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感想かいた!


クマモト
ワンジャンプ
バンジー・クラブ

を読みました。表紙の文字が大胆でいい。


まえがきの「こなれたよそよそしさ」という表現でもう痺れた。ああそうだ、わたしは神田くんの文がすきなんだよなぁ、とじんわりとわくわくする。

バンジーそのものの体験記というよりも、道中がメインというのは新鮮だなぁ。ウーン、たしかに、自分が飛ぶとなったらどういう挙動になるのかは気になるかも。



思考を経て生まれたり削ぎ落とされたりした会話たちがこれがリアルだよなぁとなり、あまりにも良いので逆にフィクションみたいだな、と思った。自分でも何言っているのかわからないけど…。

他の作品に例えるのはあまり良くないかもしれないが、「セトウツミ」みたいな良さだと感じた。あれはリアルみがありすぎる会話が魅力のフィクションだけれどこれはリアルなのか…。口に出さない部分の巡りをこんなに覗いてもいいものなのかしら。という気持ちに。


「人生で親に会えるのはあと何日」を気にするというところで、急に胸をざわっとさせられた。そういうことはわたしもよく考える。都会育ちの実家暮らしでも、考える。育った環境があまりに違うので想像しかできないが、同じようなことを考えることがあったり、はたまた全然違ったりするのは不思議な感じだな。確定申告はわたしもあっているのかわからずやっている。しかも毎回ちょっとお金払ってる。間違ってるなら誰か言ってくれ、なんなんだ。


同窓会には行かないけれど、「行くか行かないかを選べる立場にありたい」本当にその通りだ。高校の同級生って集まったりしてんのかな〜してるよな〜。いやすぎる。


後半はこのあとにバンジーを飛ぶということが脳に張り付いている緊張感が出てきていて、他人事なので勝手にニヤニヤしながら読み進めた。わたしならぜって〜飛びたくない。お金を払ったあとで「やっぱやめる?」と聞いてみるところが神田くんっぽいなぁと思った。知らないけど。


わたしの価値観の中では、バンジー飛んで周りの人にウケたら一番いいかも。いいなぁ、すごく。わたしももしバンジーを飛ぶことがあったらウケたい。飛ばないけど。
ひとりだったら飛んでよかったかもな、くらいに確信を持てない感想になりそうだが、もし一緒に行った人が楽しそうだったら相乗効果ではっきりとよかったな、になりそう。そういう思い出になるのはいいな。飛ばないけど。



バンジーに限らずなにかしらの体験やそのときの気持ち、空気感を友人と共有できるっていうのはやっぱりいいものだよなぁ。それこそ文学フリマに行くのも前回まではひとりでそれはそれでよかったけれど、今回は友達について来てもらって楽しかったので本当に良かったなと思ったし、今後記憶を呼び起こす機会も増えるだろう。

誰かに遊びに誘われるっていうのはある程度心を許された気がして嬉しいのでどんどん欲しているが、わたしもいつも自分から誘う方だな。少し寂しくはあるけれど相手ももしかしたら喜んでくれるのかもしれないと想像して積極的に誘っていこうかしら、と思いました。



わたしは今のところ、「最近どうよ」の会話のところが1番好きかも。これを言ってもなぁ、とかこれは言わないほうがいいかもなぁとかって口に出す前に脳内で選択することってよくあって、それは当たり前になっちゃってるからわざわざ意識してなかったことで、そういえばそういうことをしているんだなと気付かされた。あと、口に出さなかった方のトピックまで知れることは普段はないからおもしろいと思った。

わたしは心を許した相手になら自分のことはかなり多くをしゃべりたい聞いてもらいたいってなるけど、相手の話を聞き出すのが極端に下手だ。言わないほうが、聞かないほうがいいかもなぁの判定が厳しすぎるのがひとつの原因なのかもしれないな。学びです。ありがたい。



ひとそれぞれの価値観があって、そういうのもあるのかぁと思ってる様子が伝わってくる会話たちをとても愛しく感じる一冊だった。

読むタイミングによって感じる部分が変わりそうな予感があるのでまた何度も読み返したい。


感想としては上手くまとめられなかったけど、おもしろかった。おもしろかったな〜。この本をご友人は読むのかな、読んだらどう思うんだろう。自分がした体験を、相手側の思考を含めた文章にまとめられていたらすごくおもしろいと思う。そんなことってなかなかないな、いいなぁ!とても大切なものになるだろうな。


わたしにとっても、大切な本のひとつになった。それはとてもうれしいことね。


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