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「生活習慣病」を死語にする会のHP公開

■ホームページを公開します

若年発症2型糖尿病を経験した2人の発起人と僕とで立ち上げた「生活習慣病を死語にする会」ですが、毎日の仕事に流されて、これまでHPを立ち上げることが出来ませんでした。しかし、ここ数日間、メンバーと頻繁に意見交換をしながら、ようやく「生活習慣病を死語にする会」のホームページ(HP)とFacebookグループ(非公開)をオープンする準備が整いました。なおFacebookグループのページ作りは主にメンバーのひとりであるA君が担当し、仕上げてくれました。ここに感謝の意を表したいと思います。

■素晴らしい推薦メッセージをいただきました

HPには文化人類学者・磯野真穂さん、東北学院大学, 教養学部, 准教授 東海林 渉さんから素晴らしい推薦のメッセージを頂きましたので、その一部を以下に抜粋させていただきます。

文化人類学者 磯野真穂さんからのメッセージの一部を引用します。

「生活習慣病」というカテゴリには力があります。それは、そこに入れられた人を、「悪しきライフスタイルゆえに病気になってしまった人々」と意味づける力です。こんな意味づけを背負って生き続けることを誰が望むでしょうか。だからこそ20代で糖尿病と診断された彼女はその中に入れられないために懸命に頑張りました。
カテゴリから一方的に与えられる意味づけは時に人を助けもしますが、人生を窒息させることもあります。「生活習慣病」には明らかに後者の力があり、それゆえにこの病名を死語にすることは大きな意義があるでしょう。本会の趣旨を強く支持します。

東北学院大学, 教養学部, 准教授 東海林 渉さんからのメッセージの一部を引用します。

社会には、「2型をアンチロールモデル(目標とならない人、こうなりたくないと思う人)にしている現実」があり、「2型を身代わり・生贄(スケープゴート)にして安心している私たち」がいます。私たちは、これに気づく必要があるでしょう。『生活習慣病』の名前はわかりやすい反面、「生活習慣」という原因と、「糖尿病」という病いの因果推論を強固にしてしまいます。その結果、糖尿病に「自己管理ができない病い」というレッテルを無条件に貼り付け、残酷にも、2型当事者に「自己管理ができない人」という烙印を押してしまうことになります。
「病い」と「人」とを分けること。人を「人」と見ること。『生活習慣病』の名称を死語にする意義は、ここにあると思います。本会の活動を応援しています。

本会の代表である私の自己紹介の一部を引用します。

今や医療は患者中心医療 Patient-Centered Careからパーソン・センタード・ケア Person-Centered Careへ向かっています。すなわち、病気や障害にばかり注目するのではなく、「病気」と「人」を分離し、「人」に重点を置くケアの重要性が叫ばれています。こうした視点に立ったとき、「生活習慣病」という呼称は「病気」と「個人の生活習慣」を因果論的に結びつけ、発病があたかも個人の自己責任であるかのような意味付けを社会に広く定着させた張本人のように思われます。その結果、糖尿病を抱えて生きる多くの人々はこうした先入観による社会からの差別に晒され、感じる必要がない自己嫌悪に苦しんでいます。僕は常々、生活習慣病という呼称が糖尿病を持って生きる人々にもたらしている“生きづらさ”をなんとかできないものだろうかと考えていました。
そんな折、会の発起人となられたお二人と出会い、私自身が代表となって、本会を発会することとなりました。折しも2019年秋には日本糖尿病学会、日本糖尿病協会によって「アドボカシー宣言」が発表され、アドボカシー委員会が設立されました。今、まさに機は熟したと言えると思います。これから、本会の活動によって、健康関連スティグマのない糖尿病ケアの推進、社会的スティグマのない社会の実現をめざしたいと考えています。

■生活習慣病を死語にする会のFacebookグループ

FBグループはHPとリンクを貼っています。ただ、このグループは「非公開グループ」ですので、関心のある方はぜひ「参加申し込み」をお願いします。

Facebookグループ規約(2021/1/18制定)の一部をご紹介します。

●参加資格
1型および2型糖尿病当事者とその家族、医療従事者、スティグマ、アドボカシー活動に関心のある人
●参加方法
グループへ参加ご希望の場合は、必ず以下の2つの手続きをしてください。
 1.グループへの参加申請
 2.参加を希望する理由と参加区分を【必ず記載】ください。区分に関しては下記からお選びください。
a)当事者(1型糖尿病)
b)当事者(2型糖尿病)
c)当事者の家族
d)医療従事者
e)上記ではないが、活動に関心がある
参加者の安全を守るため、グループへの参加理由を記載していただきます。
●グループの趣旨
本会は社会に蔓延している糖尿病に対する誤解、偏見、誤ったラベリング・決めつけ、非難など、いわゆる社会的スティグマを取り除いていくための社会活動を行うために結成されました。
そして、そうした社会的スティグマの象徴とも言える「生活習慣病」という言葉の使用廃止を求めていくことを目標の1つとしています。
こうした活動によって、糖尿病をもって生きる人たちが疾病を理由に不利益を被ることがない社会環境の構築をめざしています。
また同時に私たちは医療専門職の皆さんにも情報を発信し、健康関連スティグマのないケアを推進していきたいと考えています。
●ディスカッション(意見交換)
ディスカッション機能を使って各種の意見交換をしたいと思います。
生活習慣病という言葉の誕生によって、糖尿病や肥満は「悪い生活習慣」が原因であるという誤解が広まって、多くの人たちが“生きづらさ”を感じています。
こうした問題を、自分ひとりで抱え込まないで、このグループに発信し、みんなの意見を聞いてみませんか?
例えば、糖尿病を患うことによって生じた負の感情(自己卑下、無力感、自己嫌悪、怒り、罪悪感)、明らかに社会的な差別を受けている人(例えば、糖尿病を理由とした職場でのハラスメント)、太っていることや糖尿病を患っていることを人格的な欠陥や責任感の欠如であるかのように扱われた人…。
ぜひ皆さんの意見をディスカッションを通じて聞かせてください。テーマの提案もご自由にどうぞ。
ただし、他人への意見の押しつけ等、他参加者が不愉快になるようなテーマ、投稿は避けてください。

■最後に

以上、「生活習慣病を死語にする会」のHPおよびFacebookグループについて、ご紹介させていただきました。皆さまの参加をお待ちしています。

ホームページのURL

https://ssb45.com





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