうとするような風潮がつい最近までありました。
むしろそういった人の外見でもって他者を蔑めることを許容していたのはこの社会そのものではないのでしょうか?とすら思います。
それを一個人が炎上し問題になった途端に”自己責任”という言葉でもって根本の問題を見えなくする今の風潮こそ問題だと私は思います。

今回大きな騒動になっていることを知り、勤めている会社の方や身近な人たち、ファンの方々からそういったことを教えてもらえるいい機会になればと騒動を知った当初は思っていました。
しかしながら所属チームが謝罪を表明した後に選手契約を解除されたというのでそれらの文章を拝見しましたが気になった部分があります。

謝罪文中
「本件についてはマネージメントを行なっている当社の監督不行き届きによるものであり、このような事態を招いてしまい、軽率な発言によりご不快な思いをさせてしまいましたことを深くお詫び申し上げます。」

”当社の監督不行き届きによるもの”と明確に書かれています。
もちろん世間から見た会社の好感度は下がったでしょうし、スポンサー契約も解除されて会社もダメージは負ったと思います。
しかし個人的にはこれを機会にたゆかなさんに教育の機会を与え、しっかりフォローアップも行い、他者への思いやりをもった魅力的な選手を育成するという選択もできたのではないかと思ってしまいます。
私には会社のマネージメントによるものと責任を認めながら最終的にはたぬかなさんの”自己責任”と切り捨てたように見えてしまいました。

たぬかなさんが発した言葉は確かに多くの人を傷つけるものだったことは理解しています。私も身長170cmなんてありません。
ですがプロゲーマーという新しい職業、それもまだ世間からの風当たりが大きい職業に果敢に挑戦されている方を守らずに契約解除をするだけではこれから新しい方が参入する壁を作ってしまわないでしょうか?
(*過去にも問題発言はあったようなので再三教育の機会を与え警告もなされていたなら話は別だと思いますが)

たぬかなさんにはまだまだ風当たりが強い日々が続くかもしれませんが、自らの進みたい道を歩まれると共に他者の痛みを考えられる優しい方になっていただきたく思います。

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