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専門学校に行ってよかったこと

僕が実際に2年間専門学校に通ってよかったと思うことを書いていきます。
それ以上でもそれ以下でもありませんので、反対意見などは遠慮いたします。

感性を磨ける

18歳〜20歳という、子供と大人の境界で多感な時期に自由な時間を持てるというのは僕は最高に幸せだと思う。
旅をしたり、レストランに食事に行ったり、美術館に行き、自然に触れ、自分の心にしたがって行動する。そんな時間はとても貴重で、その後の人生においてキラキラと光り輝く時間だと思う。
年齢を重ねれば重ねるほど、感動の深さは浅くなっていく(気がする)
だからこそ、一流のものは早く見た方が、体感した方がいい。高校生の時に行ったルーヴル展やレフェルヴェソンス(ミシュラン二つ星)で食事をした時の感動は、きっと22歳になった今では味わうことができないだろう。
その時の体験は今、料理を考える時に多くのヒントになっている。
東京で大雪が降った日、僕は学校に行かず開園時間に新宿御苑に行った、あの時の感動は最高だった。世界を独り占めしたような、雪と一体になったような感覚は僕の人生の財産。
(授業にはかなり遅刻した)

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繋がりが増える

友達、先輩、同業者、生産者、etc、、、
本当に様々、多種多様な人と知り合うことができるのも、学生の強みだと思う。
時間は山ほどあるから、イベントやセミナーなどに参加することができる。プロ向けのものに参加すると「やる気のある学生」と思ってもらえるので、かなり良くしていただける。
僕は”学生”という肩書きを使いまくって、いろいろな方と知り合うことができた。それは今でももちろん繋がっていて、日々助けて頂いている。
タムさんと知り合った時も、タムさん主催の勉強会に僕だけが学生で参加していたので、すごく親切に気を使って頂きました。
もし専門学生がこの記事を読んでくれていたら、これだけは伝えたい。
「授業より人に会え」
(写真はフロリレージュの川手シェフと)

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幅広いジャンルの知識・技術が身につく

専門学校で学んだ技術・知識は現場では役立たない。そんなことをよく聞く。
もちろん僕もそう思う面もあるが、卒業して1年半料理人として働いてみてそんなこともないとも思う。
専門学校ではお金を払って教えてもらうわけなので、学校側からしたら生徒はお客さん。当然それはそれは懇切丁寧に教えてくれる。
包丁の握り方・扱い方・研ぎ方で1時間授業をしてくれるくらいには親切だ。
そして学校にもよるが、和洋中・製菓製パンの全てに触れる機会があることはとてつもなく大きい。和食のことを知らないフレンチの料理人、中華のことを知らない和食の料理人、パンが焼けない中華の料理人、そんな料理人を僕は結構見てきた。
もちろん基礎の基礎くらいの内容だが、非常に大きな武器になる。
僕は和食と中華の授業のおかげで、賄い作りはなんとかなったし。製菓製パンの授業のおかげで新卒からパティシエとしても働くことができた。


とにかく楽しい

僕はこれだけで2年間の学費を払ってよかったな〜と思う。
18歳、まだまだ遊びたい笑
バカなことやって、アホなことやって、くだらないことで大爆笑して、そして気がつけば20歳になり、お酒が飲めるようになる。
ニュースになる大学生のような遊びやお酒はもちろんやったことはないけれど、料理で遊びながらワインを飲んだあの楽しさは、学生ならではだと思う。
僕は2年間とにかく楽しいことだけをやっていた。そのために授業をサボったことも少なくないし、金欠で死にかけたことも多かった笑
それでも楽しかった2年間の思い出は卒業してからの心の支えにもなり、辛いことを乗り越えさせてくれた。


ぶっちゃけ技術には困らない

高卒で働いた方が技術が〜、とか
専門卒は2年遅れていて損〜、とか
僕の、僕個人の体験だけで言えば、マジでそんなことない。
専門卒より仕事できない高卒は山ほどいるし、大卒でめちゃくちゃ仕事できる人もいる。結局その人次第。
今雑誌で見るようなスターシェフ達はほとんど専門卒だし、本当に気にしなくて大丈夫。
僕は専門学生の頃バイトだったけれど厨房が2人だったので、肉も魚も焼いていたし、ソースも作っていたし、仕込みではパンを焼きデザートを作り、フォアグラもジビエも掃除していた。
怠けていたら無理だけど、2年間遊びながら頑張れば大丈夫。


学費の話

僕は専門2年間の学費、約320万円を全部自分で払ったし生活費もバイトで全てまかなっていた。
もちろん親が出してくれるのであれば、絶対にそれに甘えてお金のことを気にせず料理を楽しんだ方がいい。
ただ、僕は自分で全部出してよかったなと思う点があって。それは「自由に学校をサボれること」
親のお金で通っているのであれば、絶対にサボってはいけないと思う。その責任があると思う。
しかし全額自分のお金なら?誰にどうこう文句を言われる筋合いはない。
僕は2年間でかなりサボった。(今だから言える笑)
地方に行ったり、講習会に行ったり、レストランに行ったり、遊んだり。
全部僕の血肉になり、今に役立っている。


まとめ

確かに専門学校は万能ではない。ただ体系的に料理を学ぶことができ、自由な時間を多く持つことができ、一生の友達に出会い、遊び、学び、楽しむことができる。
その時間は自分という人間に厚みを持たせる。
しっかりとしたモチベーションを保てるのであれば、僕は専門学校に行って欲しい。きっとたくさんの楽しいことが待っているから。
僕らはゲストに楽しんでもらう、ハッピーを届ける職業。
フレッシュな感覚に楽しさ、ハッピーを叩き込んで料理人になってほしい。
料理は楽しい。食は楽しい。人は楽しい。

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